9月20日(水)ヤマザキナビスコカップ 横浜FM vs 鹿島(19:00KICK OFF/日産ス)
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9月2日のナビスコ杯準決勝第1戦で勝利して以来、鹿島は3連勝と波に乗り出した。特に、先週土曜日に行われたリーグ戦23節の清水戦では、2トップをいつものアレックス・ミネイロと柳沢のコンビからダ・シルバと田中という若い二人に代えてリフレッシュ。前線から激しいプレッシャーをかけ、ボールを奪えばサイドに展開。8試合で7勝1分けと絶好調だった清水のサイド攻撃を封じ込め、逆にサイドを制し、試合を支配することに成功した。22節の京都戦では選手全員の運動量が少なく、監督がハーフタイムに全員を代えようと思ったと言うほどのパフォーマンスだったが、見違えるような試合展開を見せた。試合開始から飛ばしに飛ばしたため、終了間際には息切れし、かなり押し込まれる場面も見られたが狙い通りの完勝だったと言えるだろう。
準決勝第1戦は静かな試合だった。シュート数では鹿島の7本に対し横浜FMは15本。ボール支配率は鹿島が上回っていたものの攻撃が有機的に機能したとは言えないだろう。しかし、試合を制したのはチャンスを逃し続けた横浜FMではなく、フェルナンドのミドルシュート一発を確実に仕留めた鹿島だった。アウェイの横浜FMは失点した後、無理に同点に追いつくことを狙わず、水沼監督も「第2戦が勝負」と考え選手たちに落ち着いた試合運びを要求した。しかし、この選択は鹿島に大きなアドバンテージをもたらしたと言えるだろう。失点0で試合を終えたことにより、相手に対しアウェイゴールを許さなかったということは大きなアドバンテージなった。
第1戦後、岩政は「(タイトルを)意識している。意識しないはずがない」と正直な気持ちを吐露していた。小笠原移籍後キャプテンマークを巻く曽ヶ端もナビスコカップを「一番タイトルに近い」と強く意識している。リーグ戦での監督の采配や選手起用もナビスコカップというタイトルを十分意識したものとなっており、そのことがさまざまなプラスの作用をもたらしている。チーム全体で先日の清水戦も、アレックス・ミネイロと柳沢が先発しなかったと言うことは一見すれば「温存」と捉えられるが、代わりに先発したダ・シルバと田中が良いパフォーマンスを見せたことでチーム内に競争意識がもたらした。こうした若手の奮起が中堅に対してさらに良い影響を与えることだろう。
第2戦、横浜FMは点を取らない限り決勝に進むチャンスはない。前半からプレッシャーをかけてくることは間違いないだろう。対する鹿島で期待されるのは、新井場、深井、野沢だろうか。特に野沢の活躍はめざましく、京都戦でもオフサイドとなってしまったシュートを放っているが、清水戦では決勝点となる正真正銘のビューティフルゴールを決めた。試合から消えてしまう場面もまだ少なくないが、試合を決めるプレーが多くなったことは間違いない。さらに、先日の清水戦ではフェルナンドが攻守に奮闘していた。攻撃に関してはフェルナンドがボールを散らすことで、スムーズな展開が促されている。さらに守備面での貢献もすばらしい。ボランチの位置でポゼッションを奪えるため、清水の攻撃が前がかりになることを未然に防ぐシーンが何度も見らた。
試合序盤から激しくボールを奪い合う展開をどちらが制するか。清水戦と同じパフォーマンスができれば大きなアドバンテージを持つ鹿島の決勝進出は間違いないだろう。
以上
2006.09.19 Reported by 田中 滋
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