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【J2:第20節 湘南 vs 愛媛 レポート】堅守をベースにカウンターを成功させた愛媛が快勝。湘南は連敗を脱せず。(06.06.08)

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6月7日(水) 2006 J2リーグ戦 第20節
湘南 1 - 3 愛媛 (19:04/平塚/2,941人)
得点者:'77 江後賢一(愛媛)、'78 田村祐基(愛媛)、'81 石原直樹(湘南)、'88 高萩洋次郎(愛媛)
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交代が得点を呼び込んだ。73分、愛媛は中盤で攻撃の起点となっていた石丸清隆に代え、江後賢一を投入する。左サイドハーフに入った江後は直後の77分、パスカットから中央の田中俊也を介してDFの裏を突く。「相手の足も止まっていたし、最初のワンプレーで勝負しにいくと決めていた」田中からパスを受けると、ゴール右隅を視野に捉え、迷うことなく左足を振り抜いた。

さらに交代によるポジションの入れ替えが、相手を撹乱させた。江後を左に入れたことにより、濱岡和久が右サイドへ移り、高萩洋次郎が高めのボランチに収まる。つまり、中盤の底を支える井上秀人を除き、3枚の攻撃的MFがすべてポジションを変えたわけだ。

前半から濱岡の動きは厄介だった。15分には右寄りに位置した石丸からのサイドチェンジ一本で左サイドの裏を抜け出し、チャンスを生み出している。また自ら上がるだけではなく、DFのあいだを通すスルーパスを田中に送り、湘南GK小林弘記との一対一まで演出した。マッチアップする冨山達行も、「自分が掴まえに行くのか、前に任せるのか最初は迷った」と、前半の濱岡への対応を振り返っている。冨山の答えは自身でスペースを埋めることだったが、それでも前半の終わりからは攻撃参加も強め、攻守のバランスを図った。その状況下での愛媛の選手交代だった。

愛媛の追加点は先制後、間もない78分に訪れる。自陣でボールをカットすると、下がっていた高萩が中央から右サイド深くへと送る。反応したのはサイドを変えていた濱岡である。DFの裏に抜けドリブルでペナルティエリア内に侵入、相手を引きつけたところで空いたゴール前にパスを出し、走りこんだ田村祐基が落ち着いて沈めた。田村もまた、後半開始から投入されていた。

「0-2」とビハインドを背負った湘南も同様に、交代選手が結果を出す。81分、コーナーキックを得ると、ゴール前の混戦から石原直樹が頭で押し込んだ。

 しかし悔やまれるのは、前半に幾度か訪れたチャンスをゴールに結べなかった点だろう。横山聡のオーバーヘッドはポストに嫌われ、戸田賢良のヘディングシュートもクロスバーを越えた。金守智哉を中心とするDFの寄せが鋭く、最後の局面で効いていたのだ。失点数リーグ5位という守備の堅さの所以でもある。湘南は残り約10分間にも流れを手繰り寄せたが得点には至らず、ホイッスルにも水を差され前半を終えたのだった。

 一方の愛媛はやはり守備に自信があるのだろう、追撃弾を浴びても慌てない。逆に88分、前がかりになる相手を尻目にゴール前の攻防へと持ち込み、最後は高萩がシュートを放ち試合を決めた。

 愛媛は堅守からカウンターを繰り返し、結果に繋げた。2トップは裏を狙い、時にサイドに流れて、湘南の最終ラインと中盤とのあいだに溝を開けた。惜しむらくはラストパスの精度である。時間をかけずに少ない人数で好機を窺うなかで、パスが通ればさらなるビッグチャンスは訪れるだろう。

 湘南は勝点3が遠い。ただ負のスパイラルは往々にして、ほんの僅かなボタンの掛け違いだ。裏を返せば、これまで上田監督のもとで積み重ねてきたサッカーは、ひとつはまれば取り戻せるはずである。

 かつて幾度も苦しい時期を経験してきた。選手それぞれにも苦しかった過去がある。かつて経験した敗北や挫折は、現在のようなぬかるみに足下を掬われたときにこそ意味をもたらすのではないか。「自ら崩れるべきではない」と外池大亮も語ったように、いまは辛抱し、耐え抜き、変わらずに続けることが、未来へと繋がっていく。リーグ戦はまだ半分も終っていない。

以上

2006.06.08 Reported by 隈元大吾
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