5月14日（日）J2 第15節 横浜FC vs 仙台（14:00KICK OFF/三ツ沢）
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12試合無敗。破竹の勢いが止まらない横浜FCは、水曜日、東京Vと対戦し２−０で快勝。勝ち点を28に伸ばし首位・柏と並んだ。得失点差で２位ではあるものの、第１クール、出来すぎるとも言える滑り出しを見せている。

東京Vとの対戦は、「立ちあがり、相手のボール回しに手こずった（内田）」。前半の試合開始直後は、東京Vのパスワークの中からCK、FK、そしてフィニッシュまで持ちこむなど立て続けにチャンスを作られた。その部分について高木監督は「今シーズン一番悪い立ち上がりだった」と振り返っている。しかし、そのまま相手の流れに翻弄されないのが今年の横浜FC。そんな時間帯も我慢しながら戦えたことが、勝因の一つでもあるに違いない。高木監督は「前半、内容が苦しいなか勝利したことは、選手・チームの成長を感じる」と話し、その立ち上がり以降については「ほぼパーフェクトな内容だった」と語った。
この試合も完封した横浜FC。13試合を終えての失点はわずか３。この数字から、巷では横浜FCの鉄壁の守備を「ハマナチオ」と呼ぶ声もささやかれ始めた。しかし、横浜FCの守備は全員が引いてガチガチに守るようなものではなく、ただピッチに立つ選手、いや、所属する選手全員に強い守備の意識があるだけだ。どのチームに対しても、しっかりとした守備から…というコンセプトは変わることはない。

東京V戦の勝利で、首位・柏との勝ち点が並び２位に浮上してきた横浜FC。だが、この順位に満足している様子の選手は一人もいない。「最後の最後まで体を張るということが当たり前のことだが、それを当たり前の様に出来るようになったことが大きい（山口）」、「運もあると思うが、それは全員が全力でやっているからこそ（鄭）」「ヴェルディの方が上だった。そこをしっかり反省して受け止めなくては（城）」と、試合後に出てきたのは、浮かれることなく 冷静に、そして謙虚に自分たちを見つめる言葉の数々だった。
中３日で次の試合を迎える横浜FC。仙台戦を控えたこの日の練習では「皆がしっかりやってくれているから結果も出ている。これに満足せずに、謙虚な気持ちでやっていこう」という高木監督の言葉で始まり、攻撃練習やリラックスゲームなどで汗を流した。
仙台戦では、東京V戦で負傷退場したトゥイードの出場は見送られそうだ。セットプレーでは高さを見せ得点を奪うなど、相手にとっては脅威な存在なだけに、仙台にとってはラッキーな要素の一つかもしれない。が、横浜FCの多彩なオプションに油断は出来ない。

横浜FCの背中を追う仙台は、前節湘南と戦い２−２で引き分けたものの、こちらも10試合負けナシと勢いがある。
これまでの13試合での総得点は24と、J2リーグでトップ。この攻撃力はロペス、ボルジェス、チアゴの外国人トリオが中心となっているのは言うまでもない。この3人で既に14点を叩き出すなど、どのチームも警戒を示すのには頷ける。それ以外にも、前節湘南ゴール前を何度も脅かしていた菅井にも注意が必要だ。
仙台は、ロスタイムでの失点がここ２試合続いている。 ロスタイムに同点弾を決められ勝ち点２を落としてしまっている感は否めない。「４」を落とし２位の座を譲ってしまった横浜FCとの直接対決。今回の試合では最後までの集中力が何よりも必要かもしれない。

高木監督は「どれだけ説明しても、やはり体感しなければなかなかわからないこともある。もう仙台とは一度対戦しているので、選手たちはある程度の感覚はつかめているはず」と話す。一度戦っているだけに、そこまでの不安もなく試合に臨めることは確かだろう。
山口が「また厳しい戦いになると思うが、いい試合が出来ればいいなと思う。連戦になるが、ホームだし、コンディションを整えて臨みたい」と話せば、内田は「仙台戦は点取ります」と、仙台戦に向けた意気込みを語った。
今週の連戦で勝ち点４を取ることを目標に掲げていた横浜FC。ホームのサポーターの前でそれを「６」にすることができるか。明日の上位決戦から目が離せない。


以上

2006.05.13 Reported by 浅野有香