5月14日（日）ヤマザキナビスコカップ 大宮 vs 甲府（13:00KICK OFF/駒場）
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リーグ戦も12節を終えひと段落。ナビスコカップ数試合を残して７月まで本格的な中断に入る。ナビスコカップだけ見ると大宮は１勝２敗。決勝トーナメント進出のためにはもう負けられないところまで来ているため、明日の試合は「コンディションを考慮して」（三浦監督）ベストの布陣が組まれる事になりそうだ。「中断期までにメンバーの見極めを」と首脳陣が繰り返して来た大宮にとって、ここから中断期までの３試合もしくは５試合のナビスコカップの意味合いは小さくはない。

ここまでの大宮を簡単に振り返ると、リーグ12試合、ナビスコカップ３試合の計15試合を１度として２試合連続で同じメンバーがスタメンに入ることはなかった。
リーグ３節までは本当の試行錯誤。トニーニョや冨田といったディフェンス陣のボランチへの起用を試みた。４節以降はしばらくボランチをディフェンシブに位置づけ、片岡、ディビッドソン純マーカスのダブルボランチが９節まで続き、その間行われたナビスコ杯第１節はリーグ戦を戦う疲労を考慮したメンバーが組まれた。
4月26日のナビスコカップ磐田戦からはまた新たなメンバーが試されているようだ。ボランチには前線へのパスや、ミドルシュートなど攻撃力に優れた小林慶行が５試合連続先発しており、もう一枚にはディフェンシブに対人の強さを発揮する片岡もしくはディビッドソン純マーカスが起用されている。そして、センターバックは冨田、トニーニョ、前線には途中加入のグラウが定着しつつある。中盤の攻撃的な位置には小林大悟と、久永、もしくは藤本が入り、魅力的なサッカーを見せてくれるようになって来ている。この組み合わせで攻守共に手応えを得つつあり、リーグ、ナビスコ合わせた5試合で3連敗のあと2連勝。どうやら新たなチームの形が見えて来ているようだ。この形で連勝しているだけに明日の甲府戦にもこの勢いを持ち込みたいところでもある。

一方の甲府はリーグ、ナビスコカップを併せ４連敗中。ただ、「昇格１年目だし、負けたからといって消極的になったりはしてないと思う。勢いのあるサッカーをしてくるんじゃない」と三浦監督。甲府にとっても勝ち点５でグループ３位のため、勝ち点３で４位につける大宮を叩いておきたいところ。藤田の負傷という不安要素があるものの前節温存したスタメン達が勝負をかけた一戦に戻ってくるだろう。

そして、見どころになるのは前の試合に出場のなかったバレーの存在。Ｊ２時代の大宮を支えたストライカー バレーと大宮ディフェンス陣との対決は大宮を長くみていればいるほど胸を熱くするだろう。今でも公私共に親交の厚いトニーニョは「向うもこっちも色々知っているからどっちにアドバンテージがとは言えない。仲は良いけどピッチに入ったら別」と古巣対決に気を引き締める。

また甲府の印象を聞いた時に「勢いの中に、マエストロ」と小林慶が警戒するのがマエストロこと、林健太郎の存在。前へ前へ、攻撃的サッカーを標榜する大木サッカーにおいて、その高い技術と鋭い読みで攻守に緩急をきかせている。大宮にいる桜井、小林慶、小林大という元東京V勢との対決もあり、こちらの古巣対決も面白そうだ。

「中断期間を、ナビスコカップのトーナメント有りで迎えるのと、なしで迎えるのとではリーグ後半へ向かう気持ちが全く違う」と三浦監督。たしかに、２ヶ月に渡る中断期間、長期休暇と長期準備で過ごすよりも、実戦と休暇、そして集中した準備を行って後半へ向かうほうがいいに決まっている。
そのためにももう、ここで負けるわけにはいけない。
明日の甲府戦、大宮にとっては早くもリーグ戦後半を占う勝負どころのようだ。


以上

2006.05.13 Reported by 了戒美子

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