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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 新潟 レポート】ボール支配率は新潟。ゲームを支配したのは広島。しかし、決定機を決められず、広島痛恨の勝ち点1。(06.05.14)

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5月14日(日) 2006 ヤマザキナビスコカップ
広島 0 - 0 新潟 (15:00/広島ス/4,287人)
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■特J!プレイヤー: 森崎 浩司選手(広島)
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森崎浩司の右足から放たれたボールが、ゴールに向かって転がっていく。GKの指先を抜け、そのままネットに吸い込まれそうになった。時間はすでに90分を2分オーバー。決まれば、広島の勝利はほぼ確定する。
しかし。ボールはポストの内側に当たり、そのままゴールラインを割らずに転がっていったのである。この試合、両チームを通じて最大の決定機の結末は、広島に落胆を、新潟に安堵を与えたのである。

広島の流れだった。ボール支配率、シュート数、共に新潟が上。しかし、それでも試合そのものは広島が支配した試合だった。
確かに新潟は、ボールをつないでいた。だが、それは単にボールを横につなぐだけ。縦パスは広島のブロックにひっかかり、ドリブルは止められる。サイドからのクロスも広島は落ち着いて跳ね返し、決定的シュートを許さなかった。
何よりも、新潟はミスが多かった。強固なブロックを前に焦る気持ちが募り、単純なパスミスを連発。さらに、淡白なプレイが多く、相手にあっさりとボールを奪われるシーンが目立った。自明の理としてカウンターでピンチを迎えることになり、ウェズレイやベット、森崎浩司に決定機を演出されてしまう。
新潟のシュートは、20本。しかし、その中で広島の守備陣が胆を冷やしたシュートは1本もなかった。立ちあがりのファビーニョのクロスと、91分にハイボールが新潟FWとGK下田の間に落ちたシーン以外は、得点の香りはほとんどしなかった。広島・望月監督が「新潟にボールを持たれていても、選手たちは“持たせている”という感覚だっただろう」と記者会見で胸を張ったが、それはこのゲームの本質をついた指摘だろう。

一方の広島は、望月体制になってもっともチャンスが多かったゲームといっていい。森崎浩が前後半に1度ずつ、他にもウェズレイ、上野、ベットとビッグチャンスがいくつもあった。しかし、粘り強い新潟DFの守備も確かに光ったが、広島もまたミスからチャンスを自ら失っていた。人数をかけて分厚い攻撃をするスタイルではないだけに、攻撃陣にはチャンスをしっかりとゴールに叩き込むクールさが求められる。最後の森崎浩のシュートは確かに不運だったが、精度の高いプレイでゴール前に迫っていれば、この試合は広島が勝ち点3をとったはずだ。

それにしても、この試合は両チームの監督の個性を見事に醸し出した、と言っていい。
望月監督は、5バックの徹底した守備的布陣を敷き、徹底して守りに守った。しかし一方で、例えばハーフウェイライン付近より自陣寄りのFKであっても、最終ラインからDFを全員、相手ペナルティエリア内にあげて、高さでゴールを狙った。また、残り10分を切った段階にはリスクを承知でDF八田をFWにあげた。自分たちのサッカーをベースにしつつ、「ゴールが欲しい」となればなりふり構わず形を崩し、遮二無二泥臭いサッカーを展開した。
もちろん、望月監督が5月までの「暫定監督」であり「結果」を求められている、という事情もある。しかし、彼の個性が「勝負に徹底してこだわる」という性質のものであることは間違いない。それは、極端な守備的戦術をしっかりとチーム全体に徹底させながら、相手に合わせて微妙にやり方を変えていることでも明らかだ。
一方の新潟・鈴木監督は、しっかりとボールを支配し、マイボールを大切にしながら相手ゴール前に迫り、サイドからゴールを狙う形を徹底した。スペースがないからといって、背の高い選手を前に入れて中盤を省略してパワープレーに出ることは最後までなかった。目先の勝利を求めるだけではなく、自分たちのベースをしっかりと固めていきたい、という意志が見えた。どちらが正しいというわけではない。しかし、互いの監督の意志が明確だっただけに、その対照の妙が味わい深い闘いだった。

現実を見れば、広島の決勝トーナメント進出は非常に厳しくなった。しかし、公式戦3試合連続完封を達成し、尻上がりに内容もよくなっているだけに、広島の選手たちの表情は決して暗くない。「守備が安定しているのは前の選手が頑張るから」と盛田が言えば、「DFがあれだけ頑張っているのに点がとれず、申し訳ない」と森崎浩が語る。この二人の言葉が、今の広島の雰囲気の象徴である。そして、そのまとまりに一縷の望みを託し、広島は水曜日に清水との決戦を迎える。


以上

2006.05.14 Reported by 中野和也
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