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【J1:第19節 磐田 vs 千葉 レポート】磐田が『らしいサッカー』とは言いがたいが、千葉相手に大きな価値のある勝ち点3を得る。(06.08.24)

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8月23日(水) 2006 J1リーグ戦 第19節
磐田 3 - 1 千葉 (19:02/ヤマハ/11,992人)
得点者:'24 太田吉彰(磐田)、'70 巻誠一郎(千葉)、'84 太田吉彰(磐田)、'89 福西崇史(磐田)
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「DFラインが下がっているとか戦術的な問題はあったけど、みんながただ気迫で頑張った」。マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた川口が振り返った通り、1人少ない磐田が気持ちでもぎ取った勝ち点3だった。

今日の磐田は、ボランチ2枚の3-5-2を採用して、同じシステムの千葉とはがっぷり四つ。前節で今季初ゴールを決めたカレンを先発させ、前田との2トップとして、トップ下に西。両アウトサイドは、右に太田、左に上田という形。その中で、西や太田が精力的に動いてボールを引き出し、そこを起点にボールをサイドにつないで、序盤は主導権を握った。千葉のほうは、ケガの佐藤に代わって中島がボランチに入ったが、前線の動きがいつもほど活発ではなく、18分までは磐田のペースで試合が進んだ。

しかし、その18分に磐田のDF金が足の裏を見せた危険なスライディングで一発レッドによる退場。これでゲームの質は一変してしまった。磐田は、直前に惜しいシュートを放ったカレンを菊地に代え(22分)、トップを1枚減らしてDFを補充。守備的な戦いにならざるを得なくなった。ただ、数的優位に立った千葉も、初めのうちは後ろで人数が余ってあまり数的優位を生かせない。逆に、それでマークがルーズになった面もあるかもしれない。24分には、左サイドに流れてボールを受けた西が、ドリブルで中に切れ込み水本をかわしてパス。これをDFの間に入りこんだ太田がダイレクトで決めて、1人少ない磐田が先制点を奪った。

その後は、30分をすぎたあたりから千葉のリベロ・ストヤノフが攻撃時に中盤に入るようになり、徐々に数的優位を生かして攻めこんでいく。34分には、そのストヤノフのボレーでのミドルシュートがバーに当たり、36分には左CKから巻がフリーでシュートしたが、わずかに右に外れる。前半は、磐田が1-0のまま何とか耐えた。

後半に入ると、アジウソン監督は1トップの前田に代えてDFの茶野を投入。これで菊地をボランチに上げ、福西をひとつ前に上げて、西と2人で前線を形成する形とした。守備のマークを改善する狙いだったが、右サイドの太田が高い位置をとるため、その裏が手薄のまま。そこで菊地が右に流れてカバーすれば、今度はバイタルエリアがファブリシオだけになり、中盤が薄くなってしまった。

逆に千葉のほうは、ボランチの中島に代えて、ひとつ前の位置に工藤を入れ、ハースや羽生が左サイド(磐田の右サイド)のスペースに流れてボールを受け、左サイドから中盤にかけて数的優位を作ることに成功。これによって、磐田はDFラインがズルズルと下がるしかなくなり、ますます押しこまれる展開となっていったが、千葉の決定的なシュートをことごとくGK川口がストップ。何とか踏ん張って、攻撃はカウンターにかけるという形がはっきりした。

63分には磐田が西に代えて服部を入れて、さらに守備を固め、千葉のほうは64分にDF斎藤に代えてFW要田を入れ、前線の枚数を増やす。そして25分に、羽生のシュートのこぼれ球を巻が押しこんで、猛攻を続けていた千葉がようやく同点に追いつくことに成功した。

しかし、それでも磐田の選手たちは勝利をあきらめることはなかった。その後も押しこまれて消耗する展開が続いたものの、カウンターになったときは、ボランチの菊地やファブリシオも必死に走って攻撃参加。82分には福西の右クロスに菊地が飛びこみ、DFに倒されてPKを得る。これをトップチームでは初めてPKを蹴る太田が、冷静に中央に蹴り込み(84分)、再び執念の勝ち越し。
さらに、その後も千葉の猛攻を身体を張った守りとGK川口の攻守で止め、課題のセットプレーでも集中力を切らさずに高さの不利を補い、ロスタイムにはカウンターからファブリシオの折り返しを福西が決めてダメ押し点をゲット。千葉の2点目を許すことなく、3-1で勝利をつかんだ。

磐田の選手たちは、苦しい展開の中でそれぞれが激しく声をかけ合い、体力的には限界に近い中で最後まで集中を切らすことはなく、足を動かし続けた。内容的にはまったく磐田らしいサッカーではなかったが、川口が言う通り大きな価値のある勝ち点3だった。
一方、敗れた千葉は、運のなさもあって悔しい2連敗。「このままじゃまずい。どこかを変えないと」と坂本が振り返ったが、次は中2日で福岡でのアウェーゲーム。8月の残り2試合が、アマル千葉にとっての正念場となりそうだ。

以上

2006.08.24 Reported by 井上慎也
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