5月14日(日) 2006 J2リーグ戦 第15節
山形 2 - 1 草津 (14:04/山形県/3,826人)
得点者:'44 チカ(草津)、'44 財前宣之(山形)、'84 レアンドロ(山形)
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前回山形を倒した第6節と同じように、草津は島田が左に張り、3トップで山形のSBを抑え込むと同時に、SBが上がったときにはそこを突く戦術を立ててきた。味方がボールを奪うと、前線は山形のDFを押し下げながら裏へ走る。中盤からは中井、チカが交互にそれに加わり、中盤にぽっかりと穴が開いた形でロングボールを蹴っていったが、精度の低さから、裏でキャッチすることは稀だった。
前半、山形の攻撃の中心になっていたのはレアンドロ。20分には佐々木とのワンツーで右サイドを破りシュート。24分には林の右クロスをヘディングシュート。その2分後にもゴールキックから右スペースを突くが、ゴール前に味方が走り込んでくるのが遅く、ニアに走り込んだ財前にマイナスのクロスを合わせようとしたが、クリアされた。両サイドのスペースをしつこく狙い、決定機も度々つくってはいたが、草津陣内に入ってからのリスキーなボールの奪われ方は改善されているようには見えず、チャンスをむしろ逃している印象が強かった。
ロスタイム1分の表示からそろそろハーフタイムの笛が吹かれようかというとき、ハーフウェイラインあたりでボールを受けた山形の左SBの木村がドリブル開始。ペナルティーエリア前の人垣をスルスルと抜け、ボックスの中で鳥居塚がかけた足で転倒。このPKを財前が落ち着いて決めて山形が先制した。
残り時間を考えれば、山形は絶好の時間帯に先制したはずだったが、草津の早いリスタート、佐田の左クロスからファーサイドのチカにヘディングシュートを決められ、試合は呆気なく振り出しに戻された。
後半、草津は島田が本来のトップ下に戻る。かなり低い位置まで下りてボールを受けるシーンあったが、前後をつなぐ的確な配給はチームのリズムを呼び覚ます。後半12分には佐藤に代えて太田を投入。18分には山崎→後藤の交代とともに、佐田を左SBに置き4バックにする。山形はボールを奪い、前線を確認すると、裏へランニングするどの選手もぴったりマークを受けていた。刻々と選手を入れ替え、システムを変化させることで、草津は主導権を少しずつ堅いものにしていった。
一方の山形は各選手が孤立気味。1人が囲まれてもフォローが遅く、ようやくサイドにボールを運びクロスを放つ頃には、草津はすでに守備の人数をそろえていたため、決定機からはしばらく遠ざかるようになった。
全体的に足が止まり掛けていた後半30分過ぎ、力を振り絞ったのは山形・木村。裏へ出されたボールを懸命に戻ってクリアし、1対1の対応でも粘り強さを発揮したことで、ようやく草津の流れをせき止めた。そして後半39分、レアンドロが一度奪われかけたボールを再び足元に収めると右へ展開。臼井がすかさず縦に出したボールをクロスに結びつけたのは、5分前に途中出場したばかりの秋葉だった。やはり途中出場の原がニアに流れ、中央のスペースを空けると、そこに突っ込んだレアンドロがヘディング弾を叩き込んだ。このあとはレオナルドを投入して太田にマンマークをつけて逃げ切り体制。前半の失敗を繰り返すことなく、リードを保ったまま乗り切った。
試合終了のホイッスルとともに、大きなガッツポーズをつくったのは小原と渡辺。試合の2日前に守備の選手数人が話し合いの場を持ち、「中央のスペースを使わせないようにしよう」とCB2人とボランチ渡辺の3人の連携を綿密にしようと話し合い、その成果が表れた。今季3勝目で10位に浮上。まだまだ高い天井、それを視界にとらえるには、この試合のように厳しい試合のなかから勝ち点3を拾っていく体力と精神力が求められるが、歩みを止めない限り、推進力は徐々に増してくるはずだ。
草津は敗れて一歩後退の12位に。植木監督は試合後の記者会見で、選手の気の緩みを指摘し、「これではいけないということがわかれば、今日の試合は意義があった」と厳しい言い回しで奮起を促した。状況に合わせ、先手を打ってスタイルを変えることができるのは大きな武器。あとは隙をつくらないためにモチベーションと集中力の維持が必要だろう。
以上
2006.05.14 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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