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【ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 福岡 レポート】上昇気流に乗り損ねたF東京、浮上のきっかけ掴んだ福岡に完敗(06.05.14)

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5月14日(日) 2006 ヤマザキナビスコカップ
F東京 0 - 1 福岡 (15:04/味スタ/11,938人)
得点者:'84 宮崎光平(福岡)
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■特J!プレイヤー: 久藤 清一選手(福岡)
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試合後、数人の選手が足早にバスに乗り込んでいく。「練習からお互いに言い合ってやっていかないと」「一人ひとりが考えることが勝利に繋がる」と反省の弁を語ったFW戸田光洋とGK塩田仁史。久々にトップチームでの試合に臨んだふたりの表情にも悔しさが滲む。土壇場での敗戦を喫した大宮戦(J1リーグ戦:12節)に続き、再び土を付けられることとなったF東京は、GW中に掴んだ勢いを完全に失なっていた。

序盤、出足で鋭さを見せたF東京は、細かいパス回しと宮沢正史のサイドチェンジを交え、流れるような攻撃を披露する。その後も福岡を押し込むと、何度もいい位置でFKを獲得。宮沢が鋭いボールを蹴り込み、鈴木規郎が地を這う強烈なポスト直撃のシュートを放つなど、先制ゴールも近いかと思われた。しかし、福岡も黙ってサンドバックと化していたわけではない。浅いDFラインから繰り出される切れ味のあるショートカウンター、ゴール前でのテンポのいいパス回しなど、今季わずか1勝のチームとは思えない積極的な攻めで反撃。左サイドで攻撃のアクセントを付ける古賀誠史や、中盤で縦横無尽の動きを見せるホベルトを中心に、ピッチ上に転がる勝利へと繋がる細い糸を必死に探す。

試合が進むにつれ、福岡がいよいよ勢いに乗ってくる。決定機を何度も作り出すと、「上げろ上げろ!」という声が響く中、DFラインが高い位置をキープ。あとはフィニッシュの精度のみという場面が幾度も繰り返され、F東京にとってはまさに「2、3点取られてもおかしくない内容」(アレッシャンドレガーロ監督)だった。得点こそ生まれなかったものの、福岡の勝利への欲求にF東京はいつしか流れを手放していた。中でも、現在のチームのキープレーヤーとなる梶山陽平の調子が上がらない。「グラウンドで歩く機会が多く、マークも付けていない、パスミスも多い」と監督から叱責されたように、自らのミスから決定的場面を何度も作られてしまった梶山。天才肌の選手だけに、練習中に負った手の故障で微妙なところでプレーのバランスを崩していたのかもしれない。

後半に入り、ガーロ監督は梶山に代えて伊野波雅彦をピッチに送り込む。中盤の底を今野泰幸と伊野波に託し、好調の宮沢を前目に上げて得点をねらっていくF東京。この交代策で、「少しリズムも出てチャンスも生まれた」(ガーロ監督)が、古賀にGKとの一対一の場面を作られるなど、一方でピンチも続いた。すると、福岡が立て続けにふたりの選手を投入したところで、F東京が最後の勝負に出た。サササルセードを送り込み、途中出場の阿部吉朗を含めた3トップで必勝態勢へ。だが、福岡は「ディフェンダーが本当に辛抱して踏ん張ってくれた」という松田浩監督の言葉通り、これをしのぎ切る。そして迎えた84分、久藤清一の絶妙なスルーパスに宮崎光平が飛び出し、冷静にゴール。同日に誕生日を迎えた妻に捧げる、福岡の背番号10による渾身の決勝アシストを、F東京のディフェンス陣は為す術なく見送るしかなかった。

ともにグループリーグ突破は厳しい状況の中、モチベーション保持の難しい試合だったのは間違いない。だが、福岡が見せた勝利への強い気持ちは、「勝ち点3に相応しい試合」(松田監督)だった。この日も再三迎えた決定機を活かすことが出来なかったという課題も残っているだけに、試合後の松田監督の表情に緩みはなかったが、してやったりの勝利に心の中では満面の笑みを浮かべていたはずである。

一方、敗れたF東京は、大宮戦の敗北から埋め直した防波堤が再び決壊してしまったかのように、なんとも焦燥感の募る結果となってしまった。「ハーフタイムに長いボールを蹴り過ぎだと監督に怒られた」(宮沢)という、選手と監督のプレービジョンに齟齬(そご)が生じた一面も見られるなど、F東京は今一度戦い方を整理する必要があるだろう。連戦が続き練習時間が限られる中、ナビスコカップ残り2戦を文字通りの消化試合にしないためにも、問題はチーム全体で解決を図っていくしかない。

 奇しくもこの日、「結果が出ないことで、こういうサッカーでやるべきことをやらなくなるのが、本当にいつも恐れていること」と相手チームの監督が語ったように、今がF東京の真価を試される時。「こういう世界だし、チャンスを逃したら終わってしまう」。この日久々の戦列復帰を果たした戸田が語った言葉を噛み締め、ここまで着実に積み重ねてきた土台の上に、もう一度新たな堤防を築いていきたい。


以上

2006.05.14 Reported by 平松順二(ISM)
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