5月6日(火)J2 第12節 甲府 vs 横浜FC(14:00KICK OFF/小瀬)
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甲府に勝った熊本(第10節、1−2)に5−0(第11節)で勝った横浜FCを小瀬に迎える第12節。第11節は得点差がついた試合が多く、得失点差セールで泣き笑いとなったが横浜FCは最も儲けたチーム。甲府はそのセールの客にも店側にもならずブーイングにまみれた勝点1をバッグに入れて山梨に帰ってきた。第10節(4/29)に奇数チームで戦うリーグの恩恵――連戦中のお休み――を受けた横浜FCは、アンデルソンのハットトリックだけでなく、難波とチョ・ヨンチョルの今季初ゴールという今後への期待も含めた勝点3を手にした。
今季の横浜FCには「勝てないけど負けない」という印象が強い。引き分けが5試合、負け試合は1という数字。その最大の理由は相手のやり方に対して、流動的に選手の配置を換えて対応できるから失点が広島に次いで少ない(9失点)。都並監督も苦心した結果のやり方だろうが、一定の成功は収めていると言っていいだろう。ただ、攻撃面ではアンデルソンに頼らなければゴールが決まらないという悩みを抱えている。それだけに熊本戦で難波とチョ・ヨンチョルがゴールを決めたことは素晴らしいニュースだ。もう一つ嬉しいニュースはMF・山田の復帰が予想されることだ。
甲府も総失点は10点と悪くはない。攻撃から守備への切り替え、逆サイドのカバーなどキャンプから取り組んできたことが成果として表れている。ただ、総ゴール数も10とこちらは控えめ。得点はリアクションではなく、アクションの部分だから難しい。前節の甲府の戦いは、シュート数で18対5と草津を圧倒しながらも勝てなかっただけに不満の残る結果となってしまった。結果としては残念だが、短期間で急激に変わることを期待するのではなく、何が進歩したのかという部分の評価が抜けないように見ていきたい。
一つ前の熊本戦は「これくらいで勝てる」という甘さがハードワークにブレーキをかけたが、草津戦はそのハードワークが戻ってきたことで内容も取り戻した。ゴールが決まらなかったことはもどかしいが、仕掛けが増えた試合が多くなっていることは第1クールの前進要素の一つ。仕掛けが増えて、シュート数が増えないと得点力も上がらない。
甲府はロングパスが増えたと言われるが、J2リーグではボールを奪ってからショートパスを繋いで仕掛けなくても、前にボールを運べる場面が多いから今年はロングボールが増えているだけ。甲府のスタイルが変わったのではなく、合理的になればいい部分で合理的にプレーしようとしている。安間監督は「J1時代もロングボールの練習はしたけど、それを使う余裕がなかった。仕掛けるところで顔を上げて中を見られなかった」という。今は顔を上げてプレーできることが多くなっている。
仕掛けが増えた理由として、仕掛けるラインの見極めが出来始めていることも挙げられる。今のJ2は低いラインで網を張るチームばかりでない。トレンドになっている「人とボールが動くサッカー」をそれぞれのスタイルで志向するチームも少なくないから、ラインを高くしてプレッシャーを掛けて来るチームもあり、仕掛けるラインの高さはまちまち。もちろん、試合中の状況によってもラインは変わってくる。「ゲームを尊重しないといけない」、「ゲームの中で答えを出していかないといけない」という美尾のコメントの理由のひとつがこれだ。細かく見ればもっとリンクする言葉や場面を例に挙げることが出来るが、今節の横浜FCをイメージすると仕掛けるラインはそう高くはならないだろう。甲府のやり方に対してどう対応してくるのか興味深い。また、安間監督は「セットプレーでは三浦淳宏がいて、信頼関係があるから(ボールに)飛び込んで来る選手は思いきって入って来ることが怖い」と、警戒する。
ラインのそう高くない横浜FCに対して、甲府の仕掛けがゴールをこじ開けるには最後の場面でのクロスの精度やタイミングが問われる。今節の3トップは高さがないだけに、その質が問われる。この問題を一気に解消することは難しいが、増えた仕掛けとシュートがゴールどう繋がるのかを期待したい。
以上
2008.05.05 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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