9月23日（土）J2 第41節 鳥栖 vs 仙台（14:00KICK OFF/鳥栖）
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今季も残り12試合となった鳥栖。今節を5位という順位で迎えた。相手は4位の仙台、勝点差は７と開いている。しかし、選手の間には“勝点差7の仙台”ではなく、“4位の仙台”という雰囲気が漂っている。

第39節の愛媛戦（第40節は試合が組まれていない）では、ポゼッションしつつも攻め手を欠いて勝点1に終わった。
枠に飛んだシュートは3本で、終了間際には金裕晋の高さを生かしたパワープレーを見せたものの勝点2を失った意味合いのほうが強かった。司令塔の尹晶煥とエース新居を欠いたことも要因の一つと言えた。しかし、『鳥栖は総力で戦うチーム』と松本監督はチーム全体に奮起を促していた。

対する仙台は、4位につけているものの3位との勝点差は9と水をあけられている。残り試合11試合を考えると相手がどこであれ勝点3を取っていくしかない。数字の上で、昇格争い圏内をわずかに残す鳥栖と絶対に負けられない仙台…、選手だけでなく、ファンも熱くなること必至である。

ただし、両チームとも万全とはいえない。鳥栖は、尹と新居の復調度合いが気になるところ。19日の練習試合では、わずかな時間ではあるが、元気なところを見せてはくれたが、90分間通しての活躍は望めまい。時間限定での出場となる可能性が高い。最初から行くのか、後半勝負に出るのか…、松本監督の勝負勘にかかっている。
トップ下の位置に入る山口でボールを収める事ができるので、FWは積極的にゴールに迫る事を期待される。U−21代表候補に選ばれた高橋も、好調を維持しているので、ロングシュートで積極的にゴールを目指して欲しい。

仙台も中盤の要チアゴネーヴィスと得点ランキングトップタイのボルジェスが出場できない。仙台も“総力戦”の様相を呈している。
前節は札幌に押し込まれるシーンもあったが、3トップにして攻撃のリズムをつかんだ時間帯もあった。が、ここまで仙台を支えてきた3人のブラジル人のうち2人が欠場となると、前節同様苦戦も予想される。運動量のある梁と大柴を中心に関口・中島といった攻撃陣の奮起に期待したい。

どちらも万全の体制ではないが、リーグ終盤の生き残りをかけた大事な一戦。“総力戦”となるのは必至なだけに、集中力の高いほうが試合の主導権を握り、この試合にかける執念の高いほうが勝点3を手にするに違いない。今節の鳥栖スタジアムは、特に熱くなるだろう。

ボールをコントロールするためには、テクニックが必要である。ゲームをコントロールするためには、集中力と試合にかける執念も必要である。
サッカーのゲーム中に見られる駆け引きは、時にシュート以上に見ているものを興奮させるものがある。

以上

2006.09.22 Reported by サカクラゲン