10月28日(日) 2007 J1リーグ戦 第30節
F東京 0 - 7 川崎F (14:05/味スタ/30,494人)
得点者:25' 鄭大世(川崎F)、29' 鄭大世(川崎F)、40' 箕輪義信(川崎F)、42' 鄭大世(川崎F)、74' マギヌン(川崎F)、79' 寺田周平(川崎F)、85' ジュニーニョ(川崎F)
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F東京は「前回の対戦の借りを返そう」と意気込んだが、悪夢は繰り返された。FC東京は前半から立て続けに失点し0−7、クラブ史上初の記録的な大敗を喫した。12回目の多摩川クラシコは、川崎Fのゴールショーで幕を閉じた。川崎Fは、ナビスコカップ決勝に向けて弾みをつける大きな一勝を手にした。
前半は、まさに鄭大世のための45分間だった。25分、混戦でこぼれた球に反応した鄭大世が、ミドルレンジから迷いなく左足を振り抜きゴール左隅に。さらに、29分には右サイドを縦に抜け出したジュニーニョからのボールをニアサイドに詰めて追加点を挙げる。鄭大世は、ストライカーとして是が非でも欲しい3得点目も、42分、右サイドに開いて視野を確保してから確実に右足で射抜いた。F東京は、その直前にセットプレーから箕輪にも得点を許し、前半を4点ビハインドで折り返す。
F東京の原監督は後半から、攻撃的な布陣で反撃を仕掛ける。伊野波を下げて平山を投入し、中盤のワンボランチに今野を置くダイヤモンド型に変更した。47分、金沢のロングフィードを赤嶺が半身で受ける。DFに体を入れて入れ替わり、左足を振り抜くもポストに弾かれる。65分には、右サイドの徳永から大きな展開で鈴木規郎へ。これを左足で合わせるも、枠を捕らえきれず。
「前回はあそこからひっくり返された。それもあって後半も気が緩まず戦えた」とは勝者・川崎F中村の弁。中盤と最終ラインでブロックを二重に作り、攻撃は前線3人の個人技に任せる抜け目のない戦い方で3点を加え、ゲームを終わらせた。
F東京の好調を支えてきた粘り強い守備はなぜ鳴りを潜めたのか――。
「ここ数試合は、失点してからもそこで踏ん張れていた。それが出来なくて残念。川崎Fは予想以上に、ロングボール主体だった。そこでうちのプレスを交わされた。ケンゴさん(中村)がいるのにつなぐこともなかった。関塚監督の作戦勝ちだったと思う」(今野)
前線からのプレスを交わされたことに加え、中盤のルーズボールも拾うことが出来ず完敗した。逆に関塚監督の冷静な分析力と、「アジアで一度だけ試した」(河村)という新システムにも柔軟に対応した、川崎Fの選手は賞賛に値する。
F東京はこの直視しがたい現実を受け止めなければならない。今野は「たくさんのサポーターに盛り上げてもらったのに、情けない試合をしてしまった。こんな負け方をしてしまって言い訳なんて出来ない。多くの批判を受けることも覚悟している。それでも僕たちのプロ生活は続いていく。これからのゲームでこの借りを返していきたい。2度とこういうゲームをやってはいけないし、まだ残り試合もある。気持ちを切り替えたい」と言った。大敗にこそ、学ぶべきものは隠されている。このゲームも含めて、今季味わった大量失点による敗戦を無駄にしてはいけない。
以上
2007.10.28 Reported by 馬場康平
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