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【第86回天皇杯準々決勝 G大阪 vs 横浜FM プレビュー】両者が『タイトル』への強い思いを従えて挑む、準々決勝。タフな戦いに期待!(06.12.23)

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●第86回天皇杯準々決勝
12/23(土)15:00/神戸ユ
G大阪 vs 横浜FM
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ガンバ大阪の天皇杯準々決勝は、横浜F・マリノスとの対戦。前回と同じく、神戸ユニバが戦いの場となる。

ガンバ大阪は今週半ばに、DF宮本のレッドブル・ザルツブルグ(オーストリア)への移籍を発表。ユース時代から含めると15年在籍した地を離れる彼にとっては、この天皇杯が『ガンバ大阪・宮本恒靖』としてのラストゲームとなる。

それもあって「ツネをいい形で送り出したい」と話す選手は多く、また、ディフェンディングチャンピオンとして戦った今季、タイトルを未だ1つも獲れていない現状から、チーム全体の『天皇杯』に対するモチベーションは非常に高い。それは、西野監督の「これまでの年末の中では、一番といっていいほど、いい状態にある。リーグ戦の最後は悔しい結果になったこともあるし、例年にない天皇杯への意識、意欲の高さがある」と言葉を聞いても然り。5回戦・広島戦終了後からこの2週間は「次の試合まで2週間という時間をどう有効に使うのか。すごく難しい部分もある(西野監督)」としながらも、集中力を途切れさせることなく、普段のトレーニングはもちろん、先週末に行われた関西大学との練習試合でもキレのある動きをみせていた選手たち。あとは、いかにその雰囲気のまま試合を迎え、相手をしっかりと叩きのめすことができるか、だろう。

注目は5回戦でも延長を含めた120分をフル出場で戦い抜き、かつ、G大阪が挙げた4ゴール全てに絡む活躍をみせ「天皇杯は絶対に獲りたい」と意欲を示すMF遠藤。先の練習試合では、本来のボランチと攻撃的MFの2つのポジションでプレーした遠藤だが、いずれにせよ、彼の存在がG大阪の攻守のカギになることは言うまでもないだろう。特に、彼が復帰後の試合では、リーグ終盤、なかなか作れなかった『攻撃時のタメ』を彼が作ることで、チーム全体が本来のG大阪らしい攻撃力を完全に取り戻した印象が強かっただけに、尚更だ。あとはゴールチャンスを今季の横浜FM戦で3ゴールを挙げているFWマグノアウベスや、リーグ終盤はケガもありやや失速した感のあったFW播戸らが、いかに得点に繋げるか。横浜FMとは、今季のリーグ戦で2度対決。1勝1分と負けなしだが、毎回僅差の戦いを繰り広げたことを考えても、今季のテーマである『攻守のバランス』をしっかりと保ちながら、先制する中でゲームの主導権を握った進め方をしたいところだ。

対する横浜FMもまた、5回戦の大分戦を延長、PK戦の末にものにして準々決勝へと駒を進めてきたチーム。その大分戦では、早い時間帯に先制したものの後半に追いつかれ、試合が長引く結果に。とはいえ、その一戦で示した集中した守備力をベースにしたカウンター攻撃は、チームの規律が感じられる安定したものだった。今回のG大阪戦でも、ほぼアウェイという状況の中、またG大阪の攻撃力を踏まえて考えても、前回同様の試合の入り方をする可能性は高い。またリーグ戦とは若干、メンバーに変化は見られるものの、戦い方に大きな変化がある訳ではないと考えるなら、G大阪は、DF中澤を中心に築かれる横浜DFの鉄壁をいかに切り崩すかを考えながら、相手の攻撃における『脅威』となる存在、FW久保やFW坂田、MF狩野といった「ドリブルで切り崩せる」選手への対応の徹底が欠かせないだろう。

昨年の天皇杯ではこの準々決勝でC大阪に敗れ、姿を消したG大阪だが、冒頭にも書いたように、全員の意識が『タイトル』に真っ直ぐに向けられている現状を思えば、より『勝利』が真実味を帯びてくる。ただ、対する横浜FMもまたFW吉田の「タフな相手に、自分たちもタフに戦いたい。G大阪は強いチームだが、そこに勝たないと意味がない」というコメントにあるように、同じ思いで神戸ユニバに乗込んでくることに違いはない。そうした両者の思いが、この一発勝負のトーナメント戦の中でどう表れるか。言うまでもなく、よりはっきりとした形で勝利への欲を示したチームが、勝利をものにする。

以上

2006.12.22 Reported by 高村美砂
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