●U−21日本代表候補 大阪合宿 練習試合（60分×2本）
U-21日本代表 3-2 神戸
（1本目1−0、2本目2−2）
得点者：'0 関口訓充（仙台）、'31 前田俊介（広島）、'38 ガブリエル（神戸）、'47 練習生（神戸）、'59 渡邉圭二（名古屋）
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A代表とほぼ時を同じくして立ち上がったU-21日本代表が、立ち上げ以来2度目の合宿を行った。今回は大阪にて1泊のみ、集合翌日には練習試合が行われ即解散という短期集中型合宿だ。目的については「選手層をひろげたい」と反町監督は話し、予備登録期限が今月末と迫ったアジア大会に向けたメンバーの選考、ひいては来年のオリンピック予選に向けた選手チェックが行われた。

今回合宿参加メンバーは22人。GKの佐藤昭大（広島）を除いた21人が先の中国遠征には招集されていないという初々しい合宿となった。中でも田中輝和（大宮）、高橋義希（鳥栖）、石井謙伍（札幌）はこれまでを通して初めて日の丸を身につけた。彼らのようにとてつもない緊張感をまとって集合した選手もいれば、G大阪勢の寺田紳一、家長昭博らのように自然体で合流した選手も。そんな彼らに指揮官はあらためて「ひたむきな姿勢、情熱、誇りというものは（代表だから）誰にも負けてはいけない」と話をしたという。

行われたメニューは60分の練習試合を2本。45分ではなく60分通してピッチにたち、特に残り15分の厳しい状況の中で「体力的にも精神的にも」戦えるかどうかが、見極められた。

1本目のピッチにたったのはGk松井謙弥（磐田）、DF家長、河本裕之（神戸）、一柳夢吾（東京V）、丹羽竜平（神戸）、MF寺田、谷口博之（川崎F）、上田康太（磐田）、関口訓充（仙台）、FW平山相太（F東京）、田中佑昌（福岡）の11人が4−4−2のフォーメーションで神戸に挑んだ。
試合開始から1分も立たないうちに左サイドから代表が先制する。平山が一旦中央で落とし、左サイドへ。これを家長がキープし、サポートに来た関口へ渡す。関口はアーリークロス気味のボールを入れ、中盤から飛び出していた谷口がこれに飛び込むが触れられない。だが、誰にも触れられることなく関口の放ったボールがゴールに吸い込まれ難なく先制してしまう。だが練習試合ということもあるのか、双方内容はさえないまま60分は経過する。

注目を集めた平山の動きにもキレは見られず。49分などは左から入った家長のグラウンダーのクロスをエリア内でフリーで受けるもシュートは打てず。マークについたU-19日本代表でもある柳川雅樹の漏らした感想は「ほかのフォワードとさほど違いを感じなかった。もっとベストな状態の彼と戦ってみたい」というもの。反町監督は「及第点」を与えたがこのチームの柱としては今ひとつ機能せず。この60分は1−0で終了した。

2本目はメンバーを総入れ替え。GK佐藤、DF田中輝、細貝萌（浦和）、柳楽智和（福岡）、森下俊（磐田）、MF渡邊圭二（名古屋）、高萩洋次郎（愛媛）、高橋、古部健太（立命館大学）、FW石井、前田俊介（広島）の11人。
結論から言えば2−2で何とか引き分けたようなゲーム。開始から30分ほどスコアが動かず。連係不足もあり、前線からの追い込みもばらばら。ボールも取れなければもちろんチャンスは訪れない。かといってピンチが続いたわけでもなく30分は過ぎた。31分、右サイドバックの田中のオーバーラップから入ったクロスがディフェンダーにあたったところを前田が詰め先制。その後自陣左サイドを上がられ、それを体で止めにいった森下俊が後ろから引っ張ってしまいＰＫを献上。同点にという目を覆いたくなるような場面も。この後逆転を許すも、渡邊のミドルシュートで何とか追いつき2−2では終えたがまだまだ成長の余地あり、という現実が見えたというところ。

選手にしてみれば、戦う相手が見えづらいためよく分からないうちに終わった合宿だったようだ。この試合について尋ねても「うーん。もっと出来るとは思うんだけど」と考え込むような返事が多く返ってきた。だが、選考のための時間がないのも事実。来年のオリンピック予選に向け強化の一環として、また貴重なタイトルマッチでもあるアジア大会ではベストメンバーが招集できない可能性も高い。そのため指揮官はより多くの選手を「自分が率いてどれくらいできるか」を見たいようだが、チャンスがそう多くあるわけでもない。という側面を見れば貴重な60分×2本だったのだ。

次回招集は10月25日の日中戦交流戦の直前。その段階で、今合宿参加メンバーがどれだけ食い込んでくるのか興味深い。

以上

2006.09.21 Reported by　了戒美子