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【第87回天皇杯3回戦 沖縄かりゆしFC vs 愛媛】レポート:守る沖縄かりゆしFCのゲームプランにハマった愛媛だが、延長戦終了間際にCKから決勝点を挙げて辛くも勝利を収める。(07.10.07)

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10月7日(日) 第87回天皇杯3回戦
沖縄かりゆしFC 0 - 1 愛媛 (13:00/愛媛陸/1,161人)
得点者:113' 三木 良太(愛媛)

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0対0のまま、スタジアムにPK戦の雰囲気が漂い始めた延長後半8分。愛媛はボランチ宮原が中央からドリブルで仕掛けると、途中出場のFW神丸へスルーパス。これに対しても、沖縄かりゆしFCはDFが3人がかりで神丸のシュートをしっかりとブロック。113分間、常に保ち続けていた沖縄県代表の高い集中が、唯一途切れた瞬間はその直後のCKだった。

「ニアの選手を越えて、GKの届かないところへ蹴ったイメージ通りのボールだった」というボランチ青野のCKをFW三木がヘディングで押し込むと、その後、虎の子の1点を守りきった愛媛はかろうじてJの面目を保った。

想像以上の苦戦に愛媛の選手達は「格下相手にあれだけ引かれると・・・」と試合後、口を揃えて弁明したものの、それは試合が始まる前から分かっていたこと。だからこそ、立ち上がりから一気に勝負を仕掛け、たたみかけるゲームプランで臨んだ試合だったはず。確かに11分には左サイドのDF星野から、14分には右サイドのDF関根のクロスからFWジョジマールがビッグチャンスを迎えたものの、その後は守備ブロックを整えて待ち構える沖縄かりゆしFCのゲームプランにハマっていった愛媛。「まわせるだけに、足元に繋いでしまった」とMF江後が振り返ったように、圧倒的にボールを支配しながらもダイナミックにゴール前へと攻め込む場面は次第に少なくなってしまった。

すると後半に入っても、同じパターンを繰り返してしまった愛媛。立ち上がりにはボランチの赤井がゴール前に放り込んだボールを三木が落とし、ジョジマールがシュートを放ったが、これはクロスバーを直撃。続く8分、11分には三木がシュートを放ってゴールに近づいたものの、時間の経過とともに試合は膠着状態に。「ツートップの絡みはお粗末だった」と望月監督が課題に挙げたように、前線で起点を失った愛媛は逆に沖縄かりゆしFCのカウンターを許し、14分にはMF阿部に、32分にはMF堀にフィニッシュまで持ち込まれてしまった。

それだけに、沖縄かりゆしFCにとっては悔やまれたのがフィニッシュでの精度。カウンターから時に数的有利を作って愛媛のゴールに迫りながらも、シュートやラストパスに精度を欠き、何度もチャンスをふいにしてしまった。それでも『守りを固めてカウンター』というゲームプランを貫き通し、愛媛サポーターのため息を誘った試合運びは見事。試合後にメインスタンドから、沖縄かりゆしFCに対する大きな賞賛の拍手が湧き上がった場面は今日の象徴的なワンシーンとなった。

逆に課題だったツートップのコンビネーションが噛み合わず、ゲームプランが崩れてしまった愛媛。ベストメンバーで臨んだにもかかわらず、この試合で苦い経験を得て、リーグ戦に不安を残すことになってしまったが、ひとつの救いは水曜に開催される次節のJ2で試合がないこと。次のJ2ホーム・山形戦まで、今日の反省点を修正するために1週間の猶予が与えられている。その時間を無駄にすることなく、今度はチャレンジャーとして山形戦での初勝利を目指すことになる愛媛。とにかく、結果的には四国ダービーから始まった3週続く週末のホームゲームでここまで2連勝。ホーム3連戦の最後を勝利で飾り、次こそは今日の鬱憤を晴らしてくれることに期待したい。

以上

2007.10.07 Reported by 近藤義博
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