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【第87回天皇杯4回戦 大宮 vs 横浜FC】レポート:滝澤・根占、意外な2人のねらい通りのゴールで、横浜FCが約6か月ぶりの公式戦勝利。大宮はやはり天皇杯の位置づけに迷いがあったか。(07.11.04)

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11月4日(日) 第87回天皇杯4回戦
大宮 0 - 2 横浜FC (13:01/富山/4,552人)
得点者:11' 滝澤 邦彦(横浜FC)、56' 根占 真伍(横浜FC)
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後半ロスタイム、横浜FCサポーターが勝ち試合の締めくくりに唱う『ビューティフル・ネーム』のチャントが約6か月ぶりに響き渡るなか、試合終了のホイッスルが吹かれた。結果は2−0で横浜FCの勝利。スコア通りの快勝だった。

試合は前半から横浜FCがペースをつかむ。開始直後は大宮にも何度かいい攻撃の形ができかけていた。しかし11分、オフサイドギリギリで飛び出し、右サイドの深い位置でボールを受けた三浦知が、中に味方が上がってくるまでドリブルで時間をつくり、うまいクロスを供給。これをゴール前に駆け上がった滝澤が頭で叩き込み横浜FCが先制した。この得点以降、横浜FCが完全に試合の主導権を握ることに。前から激しくプレスをかけてボールを奪い、特に根占ら中盤の選手はルーズボールに対し抜群の球際の強さを見せる。たとえ後方にパスが入っても、コースが限定されているため、早川、山田などが果敢に相手より前に出てインターセプトする場面も目立った。

後半は、「目を覚まして戦わなければ、天皇杯という歴史ある大会に失礼だし、富山の地でJ1勢の対決を楽しみにしていたサポーター、サッカーファンに対しても申し訳ないので、しっかりやれ」(佐久間監督)と檄を飛ばされた大宮がやや盛り返すも、前半とまったく同じ時間帯の56分に失点してしまう。三浦淳の左CKをニアにいた山田がヘッドでうしろにそらし、そこにいた根占が2タッチで押し込むという、やや押され気味になっていた横浜FCにとっては理想的な、セットプレーからの追加点だった。

その後も大宮は数々の策を用いて反撃に出る。村山をセンターバックにして、システムを3−5−2に変更、片岡を右のウイングバックに入れるなどの手を打ったが、選手の配置云々というよりは、前線に投入した若林の身体を張ったポストプレーを起点にパワープレーをしかけ、結果、大宮の中盤の選手が前を向いてボールを持てることになったことがいちばん効果的だった。ちなみに、この若林とマーカー・小村の競り合いは迫力満点で、試合の大きな見どころになっていたといえよう。そうして攻勢になった大宮だが、ゴール至近距離での決定的なチャンスを2〜3度迎えながら、枠をとらえることができずに逃してしまう。横浜FCも、カタタウや三浦知、そして交代出場の西山らが、カウンターで抜け出して惜しい場面を何度かつくり、一方的に押し込まれるばかりではない。結局、そのままスコアは動かずにタイムアップとなった。

大宮は、リーグ戦で熾烈なJ1残留争いを続けるなかで、やはりこの天皇杯の位置づけが難しかったか。何人か先発メンバーを入れ替えたことについて「前節ケガがあったりと、何人かの選手が起用できない状態で、リーグ戦のために温存というのではない」と語る一方で、「片岡がよくても悪くても、後半は村山をセンターバックにして、実戦でどちらがセンターバックにしたほうがいいのか試す」「あと実戦で試すのは3−5−2なのかな、と」など、今後に向けてのテストを行ったという佐久間監督のコメントは象徴的である。そうした微妙な状況が選手の心理面や動きに影響を与え、「相手のほうがモチベーションの部分で上回っていた」(荻)という状態を導いてしまったのではないだろうか。

逆に横浜FCは、「ゴールについては、僕かタキさん(滝澤選手)のどちらかが入っていくという約束事があり、それがはまった感じです」と根占が語ったように、戦術とまではいかなくても、シンプルな決まりをつくり、その達成のために選手が一つの方向を向けた結果、いつも以上に高い集中力と気迫をもって試合に臨めたものとみる。大宮MF・小林大は、「(相手の出足のよさ、球際の強さは)セカンドボールを拾われまくったことからも感じた」と語っていた。

試合後、敗れた大宮は、ショックを隠せない表情の選手、もう気持ちを切り替えたように淡々と敗戦を振り返る選手など、さまざまだった。横浜FCは、手応えをつかんだ今日の一戦をきっかけに、来季の体制がどうなるかはわからないが、それでも残り試合で、少しでもチームの引き出しを増やしておきたいところだ。とやかく言う向きもあるが、そのための指揮能力とチームの将来を考える誠実さをジュリオ レアル監督は備えていると、取材を通して感じられる。

以上
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