8月12日(土) 2006 J1リーグ戦 第17節
浦和 4 - 0 F東京 (19:04/埼玉/50,195人)
得点者:'5 小野伸二(浦和)、'55 三都主アレサンドロ(浦和)、'71 三都主アレサンドロ(浦和)、'88 田中達也(浦和)
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浦和がホームでF東京に4対0と快勝し、G大阪をわずかに得失点差で上回りリーグ首位に立った。7人の選手を日本代表に送り出した効果か、中断前、7月の4試合にはなかったチームの連動性が見られ、F東京を圧倒した。
左太もも肉離れで戦列を離れていたワシントンの復帰が噂されていたものの、「1試合のためにリスクを負いたくない」(ブッフバルト監督)との判断で、出場は見送られたが、この日の浦和の出来は、もはやワシントンの存在を忘れさせるほどのものだった。
試合開始直後、7人の代表組とは対照的に屈辱の代表落ちの鬱憤を晴らすべく、まず小野が見せた。3分、長谷部からのパスを中央やや左サイドで受けると、絶妙なトラップで相手DFをかわして右サイドの平川へぴたりとロングパスを通す。そして続く5分、今度はその平川の右クロスをニアで田中達がバックヘッドで流すと、ファーに走り込んだ小野がワントラップから左足を振り抜き、サイドネットに見事な先制弾を叩き込んだ。
その後、一時流れは停滞したものの、迎えた後半、序盤から右サイドで精力的な動きを見せていた平川が、伊野波を2度目の警告で退場に追い込み再び流れを引き寄せると、その直後にはペナルティエリア手前左サイドでボールを持った三都主が中央へ切り込み、珍しい右足のシュートでF東京ゴールを陥れた。「いつもああいうのが打てるか分からないが、ねらったことがいい結果につながった」(三都主/浦和)。
こうなると、流れは俄然浦和へと傾き、71分、エリア内でボールを持った途中出場の山田のパスを田中達がヘッドで落とし、F東京守備陣を完全に揺さぶると、走り込んだ三都主がヘッドで押し込み、3対0。終了間際にもインターセプトから長谷部が自らドリブルで持ち込むと、相手DFを引き付け丁寧なラストパス。最後は田中達が左足で確実に決めて4対0とF東京を突き放した。
三都主が2得点、田中達が1ゴール2アシスト、長谷部が1アシストと結果を残すと、MF鈴木、DF闘莉王、坪井、GK山岸らを中心に固める守備も、F東京にチャンスらしいチャンスすら与えずに無失点で終えるなど、代表組が存在感を見せた。また、代表組の存在は『非代表組』の小野、平川らへの刺激になったことも間違いないだろう。
MF長谷部は「代表から持ち帰ったことはシンプルに、ということ。基本だけど、浦和ではこれまでできていなかった。3人目の動きも出た。相乗効果ですね」と満足げな表情を見せたが、その効果は計り知れないものがあるかもしれない。
一方のF東京は、左ひざのじん帯負傷の今野が欠場。新外国籍選手FWワシントン(浦和のワシントンと同名)を1トップで起用したものの、まだまだチーム内の連係は確立されておらず、前線で孤立する場面が目立った。
「あれだけゴール前でフリーな選手を作れば失点は止むを得ない。サポーターは監督に批判を言っているが、選手の責任だと思う」とベテランGK土肥は力なげに振り返ると、ガーロ監督は「中断前の広島戦に続き、前後半ともに出来が悪かった。先制点のダメージが大きく、かなり沈んでしまった。精神的にもっと強くならないといけない」と嘆くしかなかった。
以上
2006.08.13 Reported by 栗原 正夫
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