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【J2:第26節 仙台 vs C大阪】レポート:主導権を握ったC大阪に対し、じれずに耐えた仙台に一度は流れが。しかし「クルピマジック」で再びC大阪が押し返し…息詰まるシーソーゲームは結局0-0で終了。 (08.07.14)

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7月13日(日) 2008 J2リーグ戦 第26節
仙台 0 - 0 C大阪 (19:04/ユアスタ/14,439人)
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 この試合をプレビューでは「グループリーグのような状況」と記していたが、実際の90分はグループリーグのそれよりも濃密、いわば「決勝トーナメントのような」緊張感、そして試合展開だった。皆の息が詰まり、終了のホイッスルが鳴った瞬間、まるで皆が呼吸することを一斉に思い出したかのような息遣いに、スタジアムは包まれた。
 それは間違いなく、両チームの選手の奮闘、ならびに両監督のミスのない采配がもたらしたものである。

 仙台はダブルボランチの4−4−2、対するC大阪が4−2−3−1の布陣を描いて始まった試合。立ち上がりから試合内容において影響力を発揮したのはC大阪の「3」の部分だった。
 この試合において仙台は、右の飛騨暁、左の梁勇基という両サイドハーフに、持てる攻撃力を威嚇の道具として、対面するC大阪の両SB、右の柳沢将之と左の尾亦弘友希の攻め上がりを抑える(正確には「攻め上がった裏のスペースを使う」)役割を託していた。ところが当の飛騨、梁が、まさにそれどころではない状況に試合開始直後から追い込まれた。
 というのも右から乾貴士、濱田武、香川真司が並んだ「3」が、1トップの小松塁とも連携し、14分には狭いスペースでのワンツーから乾が抜け出してGK林卓人と1対1を迎えるなど、中央の位置で仙台にとっては危険極まりない動きを続けていたため、飛騨と梁も中央へ絞らざるを得なくなったのだ。
 となるとC大阪の両SBにとっては、まさに据え膳もののスペースを広げることになる。特に右の柳沢は、仙台の左、梁と磯崎敬太の間に何度も入り込み、小松目がけて際どいアーリークロスを入れ続けた。
 だが仙台も、理想通りのゲームプランとならなかったとはいえ、ひどく慌てたりしない。前節鳥栖戦で結果を出したゲームプランを踏襲するかのように、一端自陣深くでブロックを組んで守り、林のファインセーブに助けられながらも、前半を何とか0−0で凌ぐことができた。

 同点ならば様々なオプションを試すことが出来るが、その反面、カードの切り方を間違えると自らに傾きかけた流れが消えるのがサッカー。C大阪の猛攻が後半の15分前後で一端収束して、今度は仙台が反攻に出るためにカードを切ることになるが、中央だけでなくサイドでも危険を抱えている状況で、どちらかといえば守備よりもサイドの活性化で攻撃において貢献できるSB田ノ上信也の投入(この手は過去何度かの試合で効果を発揮している)を踏みとどまり、なかなかスペースを見つけられなかった飛騨を下げて中原貴之を投入、最前線において直接C大阪の守備を揺さぶろうとした案は正解だった。

 投入直後の中原が、関口訓充からの落としを受けて40メートルの位置から放った強烈ボレーがいわば号砲となり、仙台の反撃が始まる。仙台はハーフタイムでの修正で、前半よりも高い位置でボールを奪うことが可能になり、さらに張り詰めた試合をキックオフから続けてきた影響からか、C大阪が怪我明けの選手が多いDFライン、そして後半に入り不用意なキープやパスミスなどで何度もボールを失ったアレーのいる中盤後方に疲れが見え始めたことで、仙台のカウンターは鋭さを増していった。畳み掛けるように76分には満を持して田ノ上投入。右サイドの枠にとらわれないガッツのあるプレーでCKを得るなど早速活躍を見せ、流れが一気に仙台に傾いていく予感にスタジアムは包まれた。

 だが、さすがはクルピ、という一手がここで打たれる。この日クルピ監督が行った唯一の選手交代は、そのまま混戦に蹴りをつける王手、もしくはチェックメイトになりかける改心の一手だった。濱田を下げてFW登録の白谷建人を投入したのだが、彼が配されたのはトップ下に移った乾のいた右サイド。目の前にいたのは、前半のセーフティーファーストなプレーから一転、後半から高い位置どりでの守備で、地味ながら仙台の攻守を支えていた磯崎だ。田ノ上を右SBだった田村直也と交代させた以上、前節にケガからの復帰を果たしたばかりということもあってか、徐々に疲労の色が濃くなっていた磯崎に代えられる選手はいない。そこを見越したかのように、クルピ監督は磯崎の前にフレッシュな選手を配した。
 そしてこれが効いた。白谷の突破は磯崎に再び下がっての守備を強い、なおかつそれでも白谷は止まらない。突破からのシュート、さらにはアレーからのスルーパスを受けてなど、投入の10分間プラスロスタイムの間に3本ものシュートが白谷から放たれた。クルピ監督は試合後「決定機を決められなかったという意味で、引き分けは妥当な結果かもしれない」と語っていたが、そのコメントに「選手が決めてさえくれれば勝点3がもたらされるよう、自分は的確な仕事をした」という自負すら感じさせるような交代だった。

 とはいえ、では仙台が「敗戦に値するチーム」だったかといえば、そうとも感じない。C大阪に立ち上がりから主導権を譲ったのは確かで、後半さらに凄みを増した林のセービング(この日ユアスタで最も輝いたピンクは、セレッソのどの選手でもなく、ピンク色のシャツをまとった林だった)がなければ勝点がさらに失われていたのも否定できない。しかし後半勝負という明確な意思統一があり、さらに相手が疲れ始める後半にゴールを強襲できる駒は揃っている。こうした前節同様の戦いぶりを「夏の戦い方」として磨けば、大崩を防ぎながら勝点を積み上げていける期待はある。それに、決して戦いが退屈な内容になるわけでもない。ホームで3試合ぶりに戻ってきたサポーターの試合中の熱狂が、それを何よりも物語っている。

 互いの意地と知略がぶつかり合った一戦は0−0の引き分け。しかし昇格を争うライバルクラブは、この2チームが揃って勝点を伸ばし損ねたことへの安堵より、やはり仙台とC大阪は地力がある、そういった恐怖を感じているのではないだろうか。

以上
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