5月14日(日) 2006 ヤマザキナビスコカップ
鹿島 3 - 2 京都 (15:00/カシマ/6,715人)
得点者:'10 渡邉大剛(京都)、'16 田代有三(鹿島)、'17 加藤大志(京都)、'77 アレックスミネイロ(鹿島)、'78 アレックスミネイロ(鹿島)
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■特J!プレイヤー: アレックス ミネイロ選手(鹿島)
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「ゲームを優位に進めながら、結果的に勝ち点3を取れなかったので残念です」
試合後の会見で、柱谷監督の第一声は試合結果を悔やむものだった。
後半途中まで、京都が試合をリードするものの、77分、78分にアレックス・ミネイロが連続ゴール。ホームの鹿島が辛くも逆転勝利をおさめ、グループ首位を守った。
この試合、ポイントとなったのは4試合連続で先制点を許している鹿島のディフェンスだ。先に得点を許すことでチームはペースを失い、思ったようなサッカーが展開できていなかった。そして、やはりこの試合でも、そうなることがもともと決まっていたかのようにあっさり失点する。パウリーニョ、中払とまわったボールが右サイドでフリーだった渡邉に渡ると、慌ててつめてきたディフェンスをシュートフェイントでかわし、左足に持ち替えて落ち着いてゴールを決めたのだった。
鹿島もすぐさま反撃する。この試合、サポーターの大声援を受けた深井が左サイドを突破、中央で待ちかまえる田代にピタリと合うセンタリングをあげ、田代がヘディングシュート。16分に同点に追いついた。しかし、その1分後にまたもや鹿島の左サイドを崩されてしまう。渡邉があげた低いセンタリングが加藤にわたり、反撃ムードは一瞬にして萎んでしまう。その後もゲームを支配し続けたのは京都。パウリーニョがキーパーの小澤と1対1になるなど何度となく決定機をつくっていた。
後半開始から鹿島のアウトゥオリ監督が動く。再三崩されていた左サイドの石川と大岩を下げ、新井場と羽田を投入したのだ。この積極策が奏功したのかゲームが大きく動く。高い位置でボールを奪った鹿島は中央から速攻を仕掛け、アレックス・ミネイロからスペースに向かって斜めに走っていた田代にスルーパスが出る。ディフェンスが混乱した京都はマークにつくのが遅れ、大久保が田代を手で引っかけてしまった。大久保はこのプレーが2枚目のイエローカードであったため退場。京都は残り時間を10人で戦うことになる。
センターバックが1枚欠けるという事態に対し京都の柱谷監督はパウリーニョを下げ、サイドが本職の児玉をそのポジションに入れる策をとる。「後ろの8枚は非常にいい形で守備にも攻撃にも入れていたので、パウリーニョか田原という選択肢しかなかった」。柱谷監督は田原のキープ力とセットプレーでの強さを買って、パウリーニョを交代させた。鹿島にとって、パウリーニョが退いたことはプラスに働いたかもしれないが、ペースを掴んだ直接の要因はアウトゥオリ監督の積極采配だった。
59分、増田に代えて興梠を投入しする。「ワイドに深井と興梠を置くことで、徹底的にサイドを使うことを意識づけました」。左サイドに入った興梠は積極的にドリブル突破をはかる。これによりゲームのペースは明らかに鹿島に移った。左右両サイドから圧力を与え続ける。そして、77分、アレックス・ミネイロが同点ゴールを決めると、78分、再びアレックス・ミネイロがゴール。最後はボールをキーパーの頭上に浮かせて抜き去り、無人のゴールにシュートを決める技アリのゴールだった。
終わってみればホームで勝利をあげることができた鹿島だが、ディフェンスの問題点は依然として解消されていない。この試合でも、先に失点したことで前半は攻め急いでしまう展開が続いた。ボールの支配率が上がらないため、前半はほとんど京都のペースで時間が推移した。再びまみえる水曜日の京都戦にどこまで修正できるか注目していきたい。
敗れてしまったものの、京都は思い通りの試合展開ができていた。柱谷監督は「自分たちのやり方で、自分たちのスタイルで、普通にやった」と会見で述べているが、「2日後にゲームがありますから、詳しいことはいえません」と前置きをいれているだけに、鹿島のディフェンスの特徴を掴んでいるに違いない。怪我人と出場停止選手がいた関係で、7人のベンチ入りメンバーのうちDF登録は児玉だけだったという苦しいチーム事情がなければ、勝ち点3は京都のものだったかもしれない。予選突破はなくなってしまったが、次はホームゲーム。サポーターの前で良い試合を見せて欲しい。
以上
2006.05.14 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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