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【J2:第26節 福岡 vs 徳島】レポート:取り戻した一体感と監督采配の妙。新体制の福岡が白星スタート。(08.07.14)

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7月13日(日) 2008 J2リーグ戦 第26節
福岡 2 - 1 徳島 (19:03/レベスタ/9,193人)
得点者:10' 倉貫一毅(徳島)、44' 久藤清一(福岡)、84' 大久保哲哉(福岡)
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「今日の勝利は目先の1勝だったかも知れませんが、僕たちにとっては、これからを見据えた大きな1勝。サポーターの皆さんには混乱を招いて申し訳ありませんでした。これからも上を向いてがんばっていきたいと思います」。試合後、サポーターに挨拶する篠田善之監督(福岡)の少し震えた声に、スタジアムには大きな拍手と歓声が上がった。そして、大久保哲哉の音頭で始まったサポーターと選手が一体となった大合唱。混乱の中で生まれた新福岡の初戦は最高の形で幕を閉じた。

 前半は徳島が優位に立つ展開だった。徳島の攻撃は1トップの菅原康太のポストプレーが起点。そこへ両サイドから六車拓也、玉乃淳が絡み、空いたスペースに2列目が飛び出し、さらにはSBまでもが積極的に攻撃参加を繰り返す。その流動的な攻撃パターンに福岡は翻弄された。最大の修正ポイントだったマークの受け渡しは曖昧のままで、特に2列目から飛び出してくる選手を全く捕まえられない。そして10分、徳島は狙い通りの形からあっさりと先制。その後も幾つものチャンスを作り出した。

 守備面でも徳島は福岡をコントロールしていく。中盤の底に位置するダ・シルバを中心に素早い出足で前に出てくる福岡を囲い込み、常に数的優位を保ってチャンスの芽さえも作らせない。そんな徳島の前に福岡の攻撃は沈黙。選手間の距離は遠く、ボールを引き出す動きもなく、前線にボールは収まらない。狙いとしていた両サイドからの攻撃参加も全くと言っていいほど機能しなかった。ただ単調に中央へボールを集める攻撃にゴールが 生まれる予感はしなかった。

 しかし、福岡は前に出ようとする気持ちだけは失わなかった。ピンチを招いても、何度も跳ね返されても前を目指した。「すごく綺麗なプレーはいらない。とにかくひたむきなプレーを見せたい」。試合前日に語っていた篠田監督の言葉通り、ただ、ただ、ボールを追う。そんな姿勢が実ったのは44分。中島崇典がペナルティエリアへ飛び込んだところで登尾顕徳と交錯。審判がPKを告げた。これを久藤清一が落ち着いて決めて同点。「よく我慢してくれた。よく耐えて、しかもPKで同点に追いつけたのが良かった」(篠田監督)。そして、ここから福岡の反撃が始まる。

 まず篠田監督が切ったカードは、ハーフナー・マイクに代えて大久保哲哉の投入すること。そして、「しっかりとボールを動かすことによって相手の玉乃選手の所にスペースが空く。ゆっくりと回して、そこでスピードアップする」(篠田監督)ことを支持して選手たちをピッチに送り出した。その狙い通りに前線にボールがおさまり、中盤でボールが回り始める福岡。そして、久藤清一、中村北斗が右サイドを駆け上がるシーンが増えていく。

 徳島も粘る。堅固な守備は相変わらず。前へ出てくる福岡を確実に捕まえて跳ね返していく。前に出る福岡。しっかりと守る徳島。一進一退の攻防が続く。しかし、前半から一貫して前に出ることをやめない福岡の前に、徳島の前へ出るパワーが失われていく。「自信を持って戦う、必死になったチャレンジするということに関しては前半の部分では出来ていたと思う。けれど、それが後半出来なかった」(美濃部直彦監督・徳島)。時間の経過とともに流れが福岡へと傾いていく。

 さらに65分、篠田監督は満を持して黒部光昭に代えて田中佑昌を投入。田中は、期待通りにスピードを生かして徳島の左SBの後ろのスペースへ何度も、何度も飛びし、徳島の守備をかき回す。もはや主導権は完全に福岡に移った。そして84分、スタジアムに大歓声が湧き上がる。同じく途中出場の中払大介がドリブルで中央を持ちあがって田中へとボールをつなぎ、田中からファーサイドへとボールが送られる。ゴール前を固めていた徳島DFの間にできたわずかなスペースを抜けてファーサイドで待つ大久保に渡るボール。そのボールを頭で押しむと、大久保は一目散にサポーターが待つスタンドへと走った。選手の、篠田監督の、そしてサポーターの思いのすべてを乗せたゴールだった。

 新生福岡にとっては最高のスタートだった。低迷が続く中で突然の監督交代。この日敗れるようなことがあれば、一気にチームが崩壊する危険性もあった。その中で見せた選手たちの一体感と、初采配ながら流れと選手の特徴を見極めた的確に采配が、チームにとって何よりも必要な勝点3を手繰り寄せた。試合内容には幾つもの課題がある。この日の勝利でチームが抱える問題点のすべてが解決したわけでもない。しかし、前へ進む勇気と手応えを取り戻したことだけは確かだろう。次節は同じくホームで戦う横浜FC戦。さらに進化した姿を見てみたい。

 一方、敗れた徳島にとっては悔いが残る敗戦だった。前半は内容で福岡を圧倒。しかし、幾つものチャンスを作りながら追加点を奪えなかったことが最後に響いた。「我々のようなまだまだ発展途上のチームは、2点目をしっかりとらないと勝ちきれない、勝点3を持って帰れないといつも実感している」。美濃部監督は悔しそうに試合を振り返った。勝負所を抑えること、そして90分間に渡って戦い抜くこと、それがチームをレベルアップさせる最大のポイント。目の前に立ちはだかる壁を破るべく、次節の甲府戦に挑む。

以上

2008.07.14 Reported by 中倉一志
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