●第85回天皇杯5回戦
12月10日(土)(長崎)
横浜FM 2-3 川崎F
得点者:23'フッキ(川崎F)、69'久保竜彦(横浜FM)、73'フッキ(川崎F)、89'久保竜彦(横浜FM)、97'中村憲剛(川崎F)
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天皇杯のベスト8入りを賭けた一戦。川崎Fはジュニーニョ、アウグストと攻撃のキーマンが不在。対する横浜FMは松田、中澤と守備の中核をケガで欠く。さらに河合が出場停止処分でディフェンスラインは苦しい台所事情。栗原、中西、那須で何とかスリーバックを構成したものの、サブのなかにDFプレーヤーがいないのが、危うさを如実に示している。
このチーム状況をどうクリアしていくか、これが勝負の分岐点になると思われた。結果的には3点奪った川崎Fオフェンスと3点を失った横浜FMディフェンスということになる。
前半から両チームの特色がはっきりした攻撃パターン。川崎Fはマルクスのキープ力とパスセンスから、スルーパスでディフェンスラインの間から裏にトップが抜けての決定機を狙う。対する横浜FMはトップがサイドに流れてキープ、または数本のパスをしっかりつなげてからサイドへの展開を試みる。
効果的だったのは川崎Fの方。横浜FMのロングボールやクロスは高くて強いディフェンスプレーヤーに弾かれ、中盤でも寄せられてなかなか好機とならない。対する川崎Fは回数こそ少ないものの、得点の匂いは漂う。GKの飛び出しに阻まれたものの、20分の我那覇の飛び出しのタイミングは微妙だった。
対する横浜FMも徐々に精度をあげる。ペナルティエリア深く攻め込み、22分にはゴール前で坂田がキープし、こぼれたところを大橋が拾って鋭く切り返して左足でシュート。右に流れたところをグラウが詰めたが、一歩届かない。すると、その2分後に先制シーンがやってくる。引き出したのはトップ下・マルクスのスルーパス。それを受けてフリーとなったフッキが右足で落ち着いてサイドネットにフィニッシュした巧技は見事だった。
後半は、ボールもある程度は支配できて、シュートも放っているものの、どうしてもゴールが近づけない横浜FM。ついに60分に久保と奥を投入。スリーバックの1枚・中西を下げて4バックに(右から田中隼、栗原、那須、ドゥトラ)。オフェンスパターンは変えないが、久保というスーパーなパーツが入ったことで、川崎Fのディフェンスに緊張が浮かんでくる。その久保はまず63分、大橋からの低いクロスをニアで右足で合わせる。そして68分。奥からのパスをマグロンがワンタッチでふわりとディフェンス裏へ。これに反応すると、マーカーを瞬間的に抜いて左足で豪快にネットに突き刺した。
その後は、横浜FMのペースになったが、73分にフッキが、このムードを断ち切るようなミドルシュートを放つと、その弾道がネットに一直線。川崎Fが勝ち越す。この直後に川崎Fは我那覇を下げて佐原をピッチに送り出す。センターバックの寺田をボランチに入れて逃げ切り態勢。しかし3分のロスタイム表示が掲げられてから、もういくらか時間が経ってのこと。パワープレーの連続から横浜FMは右・田中隼がクロス。低いライナーは久保にズバリ。ドラゴンは簡単に劇的なゴールを決めて、試合は延長戦へ。
流れは当然、土壇場で追いついた横浜FM。ところが「90分間で決するべき勝負だった」(関塚監督)との少々の後悔も、攻められて追い込まれた緊迫にも、勝利を諦めない川崎Fの選手がいた。97分、やはりこの男、フッキから。ペナルティ左外でフッキがキープしドリブル、引き付けて右の中村へパス。中村はきれいにミドルシュートをねじ込んだ。
三度リードした川崎Fは、延長後半もしっかり、このアドバンテージをキープし120分間終了のホイッスルを聞いた。「こういうクロスゲームでも、どちらかは負ける」と勝負事の諦観ものぞかせた岡田監督。まさしく、そういう際どい戦いで勝利を手繰り寄せ引き寄せてきたのが二連覇の主因ではなかったか。対してシーソーゲームをものにした川崎Fは、攻撃の中軸がいなくとも攻守のベースを示した。これにモチベーションが加算されれば、タイトルへの可能性は大きく膨らんでくるだろう。
以上
2005.12.10 Reported by 池田博人(インサイド)
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