10月7日(日)第87回天皇杯3回戦 福岡 vs 栃木SC(13:00KICK OFF/博多球)
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今年も天皇杯の季節がやってきた。1921年に日比谷公園グラウンドで4チームの参加で行われてから87回目。現在は、地方予選から数えれば6000近くのチームが日本一の座を争う。Jリーグの開幕以降、その価値と権威が低下しているとの指摘も多いが、日本最古にして最大の大会であることに変わりはなく、サッカーをプレーする者にとっては、決勝戦が行われる「元旦の国立」は、いまもなお特別な場所だ。
しかし、年間48試合の長丁場を戦うJ2のチームにとっては、いかにしてチームのベストな状況を保つかが難しい大会でもある。終盤を迎えるJリーグでは、一つの負けも許されない。しかしながら、天皇杯は一発勝負。少しの気の緩みはチームにとっての天皇杯が終わることを意味する。移動。過密スケジュール。増えるプレッシャー。それらと対峙しながら、限られた選手をやりくりし、なおかつ、結果を出さなければならないからだ。
その3回戦に、リトバルスキー監督はリーグ戦とほぼ同じメンバーで臨むことを示唆している。天皇杯の3日後にはリーグ戦で京都との対戦という大一番を迎えるが、天皇杯を戦うことで背負う疲労よりも、現在2連勝中というチームの勢いを持続させるためには、中7日という同じスケジュール、同じメンバー、同じ戦術で試合をした方がいいとの判断だろう。そして、公式戦を戦う中で、取り戻しつつある攻撃のリズムを確固たるものにし、課題を残す守備を整える構えを見せる。
一方、迎える栃木SC(JFL所属)は、1953年に教員主体のチームとして創立されたチーム。その後、1994年に一般社会人に門戸を広げ、2002年以降は下部組織を着々と整え、現在はJリーグ準加盟チームとして来年度からのJ2参加を目指している。現在のJFLの順位は10位。Jリーグの加入が認められる4位以内との勝ち点差は8で、残り試合が8しかない現状は厳しい状況だが、Jリーグとの対戦は自分たちの力を確認する絶好のチャンス。モチベーションは高いはずだ。
ここまで26試合を消化して21失点は、JFLでは2番目の数字。その反面、リーグ・ワースト2に当たる26得点しかゴールを記録していない。現実的には、守りを固めて少ないチャンスを生かすということになるのだろうが、直近の5試合で3得点しか挙げられていないことを考えれば、どれだけ得点チャンスを作れるかを実践の中で試したいという思惑もあるはずだ。失うものがないのは栃木SCのほう。福岡に対してアグレッシブに挑んでくる可能性もある。
そして、栃木SCには、かつて博多の森で愛された上野優作、山下芳輝、米田兼一郎の3選手が所属している。福岡サポーターにとっては新旧の福岡戦士の対決も興味を引くところだろう。ブーイングで迎えるのか、それとも拍手を送るのかは当日のお楽しみだが、新しいステージでチャレンジする彼らが、再びJリーグの舞台でカクテル光線を浴びることを応援しているサポーターも少なくない。勝負を譲るわけにはいかないが、好ゲームを展開してくれることを期待したい。
以上
2007.10.06 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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