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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 新潟 プレビュー】選手の意識を一つにして「守り勝ち」を狙う広島が「対広島戦アウェイ初勝利」を目指す新潟を迎え撃つ。(06.05.14)

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5月14日(日)ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 新潟(15:00KICK OFF/広島ス)
-ゲームサマリーはこちら-
-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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「耐えて勝つ」
これは、広島カープを初優勝に導き、その後のカープ黄金時代を築いた名将・古葉竹識氏の好きな言葉である。この名言は、戦術・戦略というよりも古葉氏の人生観を表したものだった(彼の野球は機動力を活かした「仕掛ける」スタイル)が、今のサンフレッチェ広島はこの言葉をそのまま「戦術」として具現化しているような趣がある。低めのゾーンで5バックを中心にブロックをつくり、人数をかけてボールを奪うと「ノーリスク」でクリアする。そうやって相手の攻撃を耐え続け、一瞬の隙をついてカウンターで得点をとる。まさに「耐えて勝つ」の言葉、そのままの戦い方だ。
このサッカーに対しての是非論は、確かにあるだろう。しかし、実際に「勝点」という結果は出ている。望月監督就任以降、リーグ戦では2勝1敗1分。4試合連続で先制点をあげ、2試合連続完封勝利。カップ戦(4/26)では千葉に前半0-4で圧倒されたが、後半は一気に3点を叩き込んであわや同点というところまで追い込み、千葉・オシム監督に「この試合は負けた方がウチにとってはよかった」と嘆かせた。

確かに、この戦術導入当初は、選手の間に戸惑いが見られ、極端な守備的戦術に対してのストレスも感じていた。しかし、戸惑いながら闘った千葉戦の前半に味わった「屈辱の45分間」以降、チームは変わった。「今はこのやり方でやるしかないんだ」という開き直りからくる強い意識が、チーム全体に浸透していったのだ。
広島の戦いは、確かにスペクタクルではない。しかし、選手たちが強い意志を持って、ひたむきに泥臭く、勝つことだけにこだわって闘う姿は、見ている者の心を揺さぶる。5月6日の福岡戦でホーム初勝利を導いた駒野のFKが決まった瞬間、広島ビッグアーチは大歓声で揺れた。それは間違いなく、選手たちの強い気持ちにサポーターの想いが連鎖した証だった。

ただ、明日の試合は広島にとって大きな試練となる。「望月サッカー」を支える重鎮・小村徳男が左足を負傷し、ナビスコカップ予選リーグの今後の出場がほぼ不可能になった。さらにジニーニョの負傷もまだ癒えない状況で、広島の最終ラインは「耐えて勝つ」サッカーにもっとも大切な、相手の攻勢にも冷静に対処できる「経験」を失うことになったのである。しかし、だからと言ってやるべきサッカーを変えることは、望月監督はやってくるまい。では、どういうメンバーで、どういう微調整を施して臨んでくるか。そのあたりの采配は注目される。

一方、予選リーグ2位につけている新潟にとって、明日の広島戦は決勝トーナメント進出に向けて非常に重要な一戦となる。この試合に勝てば、首位・千葉との直接対決が残っているだけに、予選突破=クラブ史上初のナビスコカップベスト8進出が現実味を帯びてくる。
ただ、新潟にとっての不安材料は、かつて広島の地でまだ1勝もしていないこと。2001年のヤマザキナビスコカップで初めて広島での試合を経験した新潟だが、ナビスコカップ・天皇杯を含む公式戦の結果は2分4敗。しかも6試合中5試合が完封されており、広島で新潟があげた得点はわずか1点しかない。新潟の対広島戦勝利はすべて新潟スタジアムでのものなのだ。
その相性の悪さに加え、エース・エジミウソンが怪我から復帰できないことも不安材料である。ただそこは、矢野貴章・中原貴之といった若手ストライカーの成長と、ファビーニョ・鈴木慎吾の2列目からの攻撃が機能し、エジミウソン不在を全員でカバーとしている。特に広島のブロックを突き崩すためには、リーグ戦の第10節で横浜FMがハーフナー・マイク投入以降の13分間で逆転したように、ハイボールでの放り込みが有効。高さのある矢野(185cm)や中原(180cm)の頭にいいボールが入れば広島のゾーンをどんどん押し下げることができるし、そのセカンドボールをペナルティエリアで拾えばビッグチャンスも訪れるだろう。

広島のひたむきな守りのサッカーがまたも結果を出すか、それとも広島のブロックを突き崩し、新潟が広島の地での初勝利をあげて決勝トーナメント進出に希望をつなぐか。
J2時代からのライバル対決は、様々なストーリーを内包しつつ、明日、キックオフを迎える。


以上

2006.05.13 Reported by 中野和也

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