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【第86回天皇杯準々決勝 甲府 vs 札幌 プレビュー】エースFWをともに欠く対決。日本人FWの出来が勝敗を分ける(06.12.23)

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●第86回天皇杯準々決勝
12/23(土)13:00/ユアスタ
甲府 vs 札幌
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バレーが退団した甲府は、5回戦(川崎F戦)でジョジマールが戦力として期待できることが分かった。バレーの退団のショックを払拭できる手ごたえをスタッフもサポーターも掴んだはずだった。しかし、頼りにしていたジョジマールがビザの都合で帰国してしまい、アライールも帰国している甲府は日本人だけで天皇杯を戦うことになった。一方、札幌はエースFW・フッキがケガで甲府戦を前に帰国。MFの大塚、DF加賀が別メニューでトレーニングするなど出場は微妙な状況。両チームともに、この時期、外国籍選手が頼りにならないという不満のひとつも言いたくなるが、お互いにこの時期までサッカーをやっている幸せだけを感じて欲しい。

柳下監督が交代し、大宮の監督だった三浦氏が監督になることが内定している札幌。柳下監督3年間の集大成を天皇杯で見せることになった訳だが、リーグ戦を終えて天皇杯でようやく一体感が出て、歯車が噛み合ってきたことは、なんとも皮肉な状態。18日からJヴィレッジで合宿を行っている札幌は選手を20人に絞って合宿を行ってきた。ここに柳下監督の意思と覚悟が表れている。ただ、ケガ人が出る中で新しいチャレンジを甲府戦で行う必要が出来てきた。FWにはMFの西谷を起用することになりそうだ。フッキが不在では西谷の個人技で甲府のディフェンスラインを混乱させるしか手札はない。西谷、相川のツートップ、そして(腰痛が心配だが)砂川のトライアングルが甲府の守備陣をどう切り裂くのか注目だ。

一方、甲府もジョジマール不在では3トップを再構成する必要がある。川崎F戦では左から茂原、ジョジマール、倉貫の3人だったが、中央のジョジマールが不在。茂原を入れるのか須藤を入れるのか悩むところだ。茂原を中央に入れるのなら、左は山崎か長谷川。須藤を中央に入れるのなら左が茂原、右が倉貫という3トップになりそうだ。川崎F戦で復帰した倉貫は中盤の選手というイメージがあるが、中盤の選手としての守備の負担がなくなると彼の上手さが解放される。倉貫は我々が思っている以上に攻撃面の才能があって上手い選手。この試合では、倉貫の素晴らしさを再確認しながら観戦しても面白いかもしれない。中盤は藤田、石原、林で変わりはないと思われるが、藤田のFKが冴えているのは甲府にとって強みだ。

J1の甲府とJ2の札幌という対戦では、J1の甲府の方がプレッシャーは強いはず。札幌は失うものがない状態で挑んでくるだろう。甲府がそれを受ける気持ちになれば足元をすくわれる可能性は高い。また、GKの佐藤は甲府からレンタル移籍している選手。甲府のサッカーの雰囲気は伝わっているはず。札幌の選手が前からのプレスを連動してかけ続けることが出来れば甲府に後手を踏ませることが出来るかもしれない。ただ、今の甲府は佐藤のイメージの中にある甲府より更に進化している。ポゼッションでは恐らく甲府が上。課題は、豪腕FWバレー、シュートの上手いジョジマールがいないこと。やはりこの穴を埋めるにはチャンスを多く作らなければならない。そういう意味ではFWの決定力が重要になる対戦となりそうだ。勝てば賞金2000万円。埼玉の赤いチームならそれほど喜ぶ金額ではないだろうが、両チームにとってはビッグマネー。このボーナスも大きなモチベーションに両チームが激突する。

以上

2006.12.22 Reported by 松尾潤
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