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【J2:第16節 札幌 vs 鳥栖 レポート】引き分けながらも再び上を向き直した札幌イレブン。アグレッシブな鳥栖のスタイルが、札幌の良さを引き出した。(06.05.18)

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5月17日(水) 2006 J2リーグ戦 第16節
札幌 2 - 2 鳥栖 (19:04/札幌ド/10,124人)
得点者:'5 濱田武(鳥栖)、'58 オウンゴ−ル(札幌)、'72 新居辰基(鳥栖)、'85 砂川誠(札幌)
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前節、ホームで6‐1と大敗した札幌は、地元で2試合続けて情けない試合はできない。大塚が「前節はサポーターをガッカリさせてしまったので、今日は絶対に満足してもらおうと思って戦った」と話したように、何としてもサポーターの信頼を取り戻したい試合だった。

しかし開始5分、鳥栖の濱田が放った浮き球のシュートをGK高原がしっかりと弾き返すことができず、あっさりと失点。汚名を返上したい試合も、嫌な立ち上がりとなってしまった。
鳥栖のパフォーマンスも良かった。コントロールタワーである尹晶煥を負傷で欠きながらも、代わって中盤の底に入った山口がテンポ良くショートパスをつないでリズムを作った。同じく中盤の底でプレーした高橋も良いタイミングでミドルパスを前線に供給。両サイドバックの長谷川と高地もしっかりとビルドアップに絡み、チームとしてのポゼッションが安定していた。
ただし、鳥栖がこうして有機的にサッカーを展開してくれたことは札幌にとってありがたかった。鳥栖がプレーゾーンを比較的高めに設定してくれたため、札幌が使えるスペースも十分に生まれていた。もし鳥栖がガッチリと守りを固めるプレースタイルだったならば、札幌はかなり苦しくなったはずである。「J2も随分レベルが上がって、見ているお客さんにとってはハラハラドキドキするようなゲームをできるようになったと思う」。試合後に鳥栖・松本監督がこう話していたように、鳥栖が札幌と同じように攻撃的でアグレッシブなサッカーを志向していることが、札幌の良さを引き出してくれた。

パスを動かして前に出てくる鳥栖のオフェンスに対して、札幌は守備的MFとDFが挟み込むように守備を行い、奪ったボールは前を向いている選手に渡す。そして、そこから素早く攻める。攻撃に転じる場面でイージーなミスが目立ったものの、こうした一連の流れを繰り返しているうちに札幌は徐々に自分たちのスタイルを取り戻し始めた。アウトサイドから前線にクサビのパスが入り、中盤へ降りてきたボールを再びサイドへと展開する。そうしたスムーズな攻撃が前半の中頃から何度も見られるようになった。相手守備陣に圧力をかけて58分に同点に追いつき、72分に途中出場の鳥栖・新居にループシュートを決められてまたもリードを許したが、得点への意欲は弱まらず85分に砂川が同点ゴールを決めた。

大敗した前節は「失点して、すぐに下を向いてしまった」(フッキ)という試合だったが、この試合では2度のビハインドを跳ね返すことに成功した。「ホームで恥ずかしい試合を2度も続けられないという気持ちはゲームの中で見られたと思う。気持ちはしっかり入っていた」と札幌・柳下監督。勝利こそできなかったが、ゴールそして勝利へと向かって積極的にチャレンジするという札幌のスタンスをサポーターにアピールできた手応えを指揮官は得たようだ。
主将を務めた大塚が「ありがたいことに、先は長い」と言い、得点に絡んだ関も「何としても勝ちたかったので残念。次の柏戦(5/27@柏)に向けてしっかりと準備したい」と話す。前節は目先のプレーにさえ貪欲に戦えなかったイレブンが、しっかりと先を見据え直した。勝点3を得たわけでもなく、上位との差を大きく縮めたわけでもない。積み上げたのはたったの勝点1のみ。しかし、多くの選手が言葉なくスタジアムから帰途についた前節から、わずか中2日での試合を経て再び顔を上げることができたのである。その意味では、非常に大きく重要な勝点1だと言えるだろう。


以上

2006.05.18 Reported by 斉藤宏則
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