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【J2:第16節 水戸 vs 愛媛 レポート】アウェイ初勝利という歴史的な一戦となった愛媛に対し、チームの根本を問われる敗戦を喫した水戸。(06.05.18)

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5月17日(水) 2006 J2リーグ戦 第16節
水戸 0 - 1 愛媛 (19:04/ひたちな/1,286人)
得点者:'25 オウンゴ−ル(愛媛)
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 試合終了の笛が鳴った瞬間、愛媛の選手・スタッフ一同が大きなガッツポーズを見せた。
「我々は歴史のないクラブ。アウェイで1勝できて良かった」と試合後の望月監督の言葉が表すようにこれまで届きそうで届かなかったアウェイでの勝利をもぎ取り、チームとしてまた新たな歴史を築いた一戦となった。試合終盤、水戸がパワープレーに出て愛媛ゴールをおびやかしたが、愛媛守備陣は最後まで集中を切らさず、ボールをはね返し続けた。頭をよぎったのはロスタイムの最後のプレーで追いつかれて勝利を逃した前々節の山形戦。それを振り返りながら「山形戦の経験もあったんで、最後まで負けたくない気持ちが強かった」と高萩が言うように教訓をしっかりと生かした勝ち点3だけに大きな価値があると言えよう。「愛媛として成長したかな」と望月監督もチームの成長を感じ取っていた。

 だが、愛媛の勝利を助けたのは水戸の攻撃姿勢の希薄さに他ならない。序盤から互いにスリッピーなグラウンドに足をとられ、パスミスを連発。どちらとも主導権を握れずに迎えた25分、愛媛の左サイドからのCKが水戸DFに当たり、ゴールへ吸い込まれ、愛媛が労せずに先制点を挙げる。
1点を追いつくべく、攻撃的姿勢を見せなければならない水戸だったが、一向にペースは上がらない。「水戸がやりたかったことをやられてしまった」と椎原が悔やむように1点リードしてリスクをかけずにサッカーをする愛媛の守備を前になす術なし。1点のビハインドにも関わらず、愛媛以上にリスクをかけないサッカーに固執した水戸はサイドから人数をかけて崩すわけでもなく、前線に人数をかけて攻めるでもなく、「怖がってプレーをしているため前を向けず、後ろに戻すだけだった」と前田監督が指摘する通り、ボールを前にすら進ませられず、自陣でボールを回すか、相手DFに向かってロングボールを放つだけの展開となった。「あれだけ(守備を)徹底できるのはすごい」という愛媛・望月監督の言葉は皮肉以外の何物でもないだろう。

 愛媛にとって歴史的な一戦となったが、水戸にとってはチームの根本を問われる一戦となった。この日、水戸が築いた決定機は0。チャンスすら皆無であった。東京Vや札幌相手に勝っておきながら、下位の愛媛に完敗。草津にも同様の内容で敗戦を喫している。「我々は守備のチーム。相手が(攻撃的に)来るとはまるが、来ないと上がれない」と前田監督が惜しげもなくチームの欠点を語るようにまさにチームとして大きな壁にぶち当たっていると言っていいだろう。この日は頼みのアンデルソンが不発でそれを補うことができなかったように、いまだ『攻撃の形』がないため、自分たちのペースで試合が進められないでいる。そのまま現状を維持して『上位にとって嫌なチーム』のまま終わるのか、課題を克服し、『どのチームに対しても自分たちのサッカーを繰り広げられるチーム』になるのかの岐路に立たされているのである。

 だが、それは戦術だけでなく、1人1人の意識で変わるものではないだろうか。試合終盤、状況を打破するためにDF河野が監督からの許しを得て、前線へ上がったことでチームは活気づいたように個々の判断で状況は変わるはず。中2日で迫る次の試合ではまずその『意識』を見せて、攻撃力向上の足がかりを選手自らの手でつかんでほしい。

以上

2006.05.18 Reported by 佐藤拓也
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