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【J1:第6節 清水 vs G大阪 レポート】アタッキングゾーンでの精度とゲームコントロールの差でG大阪の攻撃力が清水の守備力を上回る。(06.04.02)

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4月1日(土) 2006 J1リーグ戦 第6節
清水 2 - 3 G大阪 (19:04/日本平/10,661人)
得点者:'22 家長昭博(G大阪)、'44 兵働昭弘(清水)、'44 矢島卓郎(清水)、'71 フェルナンジーニョ(G大阪)、'86 マグノアウベス(G大阪)
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結果から言えば、G大阪の攻撃力が清水の守備力を上回ったゲームと言えるかもしれない。しかし、それ以上に印象深かったのは、アタッキングゾーンでの精度とゲームコントロールの差だった。

清水は、市川に代わってベテランの森岡が右サイドバックに、マルキーニョスに代わって新人の矢島がFWに入った以外はいつものメンバーで、いつも通りの4-4-2。対するG大阪は、代表明けの宮本と加地に無理をさせず、遠藤と明神はケガで欠場。主力4人を欠き、メンバー表では3-5-2となっていたが、始まってみると左の家長がDFラインに下がって4-4-2の形。ボランチは橋本と松下、2列目が右に前田、左に二川。2トップは、マグノ・アウベスと、その周囲を自由に動くフェルナンジーニョという布陣。

メンバーが数多く入れ替わってリズムが出るのに時間がかかったG大阪に対して、序盤はホームの清水が主導権を握った。セカンドボールをよく拾って、素早くつないで左右から次々にクロスを入れる。9分にはボランチの枝村が2列目から飛び出して惜しいシュートを放ち、12分には左の藤本のクロスからチョが決定的な形を作るが、これはGK藤ヶ谷に阻まれる。西野監督は「よくあの時間帯をしのいだ」と振り返ったが、クロスの精度も含めて、清水の詰めの甘さがあったことも否めない。

そして、耐える展開からG大阪が徐々に反撃を見せ始めた22分、左SBの家長が得意のドリブルから二川とのワンツーで抜け出して、左の角度のないところから豪快なシュートを清水ゴールに突き刺す。押されていたG大阪が、切れ味鋭い攻撃でワンチャンスを生かした。

1点をリードして優位に立ったG大阪だが、西野監督は思うように機能していないボランチの松下に見切りをつけ、26分に入江を左SBに入れて、家長をボランチに移すという早い動きを見せた。「初めて組んだ」(橋本)という橋本と家長のコンビは、バランスを崩すリスクはあったものの、家長の果敢な攻撃参加がG大阪の攻めを活性化させたことは間違いない。その結果、両者が攻め合う展開となり、どちらも決定機をいくつか作ったが、やはりラストパスやシュートの精度が高いのはG大阪のほうだった。

しかし、44分の兵働のシュートは素晴らしいコントロール。左から矢島が作ったチャンスのこぼれ球を拾った兵働は、わずかにコースが空いているのを見て、得意の左足で巻きこむようなシュートを放つと、これがカーブを描きながら左ポストぎりぎりに決まって同点。さらにロスタイムに入って、自陣からのクリアボールをチョが頭で後方に流すと、快足を飛ばした矢島がシジクレイからボールを奪い取って独走し、冷静にGKの股を抜いてゴールに流し込む。清水が続けざまに2点を奪い、逆転して後半に折り返した。

ただ、殊勲の矢島は、前半の早いうちに右肩を痛めていて(右肩鎖関節亜脱臼)、ハーフタイムでマルキーニョスと交代。これは清水にとって誤算だったが、守備の落ち着きは変わらず、逆に3点目のチャンスも何度か作りながら、自分たちのペースで試合を進める。

13分のマルキーニョスの決定的なシュートが決まっていれば、試合はどうなっていたかわからないが、3点目を狙ってオーバーペースになった面もあったのか、20分を過ぎたあたりから少しずつ清水の動きが落ちて、G大阪が盛り返してくる。そして26分に、青木の右クロスが逆サイドに抜けたところにフェルナンジーニョが詰めて同点ゴールをゲット。右SBの森岡が戻りきれず、危険なフェルナンジーニョをフリーにしてしまった。その後は一進一退の展開になるが、勢いがあったのは、徐々に自分たちのリズムを作ってきたG大阪。41分の青木の右クロスをDFがクリアしきれず、これを拾ったマグノ・アウベスが冷静なボールコントロールからきっちり決めて、G大阪が再逆転。そのまま3-2で逃げ切って3連勝を収めた。

G大阪にとっては、この6節までが選手のやりくりやコンビネーションの面の厳しい時期だったが、それを4勝1分1敗で乗り切ったことは「最高の結果」と、西野監督も顔をほころばせた。

一方、清水は3連勝の後、3連敗。ただ、内容はけっして悪くなく、守るだけのチームでないことは十分に証明した。しかし、リードしたときの戦い方、時間の使い方には改善の余地が大いにある。そして、フィニッシュに至るプレーの質や精度でも、G大阪に差をつけられた。それらの課題は、選手たち自身もよくわかっているだけに、余計に悔しさが強かったようだ。ただ、清水はまだ若いチーム。G大阪もJリーグ王者になるまでの過程で、同じ悔しさを何度も味わってきたはずだ。

以上

2006.04.02 Reported by 朝比奈 穣
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