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【第85回天皇杯5回戦:磐田 vs 新潟レポート】満身創痍の磐田が前回対戦の借りを返し新潟に勝利。準々決勝にコマを進める。(05.12.10)

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●第85回天皇杯5回戦
12月10日(土)13:00/ヤマハ/5,072人
磐田 2−1 新潟
得点者:79'福西崇史(磐田)、89'上野優作(新潟)、115'田中誠(磐田)
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 負ければ反町監督のラストマッチとなる新潟は、全員が魂のこもったプレーで最後まで戦い抜いたが、勝利の女神は味方してくれなかった。ただ、勝った磐田も苦しいチーム状況の中で我慢強く冷静に戦い抜いた。中山が不在で、前田も崔も西もケガ、カレンが風邪とFW陣が緊急事態。2トップのうち1人は、カレンが強行出場したが、もう1人は19歳の新人・岡本達也が公式戦初出場・初スタメン。中盤も、成岡が体調が悪い中、点滴を打ちながら出場し、名波も満身創痍で控えに回る。守備陣では金が右膝を痛めて欠場したが、鈴木と田中がなんとかケガから復帰して最終ラインを固めた。

 対する新潟は、ブラジルに帰国したアンデルソン・リマの代わりに宮沢が3トップの一角に入り、GKが木寺から野澤に代わった他は、磐田に初勝利した前回の対戦(11/20 J1第31節/ヤマハ)と同じスタメン。戦い方も、そのときとほぼ同じ。すなわち、全員でしっかり守って、磐田が焦ったり、足が止まったりしたところで勝機を見出す戦略だ。

 そうした両者の事情もあって、前半はどちらも守備側が優位となった。磐田は、ルーキー岡本がボールを受ける前につねに工夫のある動き出しを見せて持ち味を発揮したが、新潟のマークが外れることはなく、完全に崩しきるところまではいけない。新潟も、前回ほど守備的にはならず、しっかりとボールをつないで攻める場面も見せるが、時間をかけた攻撃ではなかなかチャンスは作れない。速攻を仕掛けようとしても、磐田の守備陣がカウンターに対してしっかりと備えていた。40分に、前半では唯一、新潟が速攻で決定的なチャンスを作ったが、ファビーニョのシュートはGK川口が素晴らしい反応で弾き出す。このとき、不運にもファビーニョは足を痛め、ハーフタイムでの交代を余儀なくされてしまう。

 後半、ファビーニョの代わりに上野が入るが、攻撃の中心を失ったことは、ゲームプランのうえでも新潟にとって大きな痛手だった。反町監督は、ハーフタイムで「雪国の意地を見せよう!」と選手たちを鼓舞し、新潟魂に期待をかけた。だが、後半12分に海本が不運な形でこの日2枚目のイエローカードを受け、退場処分。これで数的優位となった磐田が、ポゼッションで完全に優位に立って攻めこみ、17分には村井の左クロスを岡本が押し込んだが、これはオフサイドの判定でノーゴール。24分には「30分が限界」(山本監督)という名波を投入し、福西が前に上がってさらに攻め込むが、新潟も必死にボールに食らいついて守り抜く。

 新潟の集中力の高い守りをなかなか崩しきれない磐田だったが、34分に伝家の宝刀でついに先制点を奪う。名波の左コーナーキックに、福西が驚異的な高さの打点で合わせ、ゴール右に流し込む。いちばん警戒しなければいけない形だとわかっていても止められない、見事なゴールだった。

 だが、新潟の選手たちは最後まであきらめない。カウンターのチャンスがあれば、何人もの選手が長い距離を走り、1人少ないハンディを1人1人の動きの量で補った。そしてロスタイムに入る直前の44分、左クロスからのこぼれ球を必死につないで、最後は上野が執念のシュートで同点ゴール。なんとか追いつき、延長戦に望みをつないだ。

 延長では、磐田が攻めて、新潟が耐える形。その中で磐田が何度か決定的なチャンスを作ったが、新潟がGK野澤の好守もあって何とかしのぎ、PK戦に望みをかける。だが、このままPK戦にもつれ込むかという雰囲気が漂い始めた延長後半10分、磐田の右コーナーキックのこぼれ球からゴール前で混戦になり、茶野のシュートはGK野澤が止めたが、そこに磐田の選手が交錯し、こぼれたボールを田中が押し込んで決勝点が決まった。新潟の選手たちは野澤に対するファウルを主張したが、主審はゴールを認めた。その後の新潟の反撃も実らず、2-1のまま激戦が決着。

 最終的には新潟のカウンターを警戒しながら辛抱強く攻め続けた磐田が、11月のリベンジを果たし、準々決勝にコマを進めた。敗れた新潟にとっては、チームの基礎を作った反町監督のラストゲームとしては納得しにくい結果だったが、最後まであきらめずに走り続ける「新潟らしさ」は十分に見せてくれた。記者会見で悔し涙を見せた反町監督も、選手たちには「胸を張って新潟に帰ろう」と語りかけて5年間の仕事を締めくくった。

以上

2005.12.10 Reported by 前島芳雄
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