6月7日(水) 2006 J2リーグ戦 第20節
東京V 2 - 0 仙台 (19:04/国立/5,910人)
得点者:'33 齋藤将基(東京V)、'75 大橋正博(東京V)
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予想の範囲内であったとはいえ若干驚きを感じさせられた。東京Vは4−4−2システムの両サイドバックを入団から1週間に満たない選手に任せ、第2クールの山場である上位陣との2連戦の初戦に臨んだのだ。
右サイドバックは今季新潟で6試合(リーグ戦5試合、ヤマザキナビスコカップ1試合)に出場、「日本でナンバーワンじゃないかな」とラモス監督が高い評価を与え、かつてシドニー五輪候補にも名を連ねていた海本幸治郎。左サイドバックはここ数年、鹿島で新井場の控えに甘んじてたとはいえゴールデンエイジとして99年ナイジェリアワールドユース準優勝メンバーの一人石川竜也。いわばバリバリのJ1選手、ではあるがいきなり両サイドそろっての起用には若干面食らった。
ただ、それもキックオフ前まで。ホイッスルと同時にそれは期待へと変わり、90分がたつと結果につながっていた。彼ら起爆剤の効果は抜群。順位の変動はないものの、東京Vは3位仙台を2-0で下し勝点を31に伸ばした。今季2度目の3連勝と波に乗り、次節首位柏との対戦を迎える。
「前半はヴェルディの右サイドがいい攻撃をしていた」と仙台サンタナ監督が振り返るように、立ち上がりからサイド攻撃がいきなり機能する。「僕らがもったらまずボールを落ち着かせることを考えていた」とは逆サイド石川のコメントだが、彼ら両サイドバックの力もあり東京Vは巧みにパスをつなぎ攻撃の組み立てに成功する。
6分、7分には立て続けに右サイドの海本のドリブル突破からクロスが入り、フォワード陣に得点チャンスが生まれるも、得点にはいたらず。13分にも左サイド石川から中央の大野を経由し、右サイド海本へ。これを海本が豪快なシュートを放つも枠を捉えず。ただ、可能性のある攻撃が早い時間帯から生まれていた。
そんななか生まれた先制点は33分、大野がドリブルで攻め込み前線の久場へ。久場がこれをマークのあいた逆サイド齋藤へ渡し、齋藤が流し込んだもの。リズムのよい攻撃で気持ちよく試合を進めることになる。
後半に入り、ラモス監督の「8番のマークを徹底」という指示が示すように、仙台は硬い守備から前線のロペスとボルジェス、チアゴ ネーヴィスのパワーを前面に押し出したカウンター狙いを徹底させる。後半の早い時間帯はそのチアゴにシュートチャンスも訪れるがゴールを奪うことはできず。
前半に比べ徐々に仙台がペースを握り始めてきた後半69分。大野のスルーパスに抜け出した齋藤がシュートに持ち込もうとするところでファウルを受けPKを得る。このPKでGK高桑がキックより先に動いたとの判定により2度続けてやりなおしとなる。1度目と2度目のキッカーは大野。2度とも大野のキックは高桑に止められたため、3度目はキッカーを大橋に代えてトライ。これを大橋が難なく決め2−0と仙台を突き放し試合を決めた。
「内容そのものは前回の仙台戦のほうがよかった。でも、守備の入りもよくなってるし両サイドバックも能力の高い選手が来てくれてチームはもっとよくなっていくと思う」とこの日2度のPKをはずしたため苦笑いのキャプテン大野。次は大野の古巣でもあり、昨年東京Vでコーチを務めた石崎監督が率いる首位柏との対戦。多くの思いが交錯する一戦ではあるが、必要なのはまずは結果だ。東京Vにとって今季初の4連勝が首位相手ならこれほどよいことはない。
以上
2006.06.08 Reported by 了戒美子
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