8月12日(土) 2006 J2リーグ戦 第33節
湘南 3 - 0 東京V (19:04/平塚/5,105人)
得点者:'38 松本昂聡(湘南)、'61 アジエル(湘南)、'89 佐藤悠介(湘南)
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「楽しみだね」練習を終えたあと、汗を拭いながら指揮官は語った。東京V戦を目前に控えたある日のことだ。32節は試合予定がなく、2週間のインターバルとがあるはいえ、できることは限られている。だが与えられたその時間のなかで行なった練習試合、そして攻守両面においてポイントを絞ったトレーニングは、「いいチームになってきた」と、菅野監督に手応えを感じさせるだけに十分な成果をあげていた。
そして選手たちの思いもまた、指揮官と重なっていたのだろう。この日、じつに2年以上ぶりとなる先発出場を手にした吉井孝輔も試合前、「楽しみです」と、笑みをこぼしたものだ。ようやく帰れた平塚のピッチとチームの手応えに、20歳の表情は綻ぶばかりだった。果たして試合は、湘南が手応えをそのままに体現することとなる。
立ち上がりは両者の綱引きも、ショートパスを繋いでリズムをつくる湘南が次第にペースを握っていく。中央の佐藤悠介が左サイドの尾亦弘友希にさばき、さらに北島義生が絡んで石原直樹がヘディングシュートを合わせれば、コーナーキックを契機に尾亦がミドルを放つ。いずれも外れはしたものの、フィニッシュまで持ち込む一連の攻撃がゴールを暗示した。
さりとて東京Vも、「試合の入り方は悪くなかった」と喜名哲裕が振り返ったように、相手の攻撃に耐え、カウンターに転じる反撃を見せた。ただ惜しむらくは、その喜名やマルクス、平本一樹、またこの日初出場となったシウバらタレント陣が連動し切れなかったこと、そして相手が嫌がるであろう攻撃のパターンに徹し切らなかったことだ。爆発的な脚力を誇るシウバや相手を数人引き付けるマルクスのキープ力は脅威だったが、湘南GK伊藤友彦の好守もあり、ゴールを割るまでには至らなかった。
さらに東京Vの攻撃の足かせとなったのは、相手の前線からのプレッシャーだった。フラビオや運動量に長ける石原直樹、加藤望を筆頭に、湘南は前からパスコースを摘み取っていく。また、たとえば右サイドバックの吉井が積極的に攻撃参加したあと、空いたスペースを北島がケアし続けたように、それぞれがつねにカバーしあって相手のカウンターを遅らせ、ボールのあるなしに関わらず労を惜しまぬチームプレーを重ねた。これこそが、菅野監督の求めている「汗」だろう。
こうして東京Vの時間帯を凌いだ湘南は38分、佐藤からのコーナーキックを松本昂聡がヘッドで沈め前半を折り返すと、後半立ち上がりの相手の猛攻も耐え抜き、追加点を刻んでいく。61分にアジエルが鮮やかなミドルシュートを右隅に突き刺し、89分には素早いリスタートから、佐藤が2試合連続となる右足弾を見舞って勝負を決めたのだった。
「後半の早い時間帯に追いついて流れを変えたかったが、焦りが生じ、なかなか点が取れなかった。とにかく引きずらないように、頑張るしかない」試合後、東京V・ラモス監督は口惜しさをにじませた。練習どおりのパフォーマンスが出せないと、闘将はもどかしさを隠さない。幾度か訪れたフリーのシュートチャンスも、ゴールに結ぶことは叶わなかった。痛い連敗と言わざるを得ないが、自分たちの立ち戻る場所を再確認し、つぎへ向かうほかはないだろう。いまがまさしく正念場である。
一方、充実のインターバルを経て今節に臨んだ湘南は、前回の札幌戦(5-1)に引き続き快勝を収めた。「準備してきたことをいい形で今日のゲームにぶつけられた。2-0とリードしている状況から、さらに追加点を狙う姿勢も目指していたところ」と、菅野監督も手応えを口にする。次節から四国のアウェイ2連戦(8/19vs徳島、8/23vs愛媛)が控えているが、細部をさらに詰め、今節で掴んだ流れを持ち込みたいところだ。「チーム内の競争も含めて、みんなで臨みたい」という指揮官の台詞が、一枚岩の現状を物語る。頼もしいビッグウェーブの予感である。
以上
2006.08.13 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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