11月11日（土）J2 第48節 横浜FC vs 東京Ｖ（14:00KICK OFF/三ツ沢）
-ゲームサマリーはこちら-
-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
-Ｊ２勝敗予想ゲーム！第２ターンスタート！11日（土）14:00締め切り！投票は→【こちら】-
★前節のハイライト＆会見映像は【こちら】
----------

ほぼ「三つ巴」となったJ2の昇格争いも、本格的に佳境に入ってきた。前節（47節）での3位・柏レイソルとの直接対決は、敵地に乗り込んでの対戦。前半27分の柏のゴールで均衡が破れると、横浜FCも何とか前半のうちに同点に追いつき折り返す。後半に入り、ディエゴが追加点を奪うと、その2分後にまたもやディエゴがダメ押しの追加点。1−3と、残り20分で2点を追う形となってしまった。残り10分を切り、このまま柏に逃げ切られてしまうかと思われた。
しかし、横浜FCの選手たちは最後まで戦う気持ちを忘れずプレーを続け、そして高木監督の采配も見事にはまる瞬間を迎えた。後半37分、この日は途中交代でピッチに立ったアレモンがゴールを決め、1点差に詰め寄ると、その2分後、またもやアレモンのゴールで同点弾を叩き出し、そのまま試合終了。2度に渡ってリードしていたにも関わらず、最後に追いつかれてしまった柏にとっては、勝点「1」を伸ばした・・・というよりも、勝点2を「落としてしまった」感が強く、多くの柏サポーターの肩をがっくりと落とさせた。

試合中、「どんな試合でもそうだが、たとえ負けたとしても、今までやってきたことがゼロになるわけでも何でもない。」と話していた高木監督の言葉が何度も頭をよぎった。しかし、最後の最後に見せるこのチームの勝負強さは、改めて本物なのだと思わせてくれた試合でもあった。

残された試合は5つ。ホーム・三ツ沢での試合も、残すところ3試合となった。
横浜FCは今節、三ツ沢に東京Vを迎える。　この昇格争いの佳境に入っても、監督や選手は「いつも通りやるだけ」と口を揃え、そのスタンスは決して変わることはない。 メディア向けに、対外向けに、そう言わされているわけでも何でもなく、心底その気持ちで毎試合臨んでいるのだということは強く感じる。シーズン開幕当初、練習取材に訪れる記者の数は片手で数えられるくらいだった。その報道陣の数も増え始め、「昇格」の匂いを感じずにはいられない状況であるにも関わらず、「いつも通り」を貫ける チームの精神力のタフさは、何にも変え難い強みではないか。

一方、東京Vは既に今季の昇格の可能性が無くなってしまっている。「1年でのJ1復帰」を最大のテーマに抱え、それに向かって戦ってきただけに、その可能性が消えてしまった今、どのようなモチベーションを持って戦うか・・・というところでも、難しい部分があるのかもしれない。しかし、今回対戦する横浜FCは、東京Vのテーマでもあった「J1昇格」を目前に控えているチーム。勝点を奪われ、それに向かって、目の前でまた一歩近づかれるという状況は、悔しさに余りあるだろう。難しい部分を抱えながらも、チーム一丸となってぶつかってくるに違いない。高木監督も「ヴェルディはそれなりにチームのコンセプトなどを徹底しようとしているし、個人を見ても上手い選手が多い。大きな差・・・というのはないと思う。」と話す。そして、明日に控えた試合に向けて「うちは、ある程度同じメンバーで戦ってきているので、そういう部分では色々な考え方というものが コーチングなしにしても出来るところがある。チームのベースがある中で、＋アルファ・・・の部分で、阿吽の呼吸というのがチームの中である。」と話してくれた。シーズン当初から 既に半分くらいが新しい選手になっているヴェルディとは対照的な部分でもあり、その違いが、シーズン最後の戦いの中で どう勝負に関わるかも注目だ。

横浜FCは、最短で 18日にも自動昇格が決まるものの「他チームの動向は気にならないですよ。」と穏やかな表情で話してくれた高木監督。自分たちのやってきたことを、普段通り試合にぶつけることで、自ずと結果はついてくる・・・という想いの現れでもあるだろう。

今シーズン、三ツ沢で横浜FCの戦いを見られるチャンスはあと3回。「J2・横浜FC」の姿を、一人でも多くの人の目に焼き付けて欲しい。

以上

2006.11.10　Reported by 浅野　有香