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【J2:第30節 草津 vs 福岡 レポート】アレックス前半34分でハットトリック。草津は福岡の攻撃サッカーに為す術なし(07.07.26)

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7月25日(水) 2007 J2リーグ戦 第30節
草津 1 - 5 福岡 (19:03/群馬陸/2,078人)
得点者:'11 アレックス(福岡)、'31 アレックス(福岡)、'34 アレックス(福岡)、'37 チェッコリ(福岡)、'38 山形恭平(福岡)、'70 松下裕樹(草津)

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個人技、チーム力、気迫、連携、戦術…ゲームを作るすべての要素において福岡が数段上回っていた。草津のネットを次々と揺らす、福岡のダイナミックなゴール。草津にとっての救いは、リトバルスキー監督がハーフタイムでアレックスと久藤の主力2選手を下げてくれたこと。前半の勢いで攻め込まれたら、果たして何点取られていただろうか。草津はこの屈辱的な大敗を心に焼きつけ、再スタートを切るしかない。

前節が休みとなり中9日で草津のホームに乗り込んできた福岡は、4バックから3バックに変える新システムを実行した。3バックの前にワンボランチ・布部を配置する形で、DFを1枚減らして攻撃に回す布陣だ。「これまでアタッキングエリアにボールを運びながらも相手のゴールを脅かすことができていなかったので、もう一人が前線に飛び込めるようにした。後ろのリスクはあるが、やっていかなければいけない」とリトバルスキー監督。この超攻撃的なシステムが草津を破滅に追い込むことになる。

 キックオフと同時に襲い掛かってくる福岡の攻撃陣に対して、草津の守備陣はいきなり受身に回る。ワイドに大きく張り出す田中と久永への対応で、草津の両サイドバックは釘付け。アレックスのマンマークについた松下も最終ラインに吸収されバイタルエリアが空白となる中、草津が耐えられたのは前半の11分までだった。久永とのコンビネーションでバイタルに飛び込んだアレックスが裏へと抜け出し先制点を決める。草津はボールを奪う位置がどうしても低くなり、効果的な攻撃が生まれない。そして悪夢の30分代を迎えることになる。

 31分、リンコンからのクロスをアレックスに決められ追加点を許すと、草津の堤防は完全に崩壊していく。34分にはアレックスがハットトリックとなる3点目。気落ちした草津は、37分にセットプレーからチェッコリ、続く38分には久藤からのスルーパスを受けた山形恭にファインゴールを決められ万事休す。スタンドからは大きなため息とともに、失笑も聞こえてきた。前半でゲームが決したのは、誰の目から見ても明らかだった。草津の守備陣は、2列目から飛び込んでくる福岡の選手に対してマークの受け渡しが全くできず、すべてフリーでシュートを打たせた。「センターバックがなぜマークを受け取らないのか。そんな基本的なことができなければ話にならない。戦術以前の問題だ」と植木監督。11試合も勝利から遠ざかる草津の傷口は想像以上に深い。

アウェイで草津を叩きのめした福岡だが、唯一の誤算は布部の退場。次節で東京Vとの大一番を控えるだけに、代えの利かないピースを失うダメージは大きいはずだ。熾烈な昇格争いを繰り広げる福岡にとって次節は山場になる。

草津は後半、ゴールへの気迫を見せPKで1点を返したが、5点差をつけられてから必死になるのではあまりにも遅い。選手たちは、福岡以上に走り、福岡以上に闘ったと言えるだろうか。答えはNOだ。チームは選手たちのためだけに存在しているのではない。この大敗で屈辱を味わったのは選手だけではなく、サポーターも同じだ。だが 屈辱を晴らすためにサポーターができることはスタンドで声を出すことしかない。サポーターは、愛する選手に自分たちの夢を託しているのだ。草津のバックスタンドには「KUSATSU KINGDOM」の大横断幕が掲げられている。選手たちは、草津の代表であることを1秒たりとも忘れてはいけない。


以上

2007.07.26 Reported by 伊藤寿学
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