6月7日(水) 2006 J2リーグ戦 第20節
徳島 0 - 0 水戸 (19:04/鳴門/2,098人)
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スコアレスドローに終わったこの一戦。両チーム勝点1を分け合うこととなったが、その結果の捉え方はそれぞれ全く相反するものであったと言えよう。
「勝てたゲームだったが、いかんせんシュートが少なく得点から遠かった」とは徳島・田中監督。ボール支配率、そして押し込む機会も圧倒的に多かっただけに、ホーム徳島としては勝点をあと2つ取り損なった感が強い。対して水戸は、前田監督の「とにかく勝点1を取れてよかった」という一言そのままに、この勝点1もある程度納得して受け入れられるものであったようだ。
とは言え、試合内容は決して徳島の出来が一方的に良かったわけではない。前記の通り90分を通して徳島がボールを支配し、水戸陣内へ攻め入る機会が多かったものの、水戸からすればそれは作戦の範囲内。引いて固めた守備組織の前では徳島にボールを回させ、そのエリアまではあえて攻めさせていたということだ。そして、一発のカウンターやセットプレーからあわよくば得点をという意図は明白。アウェイであること、そして攻撃の柱であるアンデルソンを出場停止で欠いたことを考えれば、水戸は横浜FCを降した前節同様に、今節も自分たちのプラン通りに試合を進めたと言っていいだろう。
逆に徳島は、冒頭の田中監督のコメントにあったように、押し込みながらもなかなかフィニッシュにまで持っていけない。中盤でこそ水戸が自由を与えたこともありボールを繋いで運べるが、シュートゾーンに侵入したFW羽地や大島へのラストパスは人数をかけた水戸の守備網にことごとく引っかかった。その攻めあぐねた様子を示すかのように、この試合で徳島が放ったシュートは8本。試合展開から見れば、水戸の7本とほぼ変わらないこの数字は物足りないと言わざるを得ない。
ただ、そのような状況に陥った要因は、水戸の堅守だけでなく徳島自身の攻撃にもあったように思える。今節の徳島はほとんど後方からのビルドアップで攻撃を組み立てたが、前節までの数試合のように早めのロングフィードをもっと多用してもよかったのではないだろうか。同じリズムの組み立てで攻め続けた結果、逆に水戸に守りのリズムを生ませてしまった気がしてならない。
事実、後半も残り15分となったところでそれを裏付けるようなシーンがあった。それは、FW小林が投入され、徳島の前線に羽地と小林という高さのある選手が揃った直後。DF金が早いタイミングで後方から長いボールを入れると、水戸の守備陣は一瞬対処に遅れる。すると、そのこぼれ球を拾った小林がすかさずシュートを放って水戸ゴールのバーを強襲した。
この試合最も惜しかったシュートはこうしてロングフィードから生まれた。それまでとリズムを変えた一気の攻めが効力を発揮することを垣間見たシーンであった。そういう意味では、それまでもトップ下の玉乃が個人技を活かして割って入ろうとした時、攻撃に変化が生まれて得点の可能性をいくらか感じた事実もあり、バリエーションを付けた攻撃が水戸守備陣を慌てさせていたのは間違いない。
今後の戦いにおいても、徳島は攻撃に変化をつけていかなければゴールは遠いものとなってしまうだろう。一歩ずつ前進しなければならない今、チームとしてその課題を一刻も早く修正する必要がある。
次節はもう目前にまで迫っているが、選手たちの必死の取り組みに期待したい。
以上
2006.06.08 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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