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【J2:第12節 徳島 vs 草津】プレビュー:昇格同期対決は『ファーストパスの精度』がポイントとなるであろう一戦。久々の勝利を手にするのはホームの徳島か、それとも草津か!?(08.05.05)

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5月6日(火)J2 第12節 徳島 vs 草津(16:00KICK OFF/鳴門大塚
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徳島と草津。一昨年、昨年と苦しいシーズンを送っただけに、両者言うまでもなく今季へ賭ける気持ちは非常に強い。どちらも今季こそを誓って毎節の戦いに臨んでいると言えよう。さらにこの両チーム、2005年に揃ってJ昇格を果たした同期として今も互いにライバル心を燃やしているのは間違いないだろう。多くのメンバーが入れ替わり、初年度を知る顔ぶれは数少なくなったとは言え、変わることのないチームの歴史がきっとその後加わった選手たちをもそうさせるはずだ。

それだけにこの昇格同期対決、火花散る激しい戦いとなるのは必至。緊迫した目の離せないゲームになるであろう。そしてこの一戦、両者にとって『ファーストパスの精度』が明暗を分ける重要なポイントになると思われる。

徳島は9節の鳥栖戦から3連敗と、戦績を見れば厳しい状況にある。しかしながら、大敗した広島戦から中3日で迎えた前節・C大阪戦、敗れはしたがチームは確かに自分たちのサッカーを取り戻していた。そこで見せた積極的なプレスと果敢にゴールを目指す攻撃は美濃部監督の掲げるアグレッシブなサッカーそのもの。全員が一丸となって今季追求している闘いの形であった。事実、美濃部監督も「連戦のうえ広島に大敗して気持ち的には沈みそうな状況で迎えたC大阪戦だったが、チームはよく闘ってくれたと思う。勝利に届かなかったとは言え、積極的に自分たちからプレーを仕掛けた点は評価できるものだった」と振り返り、選手たちの働きを改めて讃えていた。

ただそんな徳島も、積極的なプレスによっていい位置でボールを奪いながら十分な決定機を作り切れなかったことは否めない。攻撃へ転じた時のファーストパスに精度を欠いたことでチャンスの芽を自ら消してしまう場面が度々見られたのだ。もう少しその精度が高ければ、と悔やまれたのは事実と言えよう。指揮官も「ひとつひとつのプレーの質の向上をシーズン通した課題として取り組む」という言葉を口にしたが、徳島はいいプレスが実践出来ているからこそ、その部分の精度向上が求められる。ドゥンビアや大島、玉乃の足元へきっちりボールを収められれば得点の可能性はぐっと高まるだけに、連敗を抜け出す結果を手にするためにもそれが不可欠だ。

対して草津は、「毎節毎節じれったいゲームで、また勝てなかったという感じ」と植木監督がこぼしたように、今季2勝目を前に足踏みを続けるこちらも苦しい状態。前節甲府に引き分けたことによって4戦連続ドローとなり、勝ち切れない試合を続けてしまっている。
とは言え、戦いを重ねるごとにチームが守備の安定感を増しているのは間違いないだろう。それを裏付けるように実際引き分けたここ4戦ではどの試合でも2点以上を失っていない(1失点/3試合、失点なし/1試合)。さすがにその守りついては普段手厳しい植木監督も「自信を持ってもいい」とコメントし、手応えを感じているようであった。

となれば、あとは攻撃が草津の抱える問題点だ。守備意識を強く持つがゆえ攻めに分厚さを欠き、ラフなロングボールを多用する傾向の現状を選手たちは早急に改善しなくてはならない。そう考えると、やはり必要になるのが草津も同じく、奪ったボールの的確な繋ぎ=『ファーストパスの精度』向上となろう。それによってしっかり起点を作り攻撃の厚みを持つことが出来たなら、当面目指す2勝目はもちろん今後の浮上も現実味を帯びてくるのではないだろうか。

どちらが勝っても久々の勝利となる。それをもぎ取るのは果たして!? 2005年昇格同期が激突するどちらも負けられない戦いは見応えある一戦となりそうだ。

最後に、徳島の攻守の中心・米田がこの戦いに向けて話してくれた意気込みを書き添えたい。
「ゴールデンウィーク中の連戦を締めくくる最後のゲーム、しかもホーム開催なので、とにかくチーム一丸となって勝利を目指します。ひとりひとりがしっかりとハードワークをこなせれば、サポーターの皆さんと喜び合える結果も出ると信じています」

以上


2008.05.05 Reported by 松下英樹
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