12月11日(日)Jユースサハラカップ2005 決勝トーナメント2回戦
横浜FM 1 - 0 東京V (14:02/戸塚G/200人)
得点者:'80 斉藤陽介(横浜FM)
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2回戦ながら早くも実現してしまったクラブユース決勝と同カード。今季3度目の対決となる横浜FMと東京Vの一戦は拮抗した好勝負。共にスタイルなどを捨て、結果を手に入れるべく臨んだ泥臭い総力戦。決定的なミスをした方が負ける、そんな緊迫感溢れる試合は相手の一瞬の隙を見逃さなかった横浜FMが1-0での勝利を手に入れ、準々決勝へ駒を進めた。
なぜだか分からないが、東京Vのウォーミングアップのラストは笑いを誘うものがある。動き自体は選手だけで円陣を組んだ状態で両手の動きをいれたジャンプなど、を繰り返すごくごく普通のウォーミングアップなのだが、なぜかお調子ものが笑いを誘うかけ声をかける。さしたる意味などないのだろうが選手たちは、笑いに崩れ落ちそうになりながらアップを続ける。高円宮杯決勝の時などはそのアップ終わりに「応援よろしくおねがいします!」とピッチからスタンドに声をかける下級生までいたほどだ。この日も、だれかがささやかに笑いの中心となり、数分の集中ののちピッチにむかった。
一方の横浜FMはやや言葉少なめ。今季既に2敗の相手だからなのか、どことなく緊張感が漂う。選手たちは静かにアップを終えキックオフを待った。
横浜FMは通常通りの4-4-2。ハーフナーマイクの相棒として活躍してきた俊足の斉藤陽介が負傷のためベンチスタートとなったほかは万全の状態。東京Vは、ボランチを任せてきた1年生奥田大二郎が負傷のため90分の出場はならずベンチスタート。そのためボランチを3枚にし4-3-1-2の布陣で臨んだ。
試合前半はどちらもチャンスを作り出せず、我慢くらべのような展開。特に東京Vは27分の弦巻建人のミドルシュートの他は決定機はなし。どちらかと言えば攻めていた横浜FMも東京Vの速いプレスの前に仕掛けの機会は少ない。得意のサイド攻撃もままならず、前線で待つハーフナーマイクのもとまでボールが渡らない。共に守りあったシュート数は横浜の5本に対し東京Vが2本で前半を終える。
後半開始と同時に東京Vは中盤の底に奥田大二郎を投入。中盤でキープできるプレーヤーを入れ、攻撃の組み立てを図る。今シーズンはここまで我慢しながらラスト数分で得点し、勝利をモノにしてきた東京Vは焦ることなく試合を運んでいるかに見えた。横浜FMにしても同じ。こちらはキープ力にたけた富井英司を中心にペースを握りながらも決定に至らないまま。どちらにもこれといった決定機が訪れないまま、80分その一瞬が訪れる。ペナルティエリア内左サイドで持ち込んだハーフナーが出したボールにGK高木駿が反応。しかしそのボールはイレギュラーの回転で途中出場の斉藤陽介の前に転がる。GKはすでにゴールマウスを離れており、斉藤が落ち着いて右足で流し込んだ。
その後ようやく目が覚めた東京Vの攻撃陣だったが時既に遅し。試合終了のホイッスルと同時に横浜FMイレブンは戸塚を訪れたサポーターと共に歓喜に包まれた。「ヴェルディさんとの試合はいつも選手が成長するゲームになります」と横浜FMの高橋監督は、この一勝をかみしめた。高円宮杯は一次ラウンド3戦全敗。「チームとしても勢いを失っていた時期」(高橋監督)を乗り越えて前進してきた。「ポゼッションもうわまわってたと思うしやってても負ける気がしなかった」とハーフナー。早くも翌週の次戦に思いをはせていた。
一方、ピッチに崩れ落ち、涙をながした東京Vイレブン。今季チームの軸に据えてきた弦巻はこう振り返った。「実力です。今季ここまでは走り勝ってきた部分があるけど、Jユースの予選あたりから相手にも研究されている感じもした。高い位置からプレッシャーかけて、と自分達のやりたいサッカーがあるんだけどそれを相手にもやられた時にどうしていいか分からなくなって・・・」有言実行とばかりに三冠を口にしてきた。それだけに悔しさも滲む。
奇しくも指揮官が同じコメントで試合後引き上げてきた。「いや、こんなもんですよ、力的には。これまで結果が出てしまっていただけ」といつも通り、にこやかに試合と今季を振り返りはじめた。
1-0というスコアからも分かる通りの好ゲームを制した横浜FMは、柏を下して8強進出を遂げた三菱養和SCとの一戦となる。来週も熱い戦いが期待できそうだ。
以上
2005.12.12 Reported by 了戒美子
J’s GOALニュース
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