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【J1:第1節 鹿島 vs 札幌】レポート:前半は札幌の堅守に苦しめられながらも、新井場の2発で勝利を引き寄せた鹿島。J1連覇・ACLへ好スタート!(08.03.09)

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3月8日(土) 2008 J1リーグ戦 第1節
鹿島 4 - 0 札幌 (16:03/カシマ/28,152人)
得点者:50' 新井場徹(鹿島)、64' 新井場徹(鹿島)、70' マルキーニョス(鹿島)、89' 佐々木竜太(鹿島)

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「正直、もうちょっと簡単に裏を突けるのかなと思ったけど、相手もウチをかなり研究してきたし、前半はうまくいかなかった」と2008年J1開幕戦勝利の立役者である新井場徹が話した通り、前半の鹿島アントラーズはコンサドーレ札幌の堅守にかなり苦しんだ。昨季J2を制した彼らの鍛え上げられた4−4−2のゾーンディフェンスはやはり完成度が高かった。が、それを確実にこじあけられるのが、J1王者の底力でもある。主将・小笠原満男がPKを外しても動じることなく新井場がヘッドで先制。これで相手の戦意を削ぐと、新井場、マルキーニョス、途中出場の佐々木竜太が追加点をゲット。終わってみれば、鹿島が4−0で圧勝していた。
 3月1日のゼロックススーパーカップでの退場処分で出場停止となった大岩剛、岩政大樹の代役として出場した中後雅喜、伊野波雅彦の両センターバックも、序盤こそ堅かったものの、持ち味の正確なフィードを見せるなど勝利に貢献。チームの総合力の高さを改めて示すことになった。この開幕戦からJ1・アジアチャンピオンズリーグ(ACL)18連戦が始まるが、彼らは非常に幸先のいいスタートを切ったといえる。

 優勝候補のガンバ大阪がジェフユナイテッド千葉に引き分け、浦和レッズが横浜F・マリノスに敗れる波乱が起きる中、16時にキックオフされた鹿島対札幌戦。昨季2冠の常勝軍団としても少なからずプレッシャーを感じたことだろう。しかも相手とは6年ぶりの顔合わせ。「未知なる敵」と言ってもいい状況だけに、選手たちにもやりにくさはあったはずだ。
 案の定、前半の鹿島はアグレッシブさを欠いた。立ち上がりからボールは支配するものの、本山雅志と野沢拓也の両攻撃的MFの運動量が少なく、田代有三もタメが作れない。マルキーニョスは何度かビッグチャンスを迎えたが、どうも決め手を欠いた。初めてコンビを組んだ中後と伊野波の両センターバックもやや落ち着きがなく、不安定さが垣間見えた。そんな鹿島とは対照的に、札幌は狙い通りのサッカーをしていた。前線と最終ラインをコンパクトにし、ボールを奪ってカウンターを狙ってきたのだ。縦パスを受けたエース・ダヴィが強引にシュートまで持ち込んだ前半42分のビッグチャンスには鹿島守備陣もヒヤリとさせられただろう。「対戦したことのないチームだったので、前半は戸惑いを感じていた部分がある。それは個としてもチームとしてもそう。敵を知る時間必要だった」とオズワルド オリヴェイラ監督は選手たちをかばったが、最初の45分間は間違いなく札幌ペースで進んでいた。

 三浦俊也監督としてはこのまま粘って、鹿島の運動量が落ちる終盤に1点を奪う展開に持ち込みたかったに違いない。だが、彼らが思うほどJ1王者は甘くなかった。鹿島は後半に入るや否や、より積極的にゴールに向かうようになる。「もっと外を使うようにと監督から指示があった」と本山も言う通り、選手たちは大きな展開から中央を狙う作戦に切り替えた。その意図がすぐさま結実し、開始1分には野沢がPKをゲット。これを名手・小笠原が蹴るが、信じられないことに相手の守護神・佐藤優也に止められてしまう。「まだ先週のゼロックススーパーカップの悪いムードが残っているのか?」と不安を感じた選手もいただろう。
 そんな不穏な空気を断ち切ったのが新井場。後半5分、小笠原の左CKをドンピシャリのタイミングで押し込んだのだ。普段のセットプレーの際、彼はペナルティエリア内には入らない。今回は大岩と岩政が抜けたことでたまたま入ることになったという。そんな偶然もあったが、新井場の強気の姿勢が値千金のゴールを呼び込んだともいえる。
「1点を取られたのが大きかった。前半は思い通りの展開だったんですけど…」と札幌のボランチ・ディビッドソン純マーカスもコメントしたが、彼らにとってこの1点は痛すぎた。三浦監督は先週契約したばかりのクライトンをセカンドストライカーの位置で起用するなど、巻き返しを図ったが、どうしても修正しきれない。16分にマルキーニョスが再びPKを失敗したところまではまだ何とか持ちこたえていたが、19分に中後のロングフィードから田代、マルキーニョスが絡んでマークがガラ空きになった新井場に2点目を奪われたところで、チーム全体が完全に切れてしまう。ここまで積み上げてきた堅守も崩壊し、札幌の選手たちは自信を喪失。マルキーニョスと佐々木の追加点を止める術も見つからなかった。

 4−0という結果は両者それぞれに大きなインパクトを残した。鹿島の方はゼロックススーパーカップで喫した黒星のダメージを完全に払拭し、チームとしての自信を取り戻す大きな1勝だった。ここから5月にかけてJ1・ACLの18連戦が始まるが、それに向けても力強い一歩を踏み出したといえる。中後と伊野波のコンビも時間の経過とともに安定感を増し、正確なフィードで攻撃の起点となった。大岩・岩政のハードマーカータイプとは一味違うセンターバックの出現で、オズワルド オリヴェイラ監督の選択肢も増えたようだ。これも確かな収穫といえる。
 対する札幌の方はJ1のレベルの高さを再認識させられる形となった。「力の差があった」と三浦監督も認めざるを得なかった。が、前半の組織的守備はJ1王者にも十分通じていたし、ダヴィやクライトンの個人能力は鹿島DF陣を怖がらせた。今は負傷者続出だが、これから主要選手たちも徐々に戻ってくる。こうした前向きな要素を戦う力に変えていくしかない。この大敗をいい教訓にすることが肝要なのだ。

以上
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