9月23日（土）J2 第41節 横浜FC vs 草津（14:00KICK OFF/国立）
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ここ数年のJ2は、第4クール突入時には、既に頭ひとつ抜けているチームがあり、そこに少し差はあるもののそれに続くチームがあり…。入れ替え戦の座を狙った戦いを繰り広げる他のチーム…という図式が存在した。
しかし 今年のJ2は、第4クールに突入しても、どこが優勝するかさえもわからない、最後の最後まで本当に何が起こるかわからない…、そんな雰囲気に満ちている。

リーグは既に最終クールに入り、上位争いは 勝点1差の中に神戸・柏・横浜FCの3チームがひしめく大混戦。前述したとおり、最後の最後までわからない戦いではあるものの、横浜FCが夢に見てきた「昇格」が夢の話ではなくなっている今、横浜FCにとって それが少しずつプレッシャーになっているのでは…と危惧したが、その心配は無用だった。

試合を前日に控えたこの日の練習でも、プレッシャーなどを感じている様子の選手はおらず、終始和やかな雰囲気が漂っている。リラックスゲームでは、飛び出す珍プレー・好プレーの多くで、見学に訪れていたファンをも笑いの渦に巻き込むなど、相変わらず、全員がサッカーを心から楽しんでいる様子が伺えた。
試合を翌日に控えたこの日も、選手・監督・コーチ陣に大きな気負いは全くない。

横浜FCは前節水戸と対戦。「連戦の疲れもあり、思うようなサッカーが出来なかった。ボールキープは出来たが、効果的な回しは出来なかった」と試合後の会見でゲームを振り返った高木監督だったが、横浜FCは相手のミスからボールを奪い城が先制弾を決めると、前半終了間際にも城が追加点を決め、白星で最終クールのスタートを切った。前節の試合を迎える前から「ここからはトーナメント」と、監督をはじめ、どの選手もこの言葉が口を突いていた。それだけ選手たちの「勝ちたい」気持ちは強い。そんな気持ちは、水戸戦でも現れていた。

横浜FCは今節、ホームを国立に構え、迎えるは草津。
草津は第27節から39節までの第3クールで、3勝5分4敗を収めた。リーグ折り返しである、24試合戦った第2クールまでの5勝5分14敗を見てみると、白星の数が急激に増えているわけではないが、着実に勝点を積み重ねることが出来ていると言えよう。

その草津は前節、柏と対戦。連敗から抜け出したい、また奪われた首位の座を取り戻したい柏の、前からの強いプレッシャーにやられ、試合後の植木監督が「完敗といっていいですね」とこぼすほどだった。立て続けに上位陣との対戦となるものの、この一週間での気持ちの切り替えが出来ているかも草津にとっては大きなポイントの一つとなるはずだ。

また「背の高い選手が多い（高木監督）」草津は、セットプレーも大きな得点のチャンスとなるだろう。横浜FCにとっては、いつも以上のケアが必要になってくるだろう。草津には頼もしいベテラン・秋葉が加わり、「経験もあり、コーチングも出来て、タメも作れる」と草津のゲームメーカー・島田も信頼を置いている。しかし今節は尾本と田中淳を怪我で、そして寺田を累積で欠くことになる。このあたりを、どのような布陣で臨んでくるかにも注目が集まる。

泣いても笑っても、あと残りは11試合。
お互いに、相手を上回る「勝ちたい」気持ちを、思い切り体で表現してほしい。
ファンは、そんな闘志溢れるプレーの数々で、残り11試合、様々な夢を見たいはずだ。

以上

2006.09.22 Reported by 浅野有香