9月2日(土) 2006 J2リーグ戦 第37節
草津 3 - 1 水戸 (18:04/群馬陸/4,426人)
得点者:'14 桑原剛(水戸)、'53 島田裕介(草津)、'60 太田恵介(草津)、'63 高田保則(草津)
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後半開始早々の52分、水戸・眞行寺がこの日2枚目のイエローカードを受けピッチを去ると、ゲームはそれまでとは全く違った方向へと進んでいく。1点を追う展開だった草津は、その後の10分間で怒涛の3ゴールを奪い、瞬く間に形勢逆転。堅守を誇る水戸の「壁」は、数的不利に追い込まれたことにより、音を立てて崩れていった。
先制したのは水戸。14分、桑原のFKが、混戦をすり抜け、そのままゴールネットを揺らす。「水戸の選手がゴール前に飛び込んできていたので、対応が難しくなった」(高木)。絶対に先制されてはいけない相手にゴールを許した草津に、序盤から嫌な雰囲気が漂い始める。案の定、草津は、スペースを埋める水戸の守りに手を焼き、0−1で前半を終えた。
そんな流れを一変させたのが、「退場劇」だった。52分、それまで何度も縦への鋭い突破を見せていた右SB佐田がドリブルで内へ切り込むと、マークについた眞行寺がファールを犯して退場処分。そのファールから発生したミドルレンジのFKを、島田が鮮やかに決めてみせる。「久しぶりに狙える位置だったので、決めるしかないと思った」(島田)。この一撃が、水戸に与えたダメージは戦術的にも大きかった。「あのFKが入らなければFWを下げて、1点を守りに行こうとした」と前田監督。島田のゴールが、知将に策を実行させる時間を与えなかった。
ホームの声援に後押しされる草津は60分、島田の低い左CKに長身・太田が豪快なダイビングヘッドで合わせ逆転。「芝生に突き刺さっていく感じだった」(太田)。歓喜が収まる間もない63分に、高田がこぼれ球をつめて、ダメ押しの3点目。草津は、混乱する水戸に次々と襲い掛かり、息の根を完全に止めた。植木監督は「こんなに気持ち良く勝たせてもらったのは開幕戦以来だ」と、満足そうな表情を見せた。
この日の草津は、左右のサイドバック、佐田と寺田が最高のパフォーマンスを見せた。前半から、惜しみない運動量でサイドのスペースに駆け上がり、好クロスを連発。眞行寺を退場に追い込んだ佐田は、ドリブルの切れ味も抜群だった。そして、草津の攻撃を支える島田も1ゴール1アシストと期待通りの活躍を見せた。「島田とヤス(高田)の両エースが決めて勝ったことは、チームにとって自信になる」と鳥居塚。だが、会心の勝利を挙げた一方で、11人の水戸を崩せなかったことは反省点。欲を言わせてもらえば、前半から圧倒して欲しかった。こんな要求は、ぜいたくだろうか。
敗れた水戸は、退場者を出したことが響いた。しかし、それだけで片付けられない問題もあった。両サイドを草津に崩されていたのは紛れもない事実で、その歪みが退場という結果に現れた。「自分たちで流れを悪くしてしまっていた。水戸らしくないサッカーだった」と椎原。後半の戦いには未熟な面が見えた。
このゲームの結果で、愛媛を勝ち点で上回り11位に浮上した草津。10位水戸との勝ち点差も7に縮まり、その背中を視野に捉えた。ここ8試合は3勝4分1敗と堂々たる成績。第3クールで積み上げた勝ち点は13で、第1クールの12を超えた。「選手たちが、意図することをピッチで表現できるようになってきた」と植木監督。波に乗ったチームは最高の雰囲気で次節、愛媛に乗り込む。もう、この勢いはだれにも止めることは出来ない。
以上
2006.09.03 Reported by 伊藤 寿学
J’s GOALニュース
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