3月8日(土) 2008 J1リーグ戦 第1節
F東京 1 - 1 神戸 (14:04/味スタ/24,390人)
得点者:39' 今野泰幸(F東京)、53' 栗原圭介(神戸)
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城福トーキョーのデビュー戦は、FC東京サポーターにとっては2度美味しいゲームだった。前半は、新指揮官の嗜好するMovingFootballに酔い、後半はカボレの衝撃的な突破を堪能した。1−1の結果以上の幸福感が、試合終了後のスタジアムには確かに存在していた。
序盤は神戸のプレスが機能し、ロングボールの応酬になったが、徐々にF東京がペースを握り試合を支配した。長短のパスがつながり、それとあわせるように選手がピッチを動き回る。一次キャンプから目指してきたMovingFootballが初披露された。
オープニングゴールは、今野泰幸が「練習どおりだった」というかたちから。前半39分、ペナルティエリアの右外にセットしたボールをエメルソンが中央やや右の羽生直剛へ。羽生は柔らかなタッチでGKとDFラインの間に顔を出した今野へ正確なボールが届けられる。今野が右足を出し、ボールはゴールへと吸い込まれていった。
昨日の練習の一コマ。セットプレーの確認を入念に行っていた最中だった。城福監督がまったく同じシチュエーションのセットプレーのシーンでプレーを止めた。「ここはAクイックできるようなボールを送ってくれ」と、DFラインとGKの間に後は合わせるだけのボールを送るように指示をしていた。
出し手の羽生も「練習でやったことが出せた」とAクイック弾を満足気に振り返った。前半はそのまま、F東京が主導権を握ったまま終える。
後半は、神戸・松田監督の思い切った采配で戦局が変わる。ハーフタイムでボッティと須藤大輔を投入。「(ボッティが入ったことで)相手のシステム変更にともない、右サイドの栗原への対応が出来なかった。そこで失点したのは残念だった」と城福監督が振り返るように得意のショートカウンターがF東京ゴールを襲う。神戸は53分、カウンターからセットプレーのチャンスを得る。それを古賀誠史が混戦に蹴り込み、MF栗原圭介が押し込んで同点に漕ぎ着ける。
衝撃的なハイライトは試合終了間際に待っていた。55分、エメルソンに代わってピッチに入ったカボレが魅せた。84分、最終ラインの藤山からのボールを受け振り返ると、ゴール目指して直進。中央をドリブルで切り崩す。神戸DFが懸命に足を伸ばすも、味の素スタジアムを揺らす衝撃度だった。デビュー戦は不発に終わるも、Kリーグ得点王の看板どおりの実力を見せ付けた。城福監督は「まだ100%ではない。彼が100%ならもっと出来ると思う」と、カボレの更なる活躍に期待をこめた。このまま1−1でゲームを終えたが、味の素スタジアムには変わろうとするF東京の新たなスタイルを指し示すことが出来たはずだ。
「(この結果で目標順位は)何も変わらない。これで判断できない。今日の結果でそれがドラマチックに変わるわけではない」(松田監督)
神戸は5位を目指し、今季を戦う。大久保嘉人は開幕のピッチには立てなかったが、後半は神戸の形は出せた。松田監督が作り上げた神戸スタイルの真価が問われるのはこれからだ。
F東京もこの引き分けから今シーズンをスタートさせた。「もし、ファンの方が喜んでいただけたならそれは嬉しいこと。ただ、それに答えたかったし、勝点3をプレゼントしたかった」(城福監督)。試合後、選手たちは一様にある程度の満足感と課題を口にした。この手応えを確信に変えるには勝利が必要だ。城福監督の言葉を借りるならば「一試合、一試合右肩上がりに成長を遂げたい」ということだろう。
以上
2008.03.08 Reported by 馬場康平
J’s GOALニュース
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