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【J2:第12節 広島 vs 仙台】プレビュー:休養十分に広島対策を準備してきた仙台に対し、広島は選手層の厚みとサポーターの声援を支えに戦いぬく(08.05.05)

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5月6日(火)J2 第12節 広島 vs 仙台(16:00KICK OFF/広島ビ
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 J2というリーグを戦う難しさは、単に試合数が多いとか、スケジュールがタイトだとか、そういうことだけではない。奇数チームのリーグ・システム。これも、戦い方を非常に難しくしている。奇数で戦う以上、毎節必ず試合のないチームが出てくるわけで、そのシステムが戦う条件に有利・不利を生んでしまうのだ。

 以前、広島のエース・佐藤寿人は、こういうことを言っている。
「いちばんやりやすいのは、1週間に1試合のペースが続くこと。2週間空いてしまうとリズムが崩れる。もし、休みをもらえるのなら、連戦の真ん中で休めるのがいちばんいい」
 今節の仙台が、まさにそのパターンだ。第11節は試合がなく、明日の試合まで1週間の準備期間があった。一方の広島は、中2日。休養という部分でも、対仙台への準備という面でも、ほとんど時間がない。
 正直、広島にとってこれは厳しい。しかし、森崎和幸は「日程は僕たちが決めることではないし、言い訳にはしたくない」と言い切る。復帰して以降、チームを見事に立て直した「ドクトル・カズ」(ペトロヴィッチ監督)の闘志は、揺るぎない。

 だが、連戦の疲労は間違いなく、選手たちを苦しめている。徳島戦(10節)で2得点を奪った森崎浩司は、山形戦(11節)では鉛のように身体が重くなり、精彩を欠いた。高萩洋次郎も山形戦の後半はプレーの精度を欠き、決定的なシーンでミスを犯した。森崎和にしても、2月に左側鼠径部症候群の手術を受け、リハビリを経て4月26日の熊本戦で復帰したばかり。いきなりの厳しい連戦に身体がついていけるかどうか。

 一方の仙台は、万全の準備を経て、広島戦に臨む。鳥栖戦(10節)では後半にゴールラッシュを見せて3−0の勝利。チームのムードもあがっており、手倉森誠監督も「今までの試合でもっとも決定機が多くなるだろう。前半にゴールを決めれば、かなりの高い確率で勝点3を得る」と自信を見せている。第8節の愛媛戦までは1点とるのが精一杯だったチームが、水戸戦・鳥栖戦と連続3得点。合計6得点中3点をあげているFW平瀬智行も「また決めたい」と得点への予感を示した。
「広島戦は前からいく」と手倉森監督が言明したことが本音だとすれば、広島はまたも、相手の「ストヤノフ対策」に苦しむことになるだろう。徳島戦では森崎和のカバーリングで対応していたが、それでも前の選手の4枚でプレスをかけられれば、そこをかいくぐるのは容易ではない。疲労は身体の切れだけでなく、判断力の精度も奪うからだ。広島は対甲府戦で相手のプレスをまともに受け、完敗した。仙台もまた、同じ光景を広島ビッグアーチで再現したい。

 ただ、広島のチーム状況は、疲労があってもなお、甲府戦(8節)前とは雲泥の差だ。森崎和がアンカーの位置に座ったことで、青山敏弘の運動量が攻守に機能し、佐藤寿人を頂点とする3トップが変幻自在の動きで相手守備陣をかく乱する。それまでは勝ってはいても内容が今ひとつ。主体的にゲームを動かして試合の主導権を握る戦いができていなかったが、徳島戦は4−1で圧勝。山形戦も結果こそ1−0だったものの、内容は相手の広島対策を上回り「勝つべくして勝った」とペトロヴィッチ監督が自信を持って言い切るほど。
「仙台戦はこれまでで最も厳しい試合になる」という森崎和の言葉は、チームの誰もが感じていることだが、一方で「相手はウチに対して何らかの策は講じてくる。それに対して、しっかりと対応して結果を出せばいいだけ」と佐藤寿人が語るように、チームとしての自信も深まった。疲労した選手は多いが、一方で柏木陽介が山形戦で復活の兆しを見せ、平繁龍一は見事な突破で得点を演出している。他にも、久保竜彦や高柳一誠など、タレントには事欠かない。「コンディションを見ながら、フレッシュな選手を起用したい」とペトロヴィッチ監督は選手の入れ替えも示唆しており、控えに甘んじていた選手のモチベーションも高い。

 広島と仙台は、2002年にリーグ戦で2度対戦しており、そのどちらも仙台が勝利している。仙台スタジアム(現ユアテックスタジアム)では、広島が2点差を追いついたものの、そこから突き放されて2−4。広島スタジアム(現コカ・コーラウエスト広島総合グランドメインスタジアム)での戦いでは、広島DFのミスに乗じて仙台がVゴール勝ちした。この時の仙台戦での2敗が広島にダメージを与え、その年のJ2落ちにつながっている。

「J1復帰に向けてのライバルの一つ」と開幕前にペトロヴィッチ監督が名前をあげた仙台に対し、6年前のリベンジを果たしたい。同じ轍を踏みたくない。広島サポーターと選手たちの想いは一つ。
「身体はきついけれど、サポーターと一緒になって戦えば勝てる」
 森崎和幸は、そう言い切った。

以上


2008.05.05 Reported by 中野和也
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