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【第87回天皇杯4回戦 柏 vs Honda FC】レポート:Honda FCとのシーソーゲームを自滅で落とした柏、天皇杯は早くも終幕(07.11.04)

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11月4日(日) 第87回天皇杯4回戦
柏 2 - 3 Honda FC (13:00//4,015人)
得点者:24' 新田 純也(Honda FC)、38' 谷澤 達也(柏)、50' アルセウ(柏)、77' 鈴木弘大(Honda FC)、119' 鈴木 弘大(Honda FC)
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 秋晴れの照り付ける日差しのもと、激しいプレッシャーから、次々と高速カウンターが炸裂していく。日立台で幾度となく繰り返されてきた柏サッカーの代名詞とも言える爽快なスタイルも、この日ばかりはすっかりHonda FCのモノへと姿を変えていた。

 このスタイルを「うちのサッカー」と、試合後に自信溢れる表情で記者陣に言い切ったのはHonda FCの鈴木弘大。延長戦終了間際の決勝点を含む2得点でチームを勝利に導いたストライカーは、前線での果敢な動きで再三にわたって柏DF陣を苦しめてみせた。そして、故障からの復帰戦での敗戦にうなだれた柏の近藤直也に、「声をかけなくても分かっているような動きだった」と言わしめたこの鈴木と新田純也の2トップ。阿吽の呼吸でピッチに描いたふたりのコンビプレーは、この試合のハイライトとも言えるものだった。

 ただ、新田の美しいヘッドが柏ゴールに突き刺さりながらも、前半のうちに谷澤達也のゴールで追い付き、後半にアルセウのPK弾で逆転に成功したときには、確実に柏勝利の流れが漂っていたはずだった。とはいえ、前半から『慎重』という方向に針が振れ過ぎていた感のあるこの日の柏は、決してゲームのリズムをつかんでいるとは言えない状態にあったのも、また事実である。その後の思わぬ逆転劇の布石は、すでに序盤戦の戦いぶりにあった。

 その原因はピッチ上の至るところに散見された。相手の激しいプレスの前にボールが収まらない前線、相手の絶えない動きへの対応に追われてボールをさばき切れなかった中盤、相手の鋭いカウンターに対して完全に後手に回った守備陣。結果的に後半開始からの3バックへのシステム変更が裏目に出た石崎信弘監督も「技術、体力、戦術、気持ち、すべて負けていた」と語ったように、今、柏が追い求める溌剌としたサッカーを繰り広げたHonda FCを前にしたホームチームのプレーは、まさに「あまりにもレベルが低過ぎた」(大谷秀和/柏)。

 そんな柏を、全員がアマチュア選手というチームで倒してみせたHonda FCの石橋眞和監督は、「自分たちみたいなチームでも、精一杯やれば切り拓ける。そういうところで、チャレンジする価値がある。やっていこうと思えるモチベーションにつながる」と試合後に誇らしげに語った。最近はイングランド・プレミアリーグのチェルシーやアーセナルのサッカーに刺激を受けているという36歳の指揮官の目には、この舞台での戦いを続けられる喜びが溢れていた。

 一方、石橋監督とはコントラストを描くように、憔悴した表情で言葉少なに会見場をあとにした柏の石崎監督。厳しい言葉を飲み込んだその背中には、チームの不甲斐なさへの怒りが滲んでいるようだった。「開き直ってやるだけ」と語った山根巌、「もう少し一人ひとりが考えなければ」と話した大谷秀和、そして「俺が先発で出た試合は負けない」と決意を露にした鈴木達也。それぞれの選手たちから発せられたコメントは違えど、監督、選手含め、柏を取り巻くすべての人間が向かうベクトルは同じ先だ。ただ勝利をつかむために。

 日立台のアウェイゴール裏に咲き誇った赤き歓喜を横目に、サポーターからの強烈なブーイングにうなだれてピッチから去っていく柏の選手たち。公式戦5連敗という結果を見るまでもなく、シーズン終盤にして今季最大の試練を迎えた柏にとって、次の試合にかかる期待は並大抵のものではない。実に1カ月以上も味わうことができていない勝利の美酒を求めるチームに、下を向いている時間はない。

以上
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