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【J1:第18節 名古屋 vs 磐田 磐田プレビュー】新時代到来を迎えた暗中模索中の磐田。勝敗の鍵は守備の安定。(06.08.18)

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8月19日(土)J1 第18節 名古屋 vs 磐田(19:00KICK OFF/瑞穂陸)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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勝ち、負け、負け、負け、ドロー。
2004年からの『東海ダービー』(リーグ戦のみ)における磐田の成績である。つまり、2004年1stステージでの勝利を最後に、磐田は名古屋から勝点3を奪えていない。特に昨年は、0−3、0−2と、1点も奪うことができなかったのである。
今季こそ、リーグ前半戦でドロー、ナビスコ杯でようやく白星と一矢報いてはいるが、磐田にとって東海ダービーは「鬼門」となりつつあると言わざるを得ない。

だが、救いなのは選手たちに特別な「苦手意識」が無いことだ。田中、前田、太田も「苦手意識は無い」と一笑する。しかし、勝てていないのも周知の事実だけに「勝ちたい」という思いはやはり強い。

その難敵・名古屋は現在13位だが、約1年3ヶ月ぶりの連勝から3連勝と調子が非常に上向いているようである。特に前節は5ー1と甲府に圧勝。中断前までの得点力不足がまるで嘘のように攻撃力を爆発させた。
その原動力となっているのが、7月後半に獲得したノルウェー代表FWフローデ・ヨンセンだろう。188センチの長身に加えて足下の高い技術は来日間もなく実証された。Jデビューとなった第16節千葉戦ではいきなりの2得点で猛アピール。前節も1得点を挙げており、2戦3得点と名古屋の連勝を大きく支え、すでにチームの大黒柱的存在となっているようだ。
ヨンセンだけではない。U-21日本代表中国遠征には本田、豊田が選ばれ、本田は先制ゴールを挙げる活躍をみせた。さらにアジアカップ予選の日本代表に中村直志が選出されるなど、名古屋にとっては明るいニュースが続き、チームのムードをより一層明るいものにしているに違いない。その本田、中村だが、実は磐田にとっては非常に頭の痛い存在なのである。

というのも、本田には今シーズン対戦した2戦で連続ゴールを決められており、中村には2004年2ndステージ、2005年第18節には2失点を食らうなど、何度も苦杯を嘗めさせられているのだ。各世代の日本代表経験を経てさらに波に乗るこの2人には、今節も手こずることが予想される。前半戦こそ低迷に苦しんだ名古屋だが、この試合に勝てば一気に上位進出も狙えるだけに、勝利への意識は自ずと高まっていることだろう。

9位の磐田にとっても、上位にこれ以上引き離されないためにも、折り返し初戦のこのゲームは非常に重要な、まさに正念場となる一戦となるだろう。しかし、上昇ムードの名古屋とは対照的に、7月にアジウソン新監督を迎えたばかりの磐田は、未だ抜け道から抜け出せない雰囲気が漂う。初采配から3試合目(第14節)で初白星。第15節横浜FM戦にも3−1で快勝し、今季初の連勝と波に乗ったかと思われたが、続く第16節清水との静岡ダービーでは0−2と完敗し、前節は鹿島に3−3のドロー。物事の大きな「変化」には付き物とも言える、「副作用」の影響が良悪両極端の結果として現れ、対応に追われている。

まず、マイナスの影響として現れてしまっているのは、守備面だろうか。これまでのゾーン・ディフェンスに変革のメスが入り、ゾーンをケアするだけではなく、今まで以上に人に付く意識が高まったまでは良かった。しかし、例え意識が高まったとしても一朝一夕で機能するほど甘くはない。ゾーン・ディフェンスしか経験したことのない若い選手も少なくなく、選手それぞれの理解度にも差があり、初めての守備スタイルに戸惑う部分があるのも否めない。それが証拠に、アジウソン体制になってからまだ完封試合が無い。アジウソン監督が目指す守備を本当の意味でチームに浸透させるためには、今はまだ構築段階である。

