4月2日（日）J1 第6節 新潟 vs 広島（15:00KICK OFF/新潟ス）
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新潟は、FWエジミウソンとMF本間勲がヤマザキナビスコカップ・清水戦（3月29日）で負傷した。ともに全治3週間と診断され、今節は不出場。主力の離脱は痛いが、若手やサブのメンバーにはチャンスでもある。それをつかもうとしているのがFW中原貴之だ。エジミウソンに代わってスタメンが濃厚。矢野貴章との同期の2トップで、連敗脱出のキーマンになる。

広島は今季、リーグ戦で未勝利。ただ、ヤマザキナビスコカップ・千葉戦ではボールに向かう姿勢が見えてきたように、チーム状態は上向いている。アウエィで勝点3を上げることで、一気に上昇気流に乗りたい。

「緊張よりも楽しみの方が大きいです」。今季初スタメンが濃厚の中原の表情は明るい。1日、新潟はゲーム形式とセットプレーの確認を行った。「僕の武器はヘディング」と言うように、中原はコーナーキックの練習では果敢にボールに向かった。

ヤマザキナビスコカップ・清水戦でエジミウソンが右膝靱帯を損傷。その代役としてチャンスが回ってきた。リーグ戦でチームの全5得点中4点を決めている絶対的なエースに代わってのスタメン。「今回は代役かもしれないけど、ここで結果を残して、エジがいなくても任せられるようにしたい」。プレッシャーを感じる以上に、アピールにかける意欲が上回る。

今季、仙台から期限付き移籍。開幕からベンチ入りし、3試合に途中出場した。ただ、出場時間は15分（第1節川崎戦）、1分（第3節大宮戦）、8分（第4節磐田戦）と短く、チャンスに絡む場面はほとんどなかった。「途中出場のときは、流れに入るのが難しかった。最初からピッチに立つことができれば、スムーズに試合に入れる」。持ち味は高さのあるヘディングと、ボールに食らいついていくがむしゃらさ。鈴木淳監督も「ヘデイングが強いしシュートに対して思い切りのよさがある」と評価する。新潟は今季、まだセットプレーからの得点がない。中原の動きが重要になってくる。

ツートップの一角、矢野貴章にとっても中原の出場は好影響がある。柏から移籍し、今季はまだ無得点。ただ、開幕からスタメン出場を続けている。攻守に走り続けるプレーで試合ごとに内容を高めてきた。エジミウソンの今季の全6得点（ヤマザキナビスコカップも含む）中、3得点を矢野がアシスト。開幕当初より球際での粘り強さが出てきた。「エジミウソンと呼吸があってきたところなので、少し残念」と離脱した相棒を気遣う。一方で、「自分の動きも出来てきつつあるので、誰と組んでもやることをやるだけ」と中原とのコンビに不安はない。

中原と矢野は同年代。U-20日本代表でもチームメートだった。「代表の練習試合で組んだくらい」（矢野）、「まさか同じチームでコンビを組むことになるとは思わなかった」（中原）とお互い新鮮さを感じている。「違う持ち味を持っている」と期待する指揮官の起用に応えることが、チームを連敗脱出へ導くことになる。

一方広島は、ようやくエンジンがかかりつつある。ヤマザキナビスコカップ・千葉戦では1対2で敗れたものの、後半の立ち上がりに同点に追いついた。前半で押され気味だった内容を修正した。後半には相手ボールにプレッシャーをかけ、攻撃時のカバーもしっかり行うなど、攻守のリズムがかみあってきた。

何より、FW佐藤寿人に勢いがついたことが大きい。日本代表として出場した30日のエクアドル戦で決勝点を上げた好感触を、そのまま新潟に持ち込む。また、右太腿の故障で戦列を離れていたFWウェズレイも回復傾向にある。得点源の2人がそろい、今季初勝利にかける雰囲気が整う。

ホームの新潟にとっても、3試合ぶりの勝利は譲れないところ。ともに、ボールに対する細かい部分の反応で相手を上回ることが重要になる。

以上

2006.4.1　Reported by　斎藤慎一郎