6月7日（水）J2 第20節 草津 vs 札幌（19:00KICK OFF/群馬陸）
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第2クールに入り1勝5敗。前々節で最下位に転落し、前節も不甲斐なく敗れた草津は、これまでにない苦しみを味わっている。

しかしながら今節で対戦する札幌も苦しみの真っ只中にいる。4月15日の湘南戦で勝利を挙げて以来、9試合連続で勝ち星なし。第1クールは上位につけていたものの、気付けば10位に後退。チームの置かれた立場を鑑みると草津以上に追い詰められているといって良いだろう。両チームとも勝利を挙げることで、暗いトンネルから脱したいはずだ。

前節・東京V戦（2日）の大敗から1日空けた4日、草津の植木監督は、練習前に40分以上にも及ぶ緊急ミーティングを行い、選手に激を飛ばした。「第1クールにちょっと勝ったことで選手が勘違いしてしまっていた。うちは強いチームじゃない。チャレンジ精神をなくしたら勝てるはずがない」と指揮官。ゲームでの反省点を含めて、精神的な面を選手に説いたという。そして、同日の練習は、指示を一切出さずに選手たちの自発的な行動を促した。

1日も早く最下位脱出を図りたい草津だが、チーム状態は下降線を辿る。前節は高田、吉本、山崎ら主力3人が警告累積で出場停止となり厳しい展開となったが、今節も太田、佐藤の両FWが出場停止。高田、吉本の出場停止が解けるものの、再びFWのバックアップ無しという状況で札幌戦に臨まなければならない。

ただ、草津にとっては高田が戻ってきたことが何よりも大きい。前節は、高田というパスの受け手がいなかったことで、司令塔の島田が孤立した。高田が今季挙げた5ゴールのうち4ゴールが島田のアシスト。ラストパス以外でも、島田から高田へとつながるパスが多く、二人のホットラインは今やチームの生命線となっている。「東京V戦はシマ（島田）のパスの出しどころがなかったので、次は積極的にスペースに走りたい。自分の経験上、チームの連敗が続いているときは100％の力を出しても結果はついて来ない。一人一人が120％の力を出さなければならない」と高田。「休養明け」のストライカーの活躍に期待だ。

今節の草津はフォーメーションを3−5−2の基本布陣に戻して再起を賭ける。「第1クールでやってきたことが出来なくなってきている。それを思い出させる意味でも、しばらくは3バックで行く」（植木監督）。札幌も同じ布陣を取るため、1対1の勝負がより重要になるだろう。札幌に対して特別な対応は考えずに自分たちのサッカーで勝負するという草津だが、攻撃の中心であるフッキ対策だけは例外。DF、ボランチを含めた守備陣が連携してフッキを抑え込むことになる。3バックの一角・尾本は「最後まで粘り強く対応したい」と話す。草津と札幌の過去の対戦は、札幌の5勝0敗。前回の対戦でも、札幌が3−0で快勝した。札幌としては「お得意様」を倒して、浮上のきっかけをつかみたいところだ。

立て直しの時間を許さないＪ2の過密日程は、負のループに迷い込んでしまったチームにとって酷だ。ただ、この状況を打破しない限り、明日は見えて来ない。植木監督は「もう一度、原点に戻ってやり直さなければいけない。1からじゃなく、0からのスタートだ」と強調する。草津の再生は、「原点」に戻れるかどうかにかかっている。

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2006.06.06 Reported by　伊藤寿学