5月6日(火)J2 第12節 水戸 vs 湘南(13:00KICK OFF/笠松)
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「攻撃的で面白い」「期待が持てるサッカー」。開幕直後、今季の水戸に対してこの印象を抱いた人は多いはずだ。J1経験組との5連戦では1勝2分2敗という結果を残し、内容では五分以上の戦いを見せ、サポーターに大きな期待を抱かせた。だが、まぶしく輝く攻撃性の裏に隠れた守備のもろさという影の部分を見過ごしてきたツケが回ってきてしまっている。リーグ最多の21失点、3戦連続3失点。傷口は広まるばかりだ。
ただ、戦い方を変える必要はない。大切なのは90分という時間のなかでめまぐるしく動く試合の趨勢。それを見極めながら戦うことである。積極的なプレスをかけながらボールの取りどころをはっきりすること。前線からただ無闇に追うのではなく、チームとして狙いを持ったプレスをかけたい。それができない時間帯は、無理をせずにブロックを作って対応すればいい。2つの戦い方を使い分けることでチームは息を吹き返すはず。第3節甲府戦でブロックを作ってショートカウンター狙いの戦いを繰り広げ、勝利をおさめた戦いを思い出したい。
「今はどん底」と大和田真史は語る。ついに最下位に沈み、浮上のきっかけがつかめない戦いが続いている。そんな状況だからこそ、原点に立ち返りたい。今季水戸が目指すのは前線から激しくプレスをかけ、アグレッシブにゴールを目指すサッカー。しかし、サッカーの真理はそれではない。まずは走ること。そして1人1人が戦い抜くことである。前々節ホームの岐阜戦では序盤から足が止まってしまい、「戦うことができなかった」(木山隆之監督)。サポーターからブーイングが飛ぶのも当然のことであった。まずは戦う姿勢を見せることが必要である。その先に目指すサッカーはあるはず。今節は中盤のダイナモ・ビジュが復帰。彼のアグレッシブなプレーがチームに息を吹き込むことを願いたい。前述の言葉の後、大和田はこう付け加えた。「あとは上がるしかない」。この一戦をそのきっかけにしたいところだ。
ただ、『湘南の頑張り屋』はそう簡単に勝たせてはくれないだろう。ここ5試合で4勝1敗と波に乗っており、チームとして高い成熟度を見せている。それを支えているのはハードワークに他ならない。前線の石原直樹と原竜太の2トップは運動量が豊富で前線から激しくプレスをかけ、中盤が連動した動きを見せる。そして右サイドバックには臼井幸平が復帰。彼の豊富な活動量により、サイドはさらに活性化することとなっている。そうしたチーム全体の連動性のなかでアジエルの個人技が生きているのだ。現在3位という順位は実力通り。さらなる高みを目指すためにも必ず勝たないといけない一戦だ。
1週間前、中2日で臨んだ第11節山形戦ではチーム全体の動きが重く、敗戦を喫してしまった。それだけに「同じ失敗を繰り返さないようにしなければいけない」と坂本紘司は気を引き締める。今季のチームの成長を証明するためにも勝点3だけが求められる試合である。
連戦続きでともにコンディション的に厳しい一戦。だからこそ、メンタル面が左右することとなるだろう。「今は勝てなくて我慢をする時。そういう時こそ、気持ちが大事。気持ちを強く持てれば球際も強くなるし、上に上がることができる」と大和田は語った。早くも訪れた水戸にとっての試練の時。だが、紆余曲折があることこそ、リーグ戦の楽しみ。この苦境をどう乗り切るか。木山監督、そして選手たちが一回り大きくなる瞬間が訪れるかもしれない。
以上
2008.05.05 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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