8月19日（土）J1 第18節 清水 vs 甲府（19:00KICK OFF/日本平）
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リーグ戦再開後の5試合で4勝1敗と好調な清水が、1カ月ぶりに日本平に帰って来る。相手は富士山をはさんで対峙する甲府。地元の清水サポーターにとって、待ちに待った一戦だ。

清水は、リーグ戦の半分（17節）を終えた時点で、10勝1分6敗の5位。勝点31、得点28／失点21という結果を残している。これは、「勝点50以上、トップ5」という長谷川監督が開幕前に掲げた目標に対して、順調すぎるほどのペースと言える。
こうした十分な成績が残せているのも、開幕戦（3月5日）での甲府に対する勝利があったからこそと言っても過言ではない。昨年のＪ１・Ｊ２入れ替え戦で大勝してＪ１に昇格し、非常に勢いに乗っていた甲府がホームで積極的な攻撃を仕掛け、清水にとってはかなり苦しい戦いだった。だが、その試合をしたたかに2-0で勝ちきったことで、選手たちは大きな手応えをつかむことができた。そして、続く名古屋戦、F東京戦と無失点での開幕3連勝を果たし、自分たちのサッカーに対する自信を深め、試合の「勝ち方」も身につけていった。昨シーズンは年間で9勝だったチームが、今年は半分を消化した時点ですでに10勝。上位との対戦の内容から言っても、長谷川監督の目標が高すぎるものではなかったことが証明されている。

一方の甲府は、17節まで5勝3分9敗で、勝点18の14位。得点21／失点35。再開後は2勝1分2敗と五分の星を残し、最近の3試合ではアウェーで広島に3-1で勝ち、ホームで浦和に1-1の引き分けと大健闘。しかし前節は、アウェーで名古屋に1-5の大敗と、出入りの激しい成績となっている。
そうした傾向は、甲府がどんな相手にもけっして引くことなく、積極的に攻めに出るため、ある意味想定内のことと言えるだろう。清水の長谷川監督が「非常に小気味良いサッカー」と言う通り、リスクを冒すことを恐れず、前に前に押し上げて、両サイドバックもガンガン上がるし、2列目からもどんどん飛び出していく。そして、ボールを奪われたらすぐに前からプレッシャーをかけて攻撃的な守備をするのも特徴だ。
攻守の切り換えが速く、運動量も豊富なチームだが、それでも相手のカウンターを受けるリスクは大きくなるため、失点はどうしても多くなる。だが、サポーターとしては、それを承知のうえで応援する分には、観ていて非常に楽しいサッカーであることは間違いない。

そんな甲府に対して、清水のほうもホームではけっして受け身になることなく、攻撃的に戦うという姿勢で一貫している。昨年は、まず守備から整備していくチーム作りだったが、今年はそれをベースに攻撃力アップに力を注いでいるのだ。つまり、攻撃的なチーム同士が、ガチンコでぶつかり合う展開となることは必然。どちらが打ち勝てるのかという意味で、本当に楽しみなゲームと言える。
ただ、清水が先制点を奪えば、守備が安定している分、かなり優位に立てる。したがって、甲府としても簡単に先制点を与えるわけにはいかず、最初の1点が入るまでの緊張感のある戦いも楽しみにしたい。
また、お互いにサイド攻撃が得意なチームだけに、それも見どころのひとつ。甲府のほうは、エースのバレーがケガから復帰できるかどうか微妙なところだが、清水の堅守を崩すには、彼の高さと強さが大きな武器となるだけに、そこもひとつのポイントになりそうだ。

「富士山ダービー」とも言われるこのゲーム。少なくとも、蒸し暑さを吹き飛ばしてくれるような、熱く、かつ爽快な戦いになることは保証できる。


以上

2006.08.18 Reported by 前島芳雄