だが、試合をこなすごとに徐々に良化されているのもまた事実ではある。前節鹿島戦でも「守備に関しては良い部分も増えてきた」と、田中も手応えをつかみつつあるようだ。喫した3失点は全てがセットプレー絡みだった。新システムの理解度の問題もあるだろうが、「90分間通しての集中力の欠如、マークのズレ、大事なところでセットプレーを与えたこと」を田中が猛省したように、まず改善すべきは3度もリードしながら追いつかれてしまった自分たちの不注意さだとも言える。名古屋にも、中村直志、本田圭佑といった精度の高いプレスキックを持つ選手がいるだけに、「集中力」「マークの確認」「不用意なセットプレーの阻止」の徹底が勝敗を左右する鍵を握っていると考えていいだろう。 

一方、「変化」の良い面としてまず挙げられるのが、若手選手の成長である。著しいのは上田康太で、第15節横浜FM戦の残り15分で念願のJリーグデビューを果たすと、16節では後半頭から、前節は初スタメンフル出場と、着実に出場時間を増やし、経験と監督の信頼、そして自信を身につけている。第16節の清水戦では失点に直結する痛恨のミスを犯すなど、苦い思いをすることも少なくはないが、「だいぶ落ち着いてプレーできるようにもなったし、フィジカルも通用している」と、日々手応えをつかんでいるようで、非常に頼もしい。そしてもう1人、今季新加入の犬塚友輔も前節でJリーグデビューを記録した。こうした若手の積極起用がチームを活性化させていることは間違いない。危機感を感じる従来の主力メンバーと、後に続けと活躍を目指す若手メンバーによる熾烈なポジション争いは、チーム全体のレベルアップへとつながっていくはずだ。

また、エース前田遼一の好調ぶりも磐田にとっては非常に大きい。この試合、磐田の最も注目・期待したい選手の一人と言える。前田は、今季2度の名古屋との対戦のいずれでも得点をあげていて、相性が良い。さらに、ここ5試合で4得点とコンスタントにゴールを重ねているのも心強い。前田本人は、アジウソン監督の新しいシステムにおける自分の役割に、若干の戸惑いを感じている部分もあるようだが、その中でもしっかりと得点を重ね、結果を残せていることは賞賛に値する。

アジウソン監督は対戦相手によって戦術変更して挑むため、試合によって1トップ、2トップ、時には3トップ気味とシステムが変わるが、前田の役割は「ゴールに専念」と、常に一貫している。その周りを縦横無尽に動き回る西紀寛と太田吉彰が、いかに前田にボールを入れるか。また、どんなコンビネーションで3人が絡み、名古屋ゴール前を崩していけるかが最大のみどころだろう。前田、西、太田とも動きは軽快で、コンディションも良さそうである。ぜひ期待したい。

ところで、名古屋戦といえばかつてのチームメイト藤田俊哉との対戦を心待ちにしている磐田サポーターも非常に多い。特に、日本が誇る黄金コンビ・藤田俊哉vs名波浩のマッチアップは、磐田サポーターにとっては格別な想いが胸に去来する瞬間であった。しかし、前節・鹿島戦で名波のC大阪への期限付き移籍が電撃的に発表され、東海ダービー最大の楽しみの1つは、ひとまず封印されることとなった。名物を失ったことは淋しいが、新しい時代の訪れだと受け止めたい。

あらゆる意味でチームの支柱だった名波が去った今、名実ともに本当の、本当の意味でチームリーダーとなるのは福西崇史だろう。福西が若い選手を統率し、どうチームをまとめ上げていくのか。今後最大の関心事だ。
伝統を受け継ぎながら、「新しいジュビロ磐田は自分たちが作るんだ」という若い選手たちの信念、意地を『勝利』という最高の形で示してくれることを期待したい。

以上

2006.08.18 Reported by上岡真里江(ビットマイスター)
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