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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【第86回天皇杯準々決勝 鹿島vs清水】2点先取した清水がまさかの逆転負け。鹿島が試合終了直前の執念のゴールで勝ち残る(06.12.23)

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●第86回天皇杯準々決勝
15:02/熊本/5,737人
鹿島 3-2 清水
得点:10' 矢島卓郎(清水)50' 矢島卓郎(清水)54' 田代有三(鹿島)79' 本山雅志(鹿島)88' 柳沢敦(鹿島)
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「日本では2点差や3点差が逆転される試合が目立つ」。天皇杯が終われば日本を去る鹿島のアウトゥオリ監督は、日本サッカーへの提言として試合後にこう語った。その言葉に込められたものは、2-0から逆転された清水にとっても、来季に向けての大きな課題となった。

両チームともスタメンは5回戦から1人変わっただけ。清水は、青山がアジア大会から復帰し、鹿島のほうアレックス ミネイロが帰国して、代わりにダ・シルバがFWとして出場した。立ち上がりは鹿島が攻勢に出て清水は受け身の展開になったが、先手を取ったのは清水。10分の藤本の左CKを中央のチョ・ジェジンがヘディングで右ポストに流し、これを矢島が身体ごと押し込み、最初のチャンスで先制点を奪った。
その後もポゼッションでは鹿島が優位に立ち、清水の攻撃もきっちり抑えたが、「前半は(精神的に)試合に入ることができていなかった」とアウトゥオリ監督は厳しい評価。たしかに攻撃面では鋭さを欠いて清水の守備組織を突き破ることができず、清水の攻撃も今ひとつ冴えず、前半のシュート数は鹿島4本、清水3本と見せ場の少ない展開のまま1-0で後半に折り返した。

ハーフタイムでアウトゥオリ監督に厳しくハッパをかけられた鹿島イレブンは、相手よりもかなり早くピッチに戻り、後半立ち上がりから再び攻勢をかける。しかし、次の1点はまたも清水。後半5分、カウンターからうまく縦に抜け出した藤本がドリブルで中に入り、チョの動きをおとりにして逆サイドの矢島にスルーパス。矢島がこれを1タッチのシュートでゴール右に決めた。この2点目は、鹿島のミスを突いたカウンターから非常にきれいな形で奪ったゴール。内容的にはやや押されながらも、試合の流れはここまで清水の狙い通りだった。
清水にとっては、あとは2点差をしたたかに守りきれば良いゲームだった。だが、「点を取った後にホッするというか、ゆったりしてしまう時がある」と長谷川監督が振り返ったように、そこから仕上げの甘さが出てしまう。
9分に、野沢の右CKから田代が頭で決めて鹿島が1点を返すと、試合の主導権は徐々に鹿島に移っていく。清水のほうは、18分に兵働を入れて中盤のタメを強化したが、セカンドボールを鹿島が拾う場面が多くなり、流れを完全に引き戻すことはできない。
そして、34分に内田の右クロスから本山が決めて同点。そこからさらにたたみかけていった鹿島は、43分に速い攻撃から途中出場の柳沢が久しぶりのゴールを決めて、土壇場でついに2点差をひっくり返した。「全体的に少し覇気がなかった」(長谷川監督)という清水に再逆転する力は残っておらず、そのまま鹿島が3-2で準決勝進出を決めた。

両チームとも失点はミス絡みが多く、勝った鹿島としても「不注意」が目立った試合。ただ、どんな形でも気持ちで勝利を引き寄せるという部分では、今日のところは鹿島が上回ったということだろう。
今年大きく躍進した清水も、勝負に徹しきれない面が出て、勝ちきれなかった試合がいくつかあった。「もう一歩上に行くためには、そういうところが必要になる」(高木和)という課題が、今年最後のゲームであらためて浮き彫りになったが、来年はこの悔しさをプラスのエネルギーに変えることを期待したい。


以上

2006.12.23 Reported by 前島芳雄

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準決勝試合予定
●2006年12月29日(金)
13:00 G大阪 vs 札幌 静岡
15:00 浦 和 vs 鹿島 国立

以上
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