5月14日（日）J2 第15節 東京Ｖ vs 水戸（14:00KICK OFF/国立）
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変則日程となった5月10日の第13節、東京Ｖはホームゲームながら０−２で敗れた。ハードスケジュールは承知の上だったが、持ち味である突破力・攻撃力が横浜ＦＣの堅守に阻まれ、守備においてもあっさりとセットプレーを許して冷静さを欠き、先制点を奪われると身構えてしまういつもの癖も出てしまった。満身創痍であったことは、作戦上の意図ではない交代を余儀なくされた事からもうかがい知る事ができる。中３日での水戸戦、ハードな日程はまだ続いている。

今節の対戦相手は水戸ホーリーホック。頑なまでの堅守が特徴なだけに、横浜ＦＣ戦で見せたような、早い時間でのシュートシーンで脅威を与えて、イニシアチブを取りたいところだ。前節で、得失点差の貯金が０になってしまった。ＦＷのみならず２列目以降からも積極的にゴールを狙ってほしい。得点ランキング１位のバジーリオ（７点）と２位の平本（６点）が執拗なマークにあうのは必至。中盤のプレッシャーに負けずに粘り強く仕掛けてスペースを作り、ねじ込むようにゴールを狙う必要がある。前節、怪我から完全復帰した森本がゴール前で見せたような、ＤＦの裏への絶妙な飛び出しやシュートで、「攻撃力が売り」（永井）の東京Ｖスタイルの復活に期待したい。

前節の反省で、選手は口を揃えるように「組織で」「全体で」という言葉を用いた。Ｊ２は個々の戦力の脆さを組織力でカバーして挑むチームが多い。今節の対戦相手である水戸も守備面での徹底がチームカラーとなり、戦力となっている。横浜ＦＣで痛感した事を試合で生かすには、中３日は逆に効果的だろう。

一方の水戸は前節の札幌戦で「してやったり」（前田監督）の大勝。チーム史上初となるハットトリックをアンデルソンが決めて、『守備だけではない水戸』を強く印象付けた。同点に追いつかれつつも、再び引き離して勝利したことで、ゲーム運びでの辛抱強さも学び、自信の一つになった。もちろん、水戸の武器である『頑なまでの守備』『相手の中心選手への執拗なマーク』は札幌にも奏功した。

今節は大和田が警告累積で出場停止の為、堅守に不安がよぎるがバックアップ選手は誰が出ても遜色なく、“いつも通り”が貫けるかが鍵となる。攻撃面ではアンデルソン頼みであることは否めず、パス供給元とともに封じ込まれると苦しい展開になりそう。水戸にとっては初めての国立競技場でのプレー、上位に君臨する元Ｊ１の東京Ｖ…水戸のモチベーションを高めるにはこの上ない状況だ。

『攻めの東京Ｖ』『守りの水戸』、サッカーの聖地を賑わすのはどちらのチームだろうか、大いに期待したい。


以上

2006.05.13 Reported by 壽山知里