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【J2:第15節 東京V vs 水戸 レポート】全てに於いて『対照的な』戦いは水戸に軍配。東京VはJ2において『何が必要なのか』を指し示された一戦となった。(06.05.14)

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5月14日(日) 2006 J2リーグ戦 第15節
東京V 0 - 1 水戸 (14:05/国立/4,076人)
得点者:'9 アンデルソン(水戸)
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試合前の状況、メンバー、ゲーム展開、サポーターの様子、監督の思惑・・・全てに於いて『対照的な』戦いだったと表現してもいいだろう。

前節(第13節vs横浜FC戦は、水曜日に1試合のみ行われた)から中3日の東京Vは、中盤の要・大野の出場停止などでスタメンを4人入れ代える。一方の水戸はプロデビューを果たした平松以外は前節(第14節)と同じ布陣で、一週間の練習を経て国立へとやって来た。

立ち上がりに平本-バジーリオのホットラインでゴール前を脅かしたが、すぐさまカウンターで水戸が応戦、デジマールがオーバーラップしてできるスペースをアンデルソンと眞行寺が突く。9分には東京Vの曖昧なキープをすかさず奪い、アンデルソンが裏に抜け出す。最初のアプローチの遅れが響いて萩村も上村も戻りが遅れ、左サイドからほぼフリーでゴールを許してしまった。

前節の経験が活きるかと思いきや、またも東京Vは焦りを募らせ、サイドアタックに走る。「サイドから攻めても(前線に)高い選手がいない」(前田監督)東京Vは、クロスボールを効果的にフィニッシュまで持ち込めない。パスコースを模索しているうちに水戸の早い寄せにボールを失い、再びチェイシングを余儀なくされる。シュートは前半に5本放ったが、26分のデジマールのシュート以外はいずれも枠を外れた。

水戸はボランチに入ったマルキーニョの好判断、眞行寺や秋田の運動量を生かしたサイド突破、前節ハットトリックを決めたアンデルソンの前線での粘りが奏功して、メリハリの利いた攻撃を見せる。小椋が中盤を完全に封じ、河野と平松が粘り強く東京Vの2トップをマーク・・・と、持ち味の守備も忘れない。「セカンドボールを拾えば追加点を狙えると思った」(前田監督)と予測した通り、前半は水戸の攻撃への執念が顕著だった。

東京Vは前節同様に、後半から森本を投入して平本をトップ下に置き、攻撃に厚みを持たせる。前半から果敢にチャレンジしていた藤田〜アナイウソンの左サイドのホットラインが奏功して、疲れの見えてきた水戸のバイタルエリアへと展開する場面を増やす。しかし、ここでも水戸の守備陣は踏ん張り、ゴールを割らせない。焦りを募らせる東京Vはせっかくのキープ場面でも雑なプレーが目に付き、ゴールが遠い。84分には前線の3人を擁しても水戸ゴールにねじ込む事が出来ず、ゴール前5人体制のパワープレーでもで得点を狙うも、同点弾は生まれなかった。足が攣る選手が続出し、時間の問題と思われた水戸の守備だったが、最後まで集中を切らすことなく身体ごと挑んだ。

タイムアップの瞬間の両チームの様子も、対照的だった。
「何故だ?」と言わんばかりに首を傾げる東京Vのイレブンと、全力を使い切ってふらつきながらも、勝利の笑顔を見せる水戸イレブン。第2クールに入り、いよいよ結果が求められる段階に入ってきたJ2の戦いで、何が必要なのかを選手たちが指し示した場面でもあった。

ゴール前で水戸DFと交錯して激しく鼻血を流しながらも、最後まで戦いぬいた森本が「悔しい。自分が投入されるという事は、自分に良いボールが出ているということ。今はチャンスがあれば絶対に(ゴールを)狙っていく」と語り、高木は「前線の選手が頑張っているから、僕たち(守備陣)も頑張れる」と、図らずしてチームメイトを気遣うコメントを口にした。ラモス監督が常日頃口にする『誇り』も、個々の独りよがりでは結果を生むことは出来ない・・・その事に気付いた証だ。

この日の水戸の戦いは、荒削りながらも自分たちのサッカーを構築してきたことが実証されたといってもいいだろう。『守備だけ』とまで揶揄された事もあったスタイルに、攻撃と粘りを上積みし始めている。一貫した『守備の徹底』が浸透していることは、キャプテンやレギュラーのいないこの日の布陣が結果を出したことでも伺える。

J2リーグは積み重ねを強いられるリーグだ。

以上

2006.05.15 Reported by 壽山知里
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