■2006FIFAワールドカップTM ドイツ大会
日本代表最終メンバー発表記者会見
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●ジーコ監督（日本代表）：

「4年間、私は日本のために全てを出し尽くしてやってきました。自分が長い間サッカー世界とかかわって得てきた経験の全てを出し尽くしたと確信できます。これ以上のものを望まれてもこれ以上ものは知らないですし、ひとつも隠し事はありません。この場にも沢山の皆さんがおられますが、本当に日本国民が今日という日を待っていたということで、ここまでサッカーの社会的地位が上がったことを非常に嬉しく思います。

4年間皆さんと一緒に仕事をさせていただいたわけですが、練習を含めて皆さんの前でお話しすることは、隠し事ひとつなくやってきたつもりです。チーム、スタッフを含めて自分のモットーとして人様の分野に土足で立ち入ることなく、分野分野で自分の持っている最大限のものを掲げ、本日までそれを貫いてきました。

私は、監督としてのいかなる責任も逃れるつもりはありませんでしたし、今日も、これからにおいてもそのつもりはありません。これから本大会を迎えても、全ての責任は私にあると思っています。ひとつのセクションでそれぞれが責任を持って自分の仕事をすることは、口で言ってしまえば簡単ですが、やり遂げることは難しいことです。それを4年間やってこられたのは川淵キャプテンの寛大なるご支持おかげだと思っています。

時の移り変わりというものをつくづく感じざるをえないのは、この会場の中に浅野さん、北澤さん、相馬さんといった今まで15年間自分が敵としてあるいは味方としてやってきた選手が、今日では違う分野で活躍していると言うことです。そういうことを考えますと、自分が長きに渡って日本とかかわりを持ってきたんだと思いますし、全ての方の名前を挙げられないのが残念ですが、それぞれの分野で彼らの活躍を心より期待しています。」

Q：巻選手を選出した理由は？

「昨年あたりから所属クラブで顕著な活躍を見せていて、代表でも今年から試合試合でいい動きをしていました。フィジカル的な強さ、それを裏付けるようなコンディションのよさもそうですが、エリアの中で仕事ができて、本来のFWの資質が非常に高い物を持っていて、少なくとも代表の数試合でそれを出してくれたという事が大きな理由です。これを維持していければ本大会でも日本の働けるだろうと言うことで選びました。

Q：久保選手を選出しなかった理由は？

「本当に久保は素晴らしい選手だと思います。私も彼のプレーが大好きです。ただし、今のサッカーのよさを生かすためには、特にこのポジションではフィジカル的なコンディションがよくないと生かせないわけです。現時点で腰の問題であるとか、ひざ、足首の問題を抱えてどうしても完璧なコンディションではないということで、最後まで考え抜いてこういう結果になりました。

逆に言えば、今リハビリの途中である柳沢はどうなんだというかもしれませんが、骨折からはリハビリの結果がよく、フィジカル的な部分が整えば、ほとんど支障がなく動けると言うことを、私も自分の経験から知っています。
今の柳沢の状態は、ボールを使ってなんでもできるということで、うまい形でリハビリを繰り返してしていければ、あとはフィジカル的な問題に尽きると思います。まだ本大会で期待ができるということです。

それと、今までの自分の経験を含めてなんですが、中途半端な形で本大会に臨むことがどれくらいチームにとって影響を及ぼすかと言う事です。どの選手も強い意思で臨んで来るとは思うんですが、コンディションやフィジカル的なことは騙しきれない部分があります。私自身も苦い経験をしましたし、自分が指揮するチームでこうったことは起こってほしくないということで、そういった経験を生かして完璧に戦えるメンバーと言うことで選出しました。」

Q：この23人のメンバーを決めたのはいつですか？

「最終メンバーを決定するというのは責任もありますし、大変な作業でした。常に23人中2,3人についてはコンディションのことなどを考えていたので、23人の名前を最終的にぴっちり出せる状態になったのは、この前のキリンカップサッカー・スコットランド戦（5月13日/埼玉）のあとです。

ただし、実際にはキリンカップサッカーのブルガリア戦（5月8日/長居）の前に23人は決めていたので、ある程度確信を得て、最後の決断をして発表できる状態になったのがスコットランド戦のあとだったということです。名前はほとんど8日には決めていました。」