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【J1:第17節 磐田 vs 鹿島 レポート】終始先手をとるもののセットプレーでの守りで不安定さをみせた磐田。鹿島は土壇場で追いつきドローに持ち込む。(06.08.13)

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8月12日(土) 2006 J1リーグ戦 第17節
磐田 3 - 3 鹿島 (19:04/静岡/30,353人)
得点者:'36 金珍圭(磐田)、'51 フェルナンド(鹿島)、'74 前田遼一(磐田)、'81 青木剛(鹿島)、'87 西紀寛(磐田)、'89 深井正樹(鹿島)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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 磐田にとっても鹿島にとっても勝利を逃がしたという気持ちが強かったが、観る側にとっては非常に楽しめたゲーム。そして磐田にとっては、またひとつ時代の区切りとなるゲームになった。

 メンバー表では、どちらも4-4-2の形。鹿島のほうは、出場停止の岩政の代わりに羽田が右センターバックに入った以外は前節と同じ。うまくいっているチームは変えないというセオリー通り、布陣もやろうとするサッカーも変わるところはない。
 一方、磐田のほうは公式戦初先発の上田が、形のうえでは左サイドバックとなっていたが、実質的はより前でプレーし、逆に右サイドの茶野は中に絞って3バックに近い布陣。ボランチはこのところの流れ通り3枚(福西、菊地、ファブリシオ)となり、菊地が右のアウトサイドをケアしていたため、状況によっては3-5-2のようにも見えた。前線は、西と前田の2トップに太田のトップ下というのが基本だったが、西は左サイドを中心に自由に動き、守備にも参加したため、実質的には前田の1トップのようになった。

 また、磐田の守備は、セビリアFC戦でも試みていたように、これまでの徹底したマンマークではなくなっていた。状況に応じてマークの受け渡しをする方向にマイナーチェンジし、中盤の底に構えるファブリシオが、DFラインと連携しながら相手2トップをケアすることで、ゴール前に危険なスペースを与えてしまうことは少なくなった。
 ただ、試合序盤は受け渡しが徹底できず、ラインのコントロールにもスキが出て、4分に柳沢、5分にアレックス・ミネイロにフリーで裏に抜け出される決定機を作られたが、これはシュートミスに救われる。
 さらに23分にも、新井場がワンツーで左からゴール前にフリーで飛びこむが、シュートは右に外れる。序盤は、磐田の不安定な部分をついて鹿島が優位に試合を進めていたが、時間とともに磐田が自分たちで修正を図り、拮抗した展開になっていく。

 アジウソン監督の指示通り、磐田の選手たちはしっかりとボールをつないでサイドから攻めるという形を実践し、上がり目にプレーする鹿島の両サイドバックの裏を狙っていく。その中で、20歳のレフティー上田康太が、光るプレーを見せた。
 上田は、初先発とは思えないほど落ち着いてボールをキープし、簡単に失うことなく正確なパスを繰り出していく。さらに自らもスペースを見つけて走りこむし、守備でもクレバーなポジショニングで大きな破綻を見せない。視野の広さや状況判断の的確さが印象的な選手だ。16分には、上田が逆サイドのスペースを見つけて大きく正確なクロスを入れると、そこに右から菊地がフリーで飛びこみボレーシュート。これは上に外れたが、非常に良い形だった。
 さらに36分に、上田が左からペナルティエリア内に飛びこみ、西のパスを受けて切り返したところでフェルナンドに引っかけられてPKをゲット。これを金が落ち着いて決めて、押されていた磐田が先制点を奪った。

 後半は、鹿島が立ち上がりから前への圧力を強め、6分に小笠原の右CKからフェルナンドがフリーでゴール右に決めて同点に追いつく。
 その後は、磐田が菊地→服部(13分)、福西→犬塚(27分)という交代で選手とポジションを入れかえ、攻守の修正を図るが、全体に疲れが見え始めてなかなか厚みのある攻撃ができなくなってきた。だが、29分には西の右クロスから前田が羽田に競り勝ってヘディングをゴール左に決め、ワンチャンスから勝ち越しの2点目を奪うことに成功。
 下がってクサビのボールを受けるのではなく、前線で張っていることを要求され、チームの意識としても前線に長いボールを入れることが少なくなっているため、必然的にボールを触る回数が大きく減っている前田。しかし、その中で限られたチャンス(この日はシュート1本)を結果に結びつけている彼の集中力は、見事と言うしかない。

 だが、36分にはフェルナンドのFKがバーに当たって跳ね返ったところを青木が押しこんで再び同点。展開としては、後半は終始鹿島が押し気味だったが、お互いに決定機をいくつか作って、それを決められないという流れ。その中で、次の1点を奪ったのはまたしても磐田だった。42分に前田が下がってボールを奪い、そのままドリブルから右にパスして、西が心憎いループシュートでGKの上を抜き3点目を決める。
 これで、磐田が混戦を制するかと思われたが、ロスタイムに入った46分、野沢の左FKのこぼれ球から深井がミドルシュートすると、DF金の足に当たってコースが変わったボールがGK川口の裏をついてゴールに収まる。鹿島が三度同点に追いつき、そのままタイムアップとなった。
 90分を通じて、磐田はセットプレーでの守りが不安定で、それが勝ち点3を逃す最大の要因となってしまった。決定力という部分では良い面が観られただけに、残念な結果。
 逆に鹿島のほうは、決定力という部分を欠いて連勝が3でストップ。前半に決めるべきところを決め、リードを奪っていれば・・・と鹿島ファンなら誰もが思うゲームだった。

 試合後、磐田の黄金時代を中心として支えてきた名波浩のC大阪への期限付き移籍が発表され、本人からのメッセージビデオがスタジアムにも流された。その名波を敬愛する上田が大きな可能性を示したゲームの後、「まだまだ足りない点もあると思いますが、とにかく長い目で見て、応援してやってほしいと思います」という名波のメッセージを、磐田サポーターたちは静かに受け取っていた。

以上

2006.08.13 Reported by 井上慎也
